*music

sutero choice sound selection

Miyuki Hatakeyama / Summer Clouds, Summer Rain

Miyuki Hatakeyama / Summer Clouds, Summer Rain

 *music、約11ヶ月ぶりの再開第一弾のご紹介は畠山美由紀、今月リリースの新作。ジェシー=ハリスをプロデューサーに迎えた、アコギと歌のシンプルな、それはシンプルな作品。

 聴く前から音が想像出来てしまうこの2人の組み合わせ。それでも聴けばじんわりと温もりの感じられる心地良いサウンドでついつい何度でも繰り返し聴きたくなってしまうアルバムである。

 オリジナルにジェシー作品、そしてカヴァーと色んな楽曲を日本語に英語、ポルトガル語で歌われておりますが、それも何の違和感もなくすんなりと耳に流れ込んで来るこの畠山美由紀ヴォイスというのが大好きであるし、この音色の少ないシンプルな作品であるからこそ、声の響きってのがストレートにやってまいります。

 今や畠山美由紀さんはポートオブノーツを始めこのソロに色んなコラボと鬼のように色んな場面で歌ったりCM出演などもされておりますが、個人的にはやっぱりポートオブノーツの畠山美由紀ってイメージが強いのも事実。しかし、どの場面においても彼女らしさが溢れ出ていて、だからこそ様々なアーティストがコラボしたがるのであろう、というのも理解出来る。

 全曲、リラックスして聴けて昼でも夜でも雰囲気的にピッタリな感じで大好きだけれど、この1曲ってあげるなら、あえてラストナンバーでありビートルズのカヴァーである「Blackbird」かな。本家の方はここ10年位まともに聴いてないけれど、これだけベタなくらいな名曲をアルバムのラストでサラッと歌ってるのが何かイイ。

 日常でふとゆったり落ち着いていたい場面で聴きたくなるであろう作品。

 久々に書いてはみたけれど、どうだろうこの文章。ともかく、また徐々に慣らしていって色々ご紹介します。

Quruli / Best of Quruli Tower of Music Lover

Quruli / Best of Quruli Tower of Music Lover くるり、先週リリースのベストアルバム。
 もうね、発売日前日に購入して以来、iPod nanoではこのアルバムしか聴いておりません。3枚組全30曲をここ1週間、狂ったように聴いておる訳です、はい。これが結論というか感想というか。オリジナルアルバムではどれに当たる何曲目の何々〜って曲が好き、とか、そういう説明するまでもなく、全曲毎日繰り返し聴きまくっている、という事実が変に言葉を並べて語ることよりも直接分かってもらえるのかなぁって。まあ、それだけではもう終わってしまうので、少し書いていきましょうか。
 まず、デビューからくるりってバンドはずっと知ってるし、岸田繁が鉄道好きのカープファンで広島のタウン誌で連載してただとか、聴いてたりもしたけれど、初期の頃ってのはまともに聴いたこともなかったのも事実。名曲「ばらの花」がスマパンの「1979」って曲にそっくりでルックスがお気に入りな当時スーパーカーのフルカワミキがコーラスで参加してるってので「ばらの花」のシングルを買ったのが個人的な所有としての初くるりという、大ファンからするとちょいと遅咲きなくるり好きだったりします。
 結局、そんな好きになった経緯とかはどうでもよくて、このベスト、すんごく、くるりな音で溢れているって実感で一杯な嬉し泣きなロックンロールアルバムであります。ニューアルバムの度に全然方向性の違う音が飛び出して来るってことで一部有名だったりもしたけれど、いえいえどうして、どこをとってもくるり塗れな曲ばっかじゃないですか。
 とにかく、くるり好きは当然ですが、聴いたことないロックンロール好きにもこのグッと来る嬉し泣き感を是非味わって欲しいかな。
 本日、帰りの電車は歌い出す赤い電車に乗って帰ってきたのでありました。あの電車の歌は昔から好きなのだけれど、シートが一部対面式なのがちょっとイヤかも(笑)。

Ohana / Ohana Hyakkei

Ohana / Ohana Hyakkei ハナレグミの永積タカシ、クラムボンの原田郁子、ポラリスのオオヤユウスケ、3人からなるユニット、ohanaの先月リリースの1stアルバム。
 この3人、ハナレグミのツアーメンバーでもあるし、昔からよく知ってるとのことで、新しいユニットとはいえ、聴けば初めてな感じではなく、聴いたことあるなーって雰囲気である。だからって、新鮮味が無いってことでは全然無くて、この3人の作り出す音なら大丈夫って言う安心感があるというか、そんな感じです。
 個人的に新鮮なのはアルバム前半を占めるオオヤユウスケ作品と永積タカシの声のコラボ部分かな。この組み合わせはほとんど聴いてなかったので。しかし、オオヤユウスケと言えばポラリスな人って認識が基本だとは思うけれど、自分の中では彼は完全にLaBLIFeのオオヤユウスケなんである(笑)。単に、ポラリスよりもLaBLIFeの音をよく聴いていたからってだけなんだけれどもね。
 さて、アルバムの音でありますが、さっきも書いた通りでオオヤユウスケ作品がとってもよろしゅうございます。正直ポラリスでの彼の曲よりイイんじゃなくて!?と思ってしまいました。モロ、レゲエやダブ的な彼の得意な作風も出しつつ、ohana独特なゆる〜い、いい意味で能天気な心地良さを醸し出す音がナイスですねー。
 で、一番のお気に入りはくどい程言ってるオオヤユウスケ作品である5曲目の「Heavenly」。大好きな高音フワフワ直系な音で何度も聴きたくなってしまう感じ。
 今回、オオヤユウスケだらけになってしまいましたが、永積タカシ&原田郁子、この2人についてはハナレグミやその他の部分で沢山語ってたりするので、今までほとんど触れてなかったオオヤユウスケをフィーチャーするのもありでしょう。もちろん、この3人だから成り立ってる音というのは言うまでもないんですわい。
 あ、5月14日のZepp Tokyoでの追加公演行きますー。誰か一緒に行きませんか!?

ohana - オハナ百景

Tomita Lab / Shiplaunching

Tomita Lab / Shiplaunching 冨田ラボ、ちょうど一ヶ月前にリリースされた2ndアルバム。
 もう一つのブログにも書いてたように、発売日前日にゲットし、ずっと聴いておりますが、そこまで必死に聴けてなかったりもする。とはいえ50回以上は聴いてるんですけれどもね。
 全然好きな音だらけでいいアルバムだな〜と思う反面、シングル3発の印象がアルバム通して聴いても凄く強くて、3年ぶりなアルバムっていう新鮮味に欠けるのが最大の原因なのかも。
 あとは先日の一夜限りのスペシャルなライヴのチケット入手にしくじったのもあるのかも(笑)。
 まあ、好きは好きだし、一つ一つの曲を聴いていくならば、エエ曲が溢れております。やっぱり高橋幸宏と大貫妙子な「プラシーボ・セシボン」はとっても心地よく、このアルバムでも際立ってヘヴィーローテになっております。あと、口笛マニアとしては5曲目のインストっぽい「Launching On A Fine Day」も外せません。
 シングル3発の印象が強いと書きましたが、その中でもやや印象薄だった「アタタカイ雨」はこのアルバムで聴いてすんごく好きになったというか、この曲は高橋幸宏の詞なのだけれど、さっきの「プラシーボ・セシボン」の流れから聴いてると、ちょっと前に歌ってた高橋幸宏が今度は詞で出現って思って聴くと、個人的にはとっても感慨深く聴けてしまうんでありました。
 あとはラストの「Prayer On The Air」。高野寛の詞とストリングスアレンジの絶妙なバランスと後半のコルトレーン「至上の愛」へのオマージュ的ベースラインが泣けます。
 新鮮味が無いって言ったものの、これを書くにあたってじっくりと聴き直してみれば、やっぱり大好きなアルバムだなぁーって思っております。1st同様長く聴いていく作品となることでしょう。

Takaki Horigome / Home Ground

堀込高樹 / Home Ground キリンジの兄担当である、堀込高樹の1stソロアルバム。2005年11月のリリース。
 弟君の馬の骨の方はシングル〜アルバムとリリースされてすぐにずっと聴いていたのだけれど、こちら兄さんの方は年末からようやく聴き始めた感じ。
 初めてじっくり聴いてみた時の率直な感想と言うと、馬の骨よりもこっちが全然好き、といったところだろうか。。。ゆるくさわやかなブラックの匂いというか、そういうテイストが溢れているんで、とにかく何も言わずともこっちがいいなぁ、と。
 しかし、実際にはキリンジ〜馬の骨〜堀込高樹という流れで聴いてきているので、どれもそれぞれ良くて、で、このソロ作品はその流れで聴いているからこそ、鬼のようにじっくりと味わって聴ける作品である。
 逆に言うならば、このアルバムを聴いてから、益々キリンジと馬の骨のアルバムも噛みしめるようにじっくりと楽しめるようになったって事であります。
 さて、そろそろこのソロ作品自身について書くとしましょうかね。堀込高樹と言う人はギターを弾き、歌も歌い、その他にも様々な楽器も演奏出来てしまうマルチプレーヤーな方ではありますが、このアルバム、ギタリストが作った音だなぁ〜って雰囲気で一杯。どのあたりがギタリストっぽい雰囲気一杯なのか説明しろ!って言われても簡単には説明出来ないのだけれど、自分でもギター弾くからなのか何なのか、とにかくギタリストな音をしておると感じるのであります。メロディの感じとか、ホーン、鍵盤、オルガンなどとギターのユニゾン具合や絡みなどが。。。
 歌モノとして聴きやすく名曲感漂うのは2曲目のクラムボンは原田郁子さんも歌ってる「冬来たりなば」 かな。メロディがいいし、このアルバムで唯一ピアノで作った曲っぽくも聞こえるしね。【歩こう 鈴懸けの並木道を行こう】って詞にヤられました。
 プレーヤー的視点ではインストのようで微妙に声も入ってる「AIR GUITAR」。ファンキーでもあるし、いい意味で中途半端に安っぽいグルーヴ感が、演奏してると楽しいんだろうなって思えます。
 結論として、このアルバムいいね〜!って言うよりも、堀込兄弟、凄いっス(笑)。
 最後に、このテキストは8割程度新幹線の中で書きました。新幹線でMac立ち上げて文章打つなんてほとんどやったことがないので記念というか、記録として記しておきます。

Home Ground

Kirinji / Kage no Uta

360.jpg キリンジ、今月リリースの新曲であり、音楽配信限定というシングル「影の唄」。
 もう一つのブログの方にダウンロードしてすぐにエントリをあげた時に簡単に説明してた通りのぶちエエ曲で激ヘヴィーローテとなってもので、既に200回以上聴いております。
 兄のソロ、弟の「馬の骨」と、両者のソロ活動を経ての久々なキリンジとしての曲ということで、楽曲面では兄な影響が濃い感じがありつつ、声はやっぱり弟な声がエエね、ってことで、これこそキリンジだなぁ、と、改めて思ったナンバー。
 30〜40年代のスィングなスモールコンボ的しっとり心地よい音で、最近この辺りの感じの曲を色々聴いていたのもあって、個人的には直球ど真ん中でグサッと来てくれたということで大変嬉しくてしょうがなかったのであります。
 スィングな感じとはいえ、モロにジャズ!というのではなくて、カントリーやブルースにも通じる、スィングと言えどもとっても幅の広い暖かみを持った曲であります。
 スローからミディアムテンポな曲で全体を通すと思いっきりゆったりした感じであるにもかかわらず、メインのメロディ付近ではテンポ自体はそんなに高くなっていないのにサウンドの抑揚のバランス加減で気分的には速くなりつつ盛り上がるという風に聴けてしまうのがまた楽しい。
 ホーンの厚みとリズム、特にシンバルの音がハッキリしてて、高音系の聴こえ具合がたまらない部分でもある。もちろんヴォーカルの弟君の高音な声とも相まっているからでもあるし。
 今月一番聴いてる曲に間違いないのだけれど、これ以上この曲ばかり聴くのはイヤ!なぜなら、飽きたとかいうのではなくて、キリンジの次の作品、すなわちこの曲を含めたニューアルバムが鬼のように早く聴きたくてしょうがないのであります。

Uma no Hone / S.T.

348.jpg キリンジの弟君である堀込泰行によるソロプロジェクト、馬の骨の先日ここでも紹介した1stシングル2ndシングルを含む1stアルバム。先月21日リリース。
 発売直後に購入してから、徐々に聴く回数が増えていっている作品。プロジェクト名の馬の骨というのがどうか!?って思ってたのが、このアルバムを聴くことで、シンプルで骨太なロックとカントリー&フォークなテイストが耳に響いて来ることによって納得出来るようになってまいりました。
 最初の曲であるRobert Lester Folsomのカヴァーの「My Stove's on Fire」やプレスリーの名曲「I Want You, I Need You, I Love You」なんかの英語詞もほんわか聴けるし、アルバムを通して堀込泰行ワールドな白い世界が広がっております。もしも、同じ曲をキリンジとしてやったとしたら、お兄ちゃんの得意とする、もっとブラックミュージックなテイストの演出が出て来ると思うし。
 今回、ここに書くにあたって、多分自分では初めてとなる、iPod nanoからヘッドフォンで聴きながら1曲ごとにメモを取るということを実験的にやってみました。で、箇条書きの様に簡単にそれぞれひと言ふた言ずつメモしていったんだけれど、そこに書いた表現は大抵、ロックンロール、カントリー、フォーク、プログレなんて感じでありました。
 プログレというのが既に聴いてる方からすると、?な感じもすると思うけれど、メロディの展開やオルガンの効果的なサウンドとかが、微妙にプログレ調な部分が聴き取れて、楽曲の面白さが膨らんでるなーと感じたのでありました。
 そんなメモ取って聴いたり、普段よく聴いてたりでの、アルバム全体として最も馬の骨的な曲だなぁーって思ったのは2ndシングルである「センチメンタル・ジャーニー」。この軽快で爽快なカントリーロックンロールな雰囲気が凄く象徴的に聴こえてしまいました。
 聴けば聴く程、楽しくなっていくし、これを良く聴くことによって、またキリンジとしての新作も早く聴きたくなってしまいました。

馬の骨

Elephant Love / Otona wa Tanoshii

346.jpg エレファントラブ、98年リリースのマキシシングル。
 彼らの作品として唯一持っている1枚で、しかもサンプル。しかし、この曲、鬼のように好きなんですねぇー。特に詞が。嬉し楽しポジティブ全開な楽曲でございます。
 ちょっと、とっても好きなフレーズであり、色々と考えさせてもくれてしまうこの歌詞の一部分をここに抜粋してみましょう。

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「大人は大変 子供の頃良かった」そんなこと言う人大人じゃない
じいさんになっても子供は子供 ハイハイしてても大人は大人
真の大人は無制限に自由を使う 自分をどう使ってもいい
大事にしてもボロボロにしても 楽しくないはずがない
さあ、きみもこの手につかまってこっちへおいで
楽しい夜を力を抜いて 悦びを探そう
さあ、きみも今日から大人 ここから全てが始まる
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 こんな感じで終始大人万歳な詞にシビれてしまいます。よく、何時いつの頃に戻りたいとか、そういう事を言う方もいるけれど、今を楽しく生きようぜ!っとノリノリで言いたくなる楽しさを持った詞であります。
 サウンドについてはメインのアダルトMIXのインスト部分をやってるのが今ではスマップなんかのプロデュースで有名なChokkakuこと島田直さんです。ホーン&ストリングスのバランスやギターのカッティングの心地良さがソウルフルでよろしゅうございます。
 このChokkakuさんというと、昔、彼がまだ広島でアマチュアだった頃にやってたラジオ番組にデモテープを投稿して、そのコンテストに出たという思い出もあったり。。。
 そんなこんなで、この楽しい曲は現在廃盤になってはおりますが、さすが発売元のソニー、自分の所のサイトと系列のMoraではダウンロードで買えます。こうするなら、早くiTMSでも売ってくれぃ。

Hanaregumi / Hana-Uta

342.jpg このブログではもうお馴染となっているハナレグミの先月14日リリースのベストアルバム。DVD付きの方。
 オリジナルアルバム3枚の時点でベストが出るとは早いなぁ〜と思いつつ、映画「サヨナラCOLOR」の影響もあって、ここぞとばかり東芝EMIのSP展開戦略なんだろうなー、って考えたりもしながら、まあ、好きだからそりゃ買うでしょ!という流れです。
 シングルカットされたものを中心にこれまでの3作の中からのチョイスと、冨田ラボや半野喜弘とのコラボ作、そしてCM曲に大沢誉志幸のカヴァーのライブヴァージョン、唯一これまで未収録だった曲が1つという構成です。
 実はまだDVDの方は観てません。。。これプロモばっかりなのかな!?それともライヴもあるのかな?プロモだったら、ほぼ音楽チャンネルなどで観てはいるので、もうしばらくしたらゆっくり観ようかと。ライヴの収録があるのなら早く観たいというのもあるけれど。
 プロモとかライヴとか、音と映像が一緒なモノは大好きなはずなのに、中々観ないんですねぇ。音楽チャンネルならわりと観るけれど、一度所有してしまうと、いつでも観られるじゃん、ってなってしまいます。
 いや、ホントのところは、CDとして買ったというのがデカいんだとは分かってるんだけれどもね。音だけなら、他のことしながらでも聴けてしまうし。
 さてさて、ハナレグミについては、このブログではアルバム関係は全て紹介しているので、今さらどの曲が好き!って書くのもどうかなーとも思ったりもしております。
 ただ、このベストをざっと聴いて改めて思ったのは、ハナレグミな歌で個人的ベストワンは、冨田ラボとの「眠りの森」だ、と。多分、聴いた回数もダントツだと思うし、プロモも凄い回数観てる。もちろん、ハナレグミな楽曲は全部好きなのは当たり前な具合ですが、この「眠りの森」の心地良さ、泣ける度、好き具合は他を圧倒してしまってます、はい。

Hana-Uta

Sunnyday Service / A Night of Love & Laughter

339.jpg サニーデイ・サービス、97年リリースの3rdアルバム。
 かれこれ何年も聴いていなかった作品なのだけれど、今年の夏前頃にふと、CDのラックをボーッと眺めてて、ケースの形状が辞書みたいなしっかりした紙のハードケース仕様(初回盤)になっててひとつ微妙に飛び出しているのに気付いて、かなり久々に聴いてからというもの、最近またちょくちょく聴いているアルバム。
 97年当時のヘヴィーローテだった頃の記憶というのは思い出せないのだけれど、曲はどれも鬼のように覚えていてノリノリで聴けてしまうから不思議だ。特に最初の3曲、「忘れてしまおう」、「白い恋人」、「Jet」の流れは全然ノンストップにはなってないのに、さもノンストップのような連続した疾走感がエレキを鳴らしつつ叫びたくなるモードに突入!って盛り上がり具合だ。
 さっき、これまた思いっきり久々に歌詞カードを見てみたのだけれど、曲抜きで詞だけ読むと、改めてラヴソングだらけで、もちろん聴いているから頭ではよく理解してるのに、曲を聴いているとそういう詞よりもロックなギュインギュインなイメージが先行してしまってるなーとも思った。
 サニーデイ史上、最高傑作とか言われたりもするこのアルバム。確かにバンドサウンドとしての一体感というか、ロック度からいうと一番好きなことは確か。聴く度にギターを弾きたくなってしまうのに、現在手元に置いていないのが残念でしょうがなくなる。
 さっきも書いた最初の3曲の連続性だけでなく、アルバム通して全10曲が一気に耳に流れ込んで来るこの雰囲気はやはり傑作ですな。シングルカットされてた「白い恋人」と「サマー・ソルジャー」の2つの名曲だけを聴くのもいいと思うけれど、やっぱり全曲一気にガツン!と聴くのが似合うアルバムである。

Tomita Lab / Zutto Yomikakeno Natsu

336.jpg 冨田ラボ、10日前にリリースされたニューシングル。
 今作は冨田ラボxCHEMISTRYx糸井重里というトライアングルコラボな作品として、発売前からわりと大々的に宣伝されていたので、この辺りはサラッと書いておきましょう。もちろん抜群に好きでよく聴いているというのは言うまでもありません。
 さて、楽曲、詞、歌、どれがどんな具合にイイ!とかいうより、今作はプロモが鬼のようによろし。とにかくどんなことをしてでも観る機会を作って頂きたいのです。
 ジャケに写る少年が主人公のショートストーリー仕立てになってて、当然のようにこの「ずっと読みかけの夏」がバックで流れてて、切なくて嬉しい感じで思いっきり泣きました。久々に音と映像の絡みがジャストなツボで、観終わってしばらく放心状態。ホント、グッと来る感動作となってます。
 たった6分半の世界なのに、そこら辺の超大作感動モノ系の映画なんかより全然素晴らしい。目と耳に訴えかけて来る、ってこれなんじゃいのぉーって感じで、自分でも映像撮りたくなってしまいまして。。。
 ようやく、音的な部分の方面を。CHEMISTRYはもちろんよく知ってるけれど、実際じっくり聴いたことはなく、ヒットした曲であれば、どこかで流れてたら、彼らだって分かる程度。でも、この曲にはバッチリな声です。やっぱり歌上手いですな。それでも彼らのアルバムとかを聴こう!とはならないんだと思うけれど。冨田ラボの楽曲にこの声が載ってるからこそ好きなんだろうし。
 詞ですが、糸井重里という人はこの2005年にこんな嬉し泣きな言葉を綴れるなんて、エエなぁーな気分です。
 元々、冨田ラボ大好き、ってここでも何度も言ってるし、今後もずっと好きなのは変わらないのだろうけれど、今作に関しては、まず最初にプロモで音と映像を体感してしまったが為に、今まで以上に印象深い作品となったのでした。
 ホント、プロモ、絶対観て下さいな。

Asako Toki / Debut

Asako Toki / Debut 土岐麻子、本日リリースの1stソロアルバム。もちろん、昨日買いました〜。
 2週程前にiTMSでこのアルバムのオープニングナンバーであり、キリンジ堀込高樹作曲による「ロマンチック」が先行無料ダウンロードされてたのをずっと聴いていたのもあって、何となくアルバム全体の予想をつけていたけれど、ある意味ではイメージ通りの作品だとも言えるし、もう一方では違うじゃん!な、いい意味で期待を裏切られた部分もあったりしております。
 簡単に言ってしまうと、ソロになってから2枚ほど出てるジャズシリーズの雰囲気と、その前のシンバルズ時代の中間的なサウンドって感じかな。でもこれが今の土岐麻子の音世界なんです〜っていうのは物凄く分かる。
 サウンドの要はやっぱりピアノですな。あ、ピアノって言っても、普通のピアノとエレピとが曲によって使い分けされてますが。あと、ギターが全く入ってないっていうのも。なもんで、基本はピアノトリオと歌って感じなんで、思いっきりジャズな感じでもあったりするけれど、そこはやっぱりアレンジ的にジャズシリーズとは違ってましてポップであります。
 そんなジャズに近いポップであり、土岐麻子の声の雰囲気で大好き!ということになってしまうんですな。昨日からでもう30回以上聴いてしまっておりますが(笑)、なぜかまだまだどことなく掴めないんであります。。。なんじゃそりゃ!?って感じだけど、当然好きで気に入ってるからもう30回以上聴いている訳なんだけれど、昨日今日とずっと仕事しながら流れてるって感じなんで、BGMな30回っていうことで、鬼のように聴いていない、というのが一つ。それから大抵の場合、土岐麻子作品にはすっごく好き!って1曲が出来るんだけどそれがまだ発見出来てなくて、何度も何度も聴いている、という感じもあったりするので。
 とりあえず、ここまででエエなぁーなのは土岐麻子の英語の詞の歌い方が好きなので英語の曲であり、楽曲的にもジャジーなピアノ具合にヤられてしまった「Takin' It Slow」かな。まあ、今後も土岐麻子作品は今作を含めずっと聴いていく作品になることは間違いなしであります。

Debut

Little Creatures / Night People

333.jpg リトル・クリーチャーズ、デビュー15周年にして4年ぶりとなる先月リリースのニューアルバム。
 リリースされたこと知ってて、買おうと思いつつもそのままになってたアルバム。本日、もう一つのブログにも書いた通り、iTunes Music Store Japanがスタートしたのをきっかけに、ストアフロントにこのアルバムのバナーがあったのをビックリしつつ、試しに初めてダウンロードで音楽というものを購入してみようということで、そういう意味でも記念の1枚(笑)。
 やっぱりデータで買うというのはパッケージが欲しい派としては実感がとてつもなく無かったりするのも事実なのだけれど、それだけ手軽に買えてしまうマジックにかかったような気分もする。それだけハードとソフトとショップの連携性の良さというか、さすがはアップルって気もするのだけれど、いい気になると、鬼のような金額になるまで買ってしまいそうな危険性も孕んでいるのかも。とりあえず、まだまだレーベルやアーティストの揃いが悪く、値段もデータにしては高いと思っております。
 さて、音についてですが、今作もいかにもクリーチャーズらしいというか、心地良いサウンドが展開されます。打ち込みのある部分やちょいとエレクトロニカっぽい音もあったりするのだけれど、彼らの場合にはとってもアコースティックな人力感を感じ取ることが出来ます。やっぱりね、彼らは3人共、様々な楽器が出来るプレーヤーの視点を持っているというのがデカいと思うし、それに加えてプロデュース能力も高い。特に2000年前後からの音には程よい静寂感と心地良さが楽曲にたくさん現れていてよろしいかと。デビュー当時からロックな感じは少しもないのだけれど、個人的にはすごくロックな部分も聴きとれるというのも好きな理由かも知れない。
 全曲バランスもよく、朝でも昼でも夜中でもキレイに耳に流れ込んで来る音ですが、特にというならば、プロモもあり、アルバムタイトルでもある「Night People」はまずよいです。プロモがまた彼ららしくて面白いし。iTMSで買うとプロモ付きです。それともう一つ、「Oblivion」。アコギのカッティングとヴィブラフォンのようでエレピな音がフワフワサウンドを一層盛り上げてくれます。

Night People

Uma no Hone / Moegara

327.jpg キリンジのヴォーカリストであり、弟担当な堀込泰行によるソロ・プロジェクトである、馬の骨の1stシングル。昨日が発売日。
 1つ前のエントリの冨田ラボのシングルと同時に買いました。これも音楽チャンネルにてPVを観てたんで、初めて聴いたんではないし、思いっきり声はキリンジ作品と変わらないので、全く違和感なし。
 で、そのPVを観た時に驚いたのはプロジェクトの名前の方。馬の骨が歌う、「燃え殻」ですよ(笑)。キリンジの堀込泰行がやってるって知ってるし、キリンジ大好きだから、どんな名前でも喜んで聴くのが当たり前になってはいるけれど、冷静に考えると、音もジャケも何の情報もなく、「馬の骨/燃え殻」って文字だけを見て、こういうCDがリリースされるんです!って言われても、聴きたいって思うだろうか!?って考えた。答えは絶対聴かないというより、スルー!というのが正直なところだと思います。インパクトはあるけれど。
 さて、肝心の音を。最初に書いたように、声は正真正銘のキリンジであるので、その延長上でヴァリエーションが増えた程度とも捉えられるけれど、いやいや、全くこれは弟君ワールドだ。お兄ちゃんが混じってたら確実に音数がもう数個多くなってちょいと洒落た演出がプラスされてると思う。それだけシンプルなのだ。でもベースラインはしっとりとしていながら、起伏が結構あってナイス。
 あとは、レーベルがトライアドってのもちょいビックリ。レーベルカラー云々の問題というのではなくて、キリンジと同じ東芝から当然キリンジの流れで出てるものだと思ってたもので。まあ、レコード会社だったりレーベルだったりは、音だけではないその時の事情とかもあるので、何とも言えないけれど、キリンジとは違うレーベルってことで、ホンマにソロのプロジェクトなんだなって感じはします。
 カップリングの「Red light Blue light Yellow light」の方もイイけれど、途中に入ってるシンセストリングスの音の具合がどうにも80年代な自分の中で古クサい音!って染みついてるモノに近くて笑ってしまったりはしたけれど、クセになってしまうのはこっちの曲かもね。

燃え殻 - ファイル

Tomita Lab / Atatakai Ame

326.jpg 本日が発売日である、冨田ラボのニューシングル。お約束のようにご紹介。
 昨日買いました。とはいえ、結構前から音楽チャンネルだったり、ラジオなんかでよくかかっていたと思われ、当然、昨日が初聴きではないんですけどもね。今回のヴォーカルさんはMamalaid Ragの田中拡邦。Mamalaid Ragというバンドがあるというのは知ってたんですが、そちらはまだ聴いてません。というか、聴かない気もかなーりする。Mamalaid Ragがダメとかそんなんじゃないです、聴いたこともないのに、ハイ。やっぱり冨田ラボな音が好き!っていうのがデカく、ここでも紹介してる前のアルバム「Shipbuilding」で例えるなら、ユーミンが歌ってた「God bless you!」はあのアルバムの中でもかなり好きな曲ではあるけれど、松任谷由実のアルバムは聴こうとは思わない、ってのと同じ感じっていうことかな。
 今作でもイントロからのストリングスの雰囲気と、オルガンの地味な響き具合が当たり前だ〜!って叫ぶ程のツボなラインであります。こういうサウンドって案外ありそうだし、作れそうな感じが凄くある一方で、冨田恵一の手にかからないと出て来んわいのぉ〜って絶妙な部分を感じ取らずにはいられないんであります。
 アマゾンのレビューに今回のヴォーカルの田中拡邦の声について、「大滝詠一と堀込泰行を足して二で割ったような〜」ってあったんだけど、まさにそんな感じで上手いこと言いますなぁーって思いました。逆に言うと、そのレビューのように堀込泰行テイストもかなりあるので、とってもキリンジ的な曲に聴こえてしまって、田中拡邦の独自な感じは弱いのかも!?って気もしますな。ともかく、楽曲と声の雰囲気はとってもマッチしていて、しっとりとタイトルのように暖かいポップを堪能出来ます。
 しかし、シングル連発も嬉しいんですが、アルバムがとにかく早く激しく聴きたい。冨田ラボな曲っていうのは連続して色々聴きたくなってしまう、魔性ともいえる中毒性を秘めているので、早くアルバムリリースしてくれないと、暴れ出しそうです(笑)。

Yukie / Baby Pink

325.jpg 珍しく昨日に引き続き、シンガーyukieの2ndアルバムのご紹介。98年リリース。
 今まで連続して同じアーティストを紹介するというのは、無かったというかきっちり避けて来ていたのだけれど、もう300以上紹介しているし、そろそろ、その時のノリというか気分という部分で何でもアリでいいか〜って感じに思えてきたのでそうしてみてます。まあ、これまでの方法で良かったことは、毎回ジャンルや流れを気にすることはあってもなるべくなら違うモノをって考えてたことによって、その時々で全然聴いて無かった音を久々に聴いてみる、だとか発掘にも近いような気分で無理矢理までとはいかなくても、何とか書けることを引き出してでも聴いて書く、という作業をすることによって、新たな発見があったり、より聴き方に幅が出る、なんて良さもありました。
 さて、今回の音ですが、1stと同じく森俊彦プロデュースでR&Bテイストではありますが、よりポップなサウンドです。昨日は書かなかったけれど、作詞作曲はともにyukie自身です。音というのはプロデューサーによってかなり変化するものではあるけれど、やはり、歌う本人が詞も曲も作ってるというのは、歌モノとしてはベストではないかと思います。そういう意味でも好きですな、yukie作品は。
 1stは今でもかなり聴いてるって書きましたが、この2ndは鬼のようにお蔵入りしてました。正直、昨日久々に聴いてみるまではどんな音だったかすら思い出せなかった位に(笑)。それでもやはり声ですよ、声。この声聴くとホント嬉しくなってしまいます。やっぱり何で廃盤になってんだ〜!もっと色んな人に聴いて欲しいのに〜って残念でしょがありません。
 個人的なイメージ的に聴く雰囲気としては1stはこの季節のちょっと遅い夕方にしっとりと涼しい場所で聴いていたい感じで、この2ndの方は5月頃の水辺の見える場所にて思いっきりではなくて、さりげなく流れてて欲しいなぁ〜って感じです。うーん、これで聴きたくなってもらえますでしょうか!?

Yukie / Love After Love

324.jpg シンガーyukieの97年リリースの1stアルバム。
 2枚のアルバムが出てますが、現在廃盤になってるし、最近は活動もされてないようなので、どれだけ知ってる方がいるのか分からないけれど、とにかく声が大好きで、個人的女性ヴォーカルのツボである息継ぎの音もよーく聞こえます。
 全曲、森俊彦プロデュース。漢字で書くよりもToshihiko Moriって記述した方が分かりやすいのかも。テイ=トウワとのSP-1200 Productionsと言えば分かる方も大勢いるのでは。全編に渡って、R&Bな歌モノテイストで溢れたサウンドメイクにyukieのハスキーでカワイイ声が日本語の詞で乗ってて、絶妙に嬉しい雰囲気満載な作品。
 しかしなぁ、自分が好きな90年代後半の日本人作品って、廃盤になってるモノが多過ぎる!このブログでも廃盤で残念ってアルバムはいくつか紹介してきたけれど、まだまだ鬼のようにあります。なるべくなら現在も聴くことの出来る作品を紹介したいってのであんまり紹介してないんですが。こういう感じでイイ作品なのに廃盤で、再リリースしようにも、市場的にはニッチであろう作品が再び世に登場出来る素晴らしい手段がITMSなんかのネット配信系だと思うんだが、何で、こんな日本って、リスナー以前に利権に寄ってたかってる人種主導でしか動かないのか!?ってのは悲しくてしょうがないですわい。このアルバムも安価で配信されれば、結構聴きたい人いると思うし、廃盤でお蔵入りのままよりよっぽどマシだ。まあ、なかなか前進しそうにないんですが、そうなれば嬉しいですのぉ。
 さて、そういえば、ここでも2枚紹介しているスパノヴァのちょうどその2枚両方にコーラスとしても参加しておりますよ、yukieさんは。そんな訳でスパノヴァ好きであれば確実に好きだと思われます。
 全曲フェイヴァリットで、密かにかなりしょっちゅう聴いてるアルバムですが、特にオススメ!としては最初と最後の曲。「どんな風なやり方をして」とアルバムタイトルでもある「Love After Love」。この両曲ともというか、全曲なんですが、ラヴソング。詞的には男性よりも女の子にオススメです。

Bird / Mindtravel

316.jpg バード、2000年リリースの大沢伸一プロデュースによる2ndアルバム。
 大沢伸一とのタッグ作品はこのアルバムまでということで、元々大沢好き派として、このアルバムはバードの作品でもよく聴いてきましたな。最近はずっと静かで大人しい感じの曲を聴いていたので、随分ご無沙汰しておりましたが、またここに来て、よく聴いております。
 あ、このアルバムと言えば、タイトル曲である「Mindtravel」のPVがとっても印象的なのを思い出しますのぉ。テンポのイイリズムに合わせたバードのダンスが可愛らしい、観ててとっても楽しいPV。このPVの雰囲気がそのままアルバムの導入的な感じもするんで、観る機会があれば是非観て頂きたい。
 さて、全体の音としてはとってもヴァラエティに富んだ楽曲に溢れてて、何度聴いても新たな発見がありつつ、飽きない作品だと言えるかな。好きなのはさっきも書いたアルバムのタイトル曲であり1曲目の「Mindtravel」と、シングルとしてもリリースされた「GAME」のこのアルバムヴァージョン。特に「GAME」のこのアルバムヴァージョンのジャジーさにはヤられました。イントロのベースの刻みから震えます。何度聴いてもカッコイイし。
 それから、ラストの曲である「桜」なんだけれど、アルバムの中でもラストっぽい雰囲気でちょいと泣ける雰囲気を持ってて好きなのではあるが、この曲に関してはシングルでリリースされた方に入ってる、Mad professor’s Lovers Rock Dubヴァージョンを是非聴いて頂きたい。思いっきり重たいダブにバードの声が暖かくて切ない感じで響いてて、笑顔で泣ける感じで嬉しいです。

Straightener / Title

313.jpg ストレイテナー、今年1月リリースの2ndアルバム。
 さてと、最初に言っておきますが、このアルバム、人生初の買い間違えで買ってしまった作品(笑)。丁度同じ日がここでも紹介しているハナレグミの3rdアルバムのリリース日でもあり、レコ屋で同じラックでデカデカと展開していて、この日はハナレグミを買う!って決めてたんで、ほとんど無意識で手に取って、買って帰って袋から取り出すとこのアルバムが出て来てそれはそれはビックリしたのでありました。
 大体、ストレイテナーなんて、この日まで全然知らなかったので、音も想像出来ず、だからといって、返品しようという気にもならずに、本日まで未開封で置いてあった次第です。
 なぜ、開封する気になったのか!?それは昨日、スカパーで彼らのライヴの再放送をやってたので、知る為にと観たからでありました。
 素直な感想として、思いっきりツボな音ではないけれど、3ピースのシンプルなロックンロールバンドでライヴはなかなか迫力あってカッコイイではないか!という感じ。
 アルバムで残る感じな曲は「Play The Star Guitar」かな。ただ、残念な事が…。ライヴの音の迫力というのはテレビとはいえ、なかなかエエのぉ〜な感じだったのに、アルバムのミックスは何か音悪いというか、かぶさった雰囲気に仕上げてあってヌケが悪い。そういう狙いでやってあるのなら仕方ないけれど、彼らの実際の楽曲を引き立てるにはもっとエッジを効かせたメリハリのあるミックスにした方がいいと思ってしまいました。そういう意味でストレイテナーが気になるっていう方は是非ライヴをどうぞ。

Spanova / Tamashii wa Konoha no Youni

306.jpg 以前にも1st2ndを紹介している兄弟ユニット、スパノヴァのデビュー・マキシ・シングル。98年のリリースで現在は残念ながら廃盤。
 ずっと棚の奥の方にあったのと、最近までずっと人に貸してて聴けてなかったのが、先週久々に戻って来たので、聴いてみて、やっぱりイイ!ということでご紹介。
 このシングルに入ってる4曲、正確には3曲のうち、2曲は1stアルバムに入ってるんでそこまで言うことは無いのだけれど、このシングルにしか収録されていない「僕の憂鬱に名前をつけてくれ」って曲がどうしようもなく名曲なので、そこのところだけでも紹介したいということで。
 で、その「僕の憂鬱に名前をつけてくれ」だが、タイトル通りに微妙に憂鬱なサウンドをしております(笑)。いつもなら、サウンド面ばかり細かくイイ!なんて説明するのであるが、この曲については歌詞も好きなフレーズがあったりします。「馬鹿馬鹿しいほど月が美しい/下手に動けば泣いてしまいそうだ」って部分。「泣いてしまいそう」って表現が好きです。そう、ここでも好きな場合に多用される表現でもあるので。
 サウンド面でいうと、エレピとワウなギターの単純なるリフレインというか、繰り返されるその淡々さと堅実なドラムの絡み具合が鬼のように好きであります。
 いつもの自分の表現方法で言うのであれば、この曲も恐ろしく心地よい静寂のグルーヴな作品です。なんで、廃盤なんだ!?と問いたい感じもしますな。

Kirinji / Paper Driver's Music

301.jpg キリンジ、メジャー1stとなる98年の作品。インディー時代のミニアルバムのほとんどの曲を網羅してプラス新曲って感じで、デビューに当たっての、彼らの集大成な雰囲気を持った作品、と、当時は思ってたような気がする。
 これまで、彼らの作品はここでも「Fine」と「For Beautiful Human Life」を紹介しているけれど、やはりこの1stが一番好き。まず、聴いている回数が圧倒的に違う。軽く500回以上は聴いているのではないでしょうか!?
 それだけ好きな作品にもかかわらず、4年近く手元に置いていなかったというのも不思議な話ではあるけれど(笑)。ずっと実家の車のCDチェンジャーに入りっぱなしになってて、実家に帰った時に、運転する場合、確実に聴いていた。で、取り出すタイミングをいつも逃してしまい、数カ月前にもうたまらなくなって2枚目を購入したのでありました。
 このアルバムの流れの中で圧倒的に好きなのが、「風を撃て」〜「野良の虹」という前半と、「汗染みは淡いブルース」〜「冬のオルカ」の後半、2つの連続する2曲の展開がもう泣きそうな位に好き。
 冷静に考えると、どちらも97年な音なのだけれど、今聴いても、この流れはやはり鬼の心地よさがあり、何度も何度もアルバム丸ごとリピートして聴いてしまうって感じになる。
 歌詞についても、なかなか面白く、文学的でもあったりするのはよく分かっているのだけれど、実際聴いてる時にはそんなことは全く関係なくて、この音がたまらなくエエ!ってだけだったりする。だからこそ、耳が素直に反応してくれるという、純粋に好きな音ってことで、ずっと大好きなんだと思う。

Tomita Lab / Like A Queen

297.jpg 冨田恵一のソロプロジェクトである冨田ラボの昨日リリースのニューシングル。
 今回の曲は吉田美奈子の詞にソウルヘッドとのコラボレーションで新鮮でもありつつ、サウンド的にはやっぱり冨田恵一だ!という感じの、ある意味定番ともなりつつある馴染みやすい音。
 しかし、何なんでしょうかねー…このストリングス&ホーンを絡ませたポップチューンな楽曲としてのバランスの良さは。日本のサウンドメーカーとしては大沢伸一と冨田恵一、この2人の生み出すこういう雰囲気の音作りはどの曲も似ているようであり、他の人の感じとは全く違う、一瞬でイイなぁーと思わせるものがある。
 ちょいとジャケのお話でも。とってもキレイな女性に運転中の交差点でバッタリ出くわす的な写真ですが、バリバリの合成ですね(笑)。これまでの冨田ラボ作品のジャケとしては一番好きな感じだけど、最近一眼デジで色々写真撮ってるのもあって、後ろの風景のボケ具合の不自然さが何とも目立ってしまうのでした。この同じ設定で合成でなければ鬼のように好きなような気がする。
 ともかく、当然のようにヘヴィーローテとなっております。それだけにシングルではなくて、早くアルバムの登場を!と思ってしまう。しかし、アルバムは年末位になりそうとのこと。その代わり、今年はシングルを連発するらしいので、楽しみでもある。それでもやっぱりまとめてドカッとアルバムで聴きたいよなぁ。2枚組とかでもいい。

Hanaregumi / Kaettekara Utaitakunattemo Iiyounito Omottanoda

289.jpg ハナレグミ、今週リリースされた3rdアルバム。
 ここではハナレグミのアルバムは全て紹介してることになりますな。まあまだ3枚目というのもあるけれど、珍しいというか、それだけ好きでありツボな音を作り出すアーティストであるということですな。
 しかし、スーパーバタードッグ時代から聴いているけれど、新しい作品になるにつれ音数が段々と少なくなっていくってのも面白い。今作なんて、ほとんど歌とギターだけ!って感じに限りなく近いし。そこがまた今の気分にも合ってて思いっきりヘヴィーローテになってしまう原因でもあるのだが。
 さてさて、今作で一番ビックリしたのはくるりのカヴァーが入ってたこと。「男の子と女の子」がそれなのは言うまでもないけれど。最初、ザッと聴いてた時に、くるりの曲だって一瞬解らず、それでも聴き覚えのある曲だってのはあったんで、70年代のフォーク系の人の曲でこれ誰歌ってたっけ?って思ってしまった(笑)。原曲もわりとスローな感じの静かな曲なんで、そこまで違った感じはしないけれど、永積タカシの歌ってる方が最初にも書いた通り、今の気分にもピッタリなんで、こっちのカヴァーが大好きになってしまった。
 全部好きだけれど、1曲!とするなら「踊る人たち」かな。とってもシンプルな曲ではあるけれど、タイトルと同じく踊れる感じもかなりあるし。
 とにかく、毎度毎度、ハナレグミの作品というのはとっても長く聴ける音で大好き。アルバム3枚とも、この先も繰り返し聴いていくことであろう。

帰ってから、歌いたくなってもいいようにと思ったのだ。

Misia / Mother Father Brother Sister

288.jpg MISIA、98年の1stアルバム。たまにはこういうベタっぽくもイイ作品を取り上げてみるのもいいのではないかと思いまして。
 MISIAに関しても、2ndアルバムまでしか持っておりません。しかもアルバムは全てサンプルで(笑)。彼女の声とか、発声方法は素晴らしいと思いますが、何と言っても思い出すというか、話題的には初期の12インチなアナログ2枚の高騰ぶりかな。初期2枚は一時10万超えてましたからね。無名で試しにアナログ出しましょう的だったのが、ジワジワ「イイじゃん!」ってことになって、とんでもない価格が付くって感じで。2ndシングルの12インチは持ってます。もちろん、まだ一度も開封せず!
 さてさて、この1stですが、楽曲のバランスという点において、彼女の作品の中では1番いいのではないかと思っております。こういうアルバムが300万枚近く売れたんだなーって思うと、中々日本も捨てたモノではありませんな。あっ、こんな一般論的なオッサン評論家調はこのくらいにしておいて、個人的にはMISIAの曲の中で1番好きなのはこのアルバムには入ってない、3rdシングルの「Believe」だったりするし、このアルバム自体、そんな必死に何度も聴いた記憶もないのではあるけれど、リリースされた時期にはレコ屋の兄ちゃんだったのもあって、耳には鬼のように流れ込んで来ていたのは確か。
 あれから7年近く経ってますが、このアルバムの3曲目である「恋する季節」が無性に聴きたくなることがあって、たまに引っ張り出してはアルバムまとめて聴く、なんて感じです。この曲は泣きたいくらいの嬉しさに襲われる曲ですな。イイです。

Kirinji / Fine

282.jpg キリンジ、2001年リリースの4枚目となる作品。冨田恵一プロデュース作品。
 現在広島滞在中で手元にある音源がいつもとは違ってたりして不便でもある中、姉所有のキリンジを借りて聴きながら書いております。もちろん、この作品は自分でも持っているのだけれど、引っ越しに伴って、棚の奥に行ってしまっていたのでしばらく聴いてなくて、久々なので新鮮でもありつつ。
 音的に、これまで5枚のオリジナルアルバムが出てる訳ではあるけれど、この4枚目は結構変化してきた段階の作品という評をよく聞いたんではあるが、個人的にはどこからどう聴いてもキリンジらしい作品、という印象。違うとすればここでも紹介した5枚目の「For Beautiful Human Life」の方かな。レコード会社変わって、ちょいと作り方違うのがハッキリ分かるのはこっちの方だ。でも、やはりキリンジの音!って思っているけれど・・・。
 さてさて、話をこのアルバムに戻して、好きなのは「Drifter」ですな。サビの部分のタンバリン的シャカシャカ音がとっても嬉し泣きなナンバー。そして、ラストの「Music!!!!!!!」に繋がる感じがとっても好き。このラスト2曲だけタイトルも英語で曲順の並びを眺めててもちょい違う感がするし。
 このアルバムを通して思ったのはギターと鍵盤系の音のバランスが同等な具合で前に出てるということかなぁ。彼らの歌詞ももちろんチェックしているけれど、やはりいつも気になるのは楽器の音色だったりバランスだったりするのも昔の職業病ですな。でも、そういう聴き方になってしまうことも好きではあるけれど(笑)。

Cosa Nostra / Bellissima! Years

 コーザ・ノストラの98年リリースのベストアルバム。現在廃盤です・・・。
 いや、ベスト盤は基本的にはあんまり聴かないというか、持ってなかったりするのだけれど、このベスト盤は多分、自分の手持ちのそんなに無いベスト盤の中でも一番聴いている作品であり、普通のヘヴィーローテ並のアルバムと肩を並べる位だと思う。理由は大好きな曲である、アル=クーパーのカヴァー曲「Jolie」が収録されているから。
 「Jolie」という曲自体、オリジナルも大好きなナンバーではあるが、カヴァーとなれば、このコーザヴァージョン以外考えられないという位、好きなんである。
 もちろん、シングルも元々収録されてたオリジナルアルバムの「Love The Music」も両方持っている。ただ、どちらもアナログで所有しているので、聴くのに便利なCDであり、なおかつ他のコーザのシングル系を中心に代表曲であり、個人的にも好きなものがおおく収録されたこのベストはとっても聴きやすいのであった。
 しかし、ここ1年位はパッケージはあるのに盤だけが行方不明で、とってもやきもきした時期を過ごしていたところ、ふと別のCDを聴こうとして取り出したら、その中に重なって入ってて、思わぬ再会に涙!まではいかないけれど、とっても嬉しくて、また最近よく聴く作品となった次第。
 現在、この作品のレーベルであるベリッシマは存在しないし、この頃の作品は全て廃盤で、他にも好きなアーティストが沢山在籍してたりしたにもかかわらず、再リリースの見込みがほぼゼロなのは悲しい。

Tokyo Jihen / Kyoiku

 東京事変の2週間前にリリースされた1stアルバム。言うまでもなく、椎名林檎のバンドでございます。
 個人的にはバンドとはいえ、メンバーもソロ時代から一緒にやってる人達と組んでいるのもあって、椎名林檎の新譜という印象ですが、確かに、楽曲のアレンジとかをよく聴くとバンドっぽいウネリ感があったりします。ブックレット見ると、キーボードの方の曲が半分位あるので、この辺りはバンドになったからこそなのでしょう。
 東京事変になってからはシングルも買いたかったりしたけれど、ずっとこのアルバムが出るのを待っておりました。なので、最近になってようやく東京事変サウンドというものをじっくり聴くことが出来たという次第。
 いい意味で相変わらずの息継ぎガンガン具合がやっぱり大好きであります。まあ、椎名林檎の息継ぎにヤられた1人としては今後もこの歌い方で突き抜けて欲しいものです。
 さて、全体的にはさっきも書いたように、バンドっぽさを醸し出しつつも、椎名林檎作品であるという感じだけれども、この中で一番のお気に入りは3曲目「入水願い」かな。ジャジーでよろしゅうございます。
 1stシングルでもある「群青日和」に代表されるように結構ハードなロックンロールアルバムに仕上がりつつも、ジャズやクラシックの要素がちりばめてあったりして、やっぱり椎名林檎作品は目が離せませんな。

Blankey Jet City / A Red Tambourine

 ブランキー・ジェット・シティー、98年リリースのレッドなシングル。
 一般にはブランキーと呼ばれることが多かったとは思いますが、個人的には「ブラジェシ」とよんでおりました。既に解散してしまって、現在はそれぞれで色々な活動されてますが、ブラジェシ関連では全て含めて、唯一好きな曲がこの「赤いタンバリン」。
 久々に音楽チャンネルでこの曲のプロモが流れてて、曲の格好良さと同時に、真っ赤なドレスを着た、白人女性がとっても印象的なのを思い出して、観ておりました。
 DJしてる時にもたまに回してたけど、この曲と椎名林檎の「幸福論(悦楽編)」を2曲続けて流した時が、これまでで一番盛り上がった場面だったような気もする(笑)。
 彼らのサウンド的なところでは、中村達也の叩く太鼓の独特の重さは凄いと思う。ライヴも観たことあるけれど、ブラジェシのライヴだと、当たり前に3ピースなのに、音が重いので、それがブラジェシサウンドって普通。で、一時期、スカパラのサポートで叩いてた時にそのライヴを観て、スカパラのライヴは何度か観たことがあるけれど、あれだけ太鼓の存在感が圧倒的だったのは、中村達也の時だけ。いやー、ホントに凄い音圧です。
 とはいえ、解散する直前まで、ブラジェシと言えば、イカ天出身バンドってイメージを払拭出来ずにいたから、じっくりと聴いたことはずっとなかったというのも事実。
 まあ、最後の頃の活動はよく観ていたので、格好良さはよーく分かる。

Soul Flower Union / All Quiet On The Far Eastern Front !?

 ソウル・フラワー・ユニオン、今年の9.11リリースのシングル。
 それまでライヴ会場のみで販売されていたこの「極東戦線異状なし!?」が好評につき、ようやく一般向けリリースとなった作品。シングル扱いなのだけれど、ライヴ音源も収録されて、11曲入りとお得盤である。
 いや、彼らのこの感じ、すっかり忘れていた。それまでの作品は結構聴いてはいたのだけれど、やはりしばらくライヴには足を運んでいなかっただけに、この作品を聴いて、目を覚まされた感覚だ。
 このサウンドにこの詞、彼らのスタイルのロックンロールが自分の中に蘇った。ライヴ曲ではニューエスト時代のナンバーも4つもあって、ウキウキになれたし。
 ジャズとか、ボッサとか、最近の打ち込み系とか、色んなサウンドがとっても大好きだし、よく聴くのはもちろんなのだけれど、やっぱりソウル・フラワーの音というのは、ガツンッ!と巨大なパンチを浴びせられてるくらい、強烈にカラダに響いてくれる。
 彼らはホント、様々なスタイルの音を奏でてくれて、それはそれは毎回の作品が楽しみでしょうがないのだけれど、この作品は、もちろん、強烈だったんだけれど、最初にニューエストを聴いた時の若かりし頃の人生最大の衝撃みたいなのを思い出させてくれた。
 前進しながらも、根底の部分の楽しいロックンロールってのは一緒だな〜って、それはそれは嬉しくなれた。「秋の夜長」最高です!

V.A. / Gut Gut

 今年、新たに再スタートしたグートレーベルの96年のコンピ。
 現在は坂本龍一は絡んでいないけれど、97年までは完全に坂本龍一のレーベルだったので、このアルバムはガンガンに教授色の強い仕上がりとなっている。
 今年、「Gut+1」として2枚組になって出ているものがあるけれど、それとも微妙にセレクトが違っていたりもする。
 最近、引っ越しによって棚の奥アイテムだったのが最前列にやって来たので、聴くようになって、今のところCDとしては一番よく聴いていると思う。
 個人的にも馴染みの深いアーティストだらけなのであるが、このアルバムでかなり久々に聴いたのはゲイシャ・ガールズだ。アナログは何枚か持っているけれど、ホント企画モノなノリの作品だったし、リリース当時にちょこっと聴いただけでそのままになっていたけれど、思い出したように今聴くと、サウンド的にもカッコイイし、ネタ的にもやっぱりダウンタウンはオモロイなーって楽しくなれる。
 そうかと思えばアート=リンゼイだとか、ヴィニシウス=カントゥアリアなんて、とっても静かで心地よい音も入ってるし、これまた好きな中谷美紀やテイ=トーワ、もちろん教授も含めて、いいコンピである。
 ラストに入ってるのがyukieの曲なのだけれど、これまたあんまり有名ではないけれど、声が大好きなヴォーカリスト。彼女のグート時代のアルバムも最近よく聴いてたりする。

Makoto Kawamoto / S.T.

 川本真琴、97年の1stアルバム。
 デビュー曲の「愛の才能」が岡村靖幸によるアレンジだったってことでも話題だったんで、結構売れたし、このアルバムもミリオン越えてたはず。
 彼女の場合、ほとんどの人やレビューで言われるのが歌詞。確かに面白いし、色々恋愛的なところで共感されるのも分かる気もする。しかし、個人的な彼女の魅力はその声と曲の方だと思う。とっても優れたコンポーザーである。
 あ、でもやっぱり詞と楽曲を両方作り、自分でギターをかき鳴らして歌うという、シンガーソングライターだからこそ、こういう作品に仕上がっている、というのが大きいと思うので、やっぱり凄いアーティストですな。
 2001年以降は作品らしい作品は出てないけれど、今でもライヴ活動はしておられます。
 何だかんだで、このアルバムをその当時結構聴いてたのではあるけれど、結構ずるいのかも。この1stとビデオを持ってますが、どちらもサンプル。ライヴも観たことあるけれど、こちらも招待席。仕事絡みで済ませてるのはイイような悪いような。結構ホントにイイって思ってたからこそ、こんな気持ちにもなりますー。
 で、今回聴いたのは5年ぶりくらいなのかも。何だかんだで、リリースされてから7年も経ってたとは。
 ビデオも持ってると書いたけれど、元々はそこまで注目してもなくて、当時深夜のテレビで繰り返し流れる「DNA」のプロモを観て、ベースラインの起伏の激しさと声、そして川本真琴のスタイルのガリガリ感がとっても気に入ったのであった(笑)。

Kazuyoshi Nakamura / Kinjito

 中村一義、97年の1stアルバム。彼の作品については、このアルバムで止まっている。もちろんその後の活動や現在の100sも知ってはいるけれど。
 このアルバム、昨年末頃にふと棚の奥から出てきて、それ以来とってもよく聴いている作品。大好きであるけれど、彼の声はあんまり好きなタイプではない。
 やっぱり曲かな。声好き派ではないので、詞についてもそんなにじっくり聴いてないけれど、この60年代70年代の雰囲気をしたロック!な音は聴いててとっても気持ちがよい。
 デビューのシングルから1stまではきっちりリアルタイムに店頭での動きなんかも見つめながら聴いてた者としては、シングル曲を含め、それぞれの曲がこのアルバムで対に組み合わさったりしていて、面白いなーって思ってたという記憶がある。
 デビュー曲である「犬と猫」はやはりそれなりに衝撃というより、オモロイなーって印象がある。この作品ではこちらもシングルであった「永遠なるもの」が名曲だ!ってよくいわれている。
 だけど、個人的にはこのアルバムの曲順の流れ的にも「ここにいる」が大好き。ピアノとアコギがとってもキレイな泣ける曲だ。
 ラスト2曲はちょっと間が長すぎるなぁって感じるけれど、それも含めてこの作品の面白さでもある。
 あ、中村一義と言えば、宅録の帝王!ってイメージも持ってるのだけれど、これはどうだろう・・・。でも、その反動で現在はバンドというスタイルが楽しくてしょうがないんだろうなぁって思ったりもする。

Rosa Luxemburg / Puripuri

 ローザ・ルクセンブルグ、86年の1stアルバム。うーん、これだけではパッと来ない人が大勢いるかも知れない。今は亡きどんとの率いたバンド。
 まだ、どんとというのは愛称で本名である、久富隆司というクレジットで活動していた時代だ。ボ・ガンボスで一緒にやってた永井利充もこのローザに居た。
 で、このバンドの活動時期に自分は中学生だったのだけれど、ちょうどギターを始めようとしてた時期で、ここの玉城宏志というギタリストのプレーには非常に影響を受けたというか、最初にギターのフレーズを必死になって聴いてたアルバムなんである。
 サウンド的にはロックであるが、ソウルフルでもある。ファンクな部分もたくさんあるし、「在中国的少年」という曲では、名前の通り、チャイナ的でもあって、ミクスチャーな音であって、面白い。
 もう一つ、チャイナなタイトルで「北京犬」というのもあるのだけれど、これはギターのカッティングが大好きなナンバーである。
 一番好きなのは「だけどジュリー」かな。メインヴォーカルを玉城宏志がとっている、優しい曲だ。ギターがまた簡単なようでカッティングが面白い。ニューウェイヴな曲だ。
 このバンドを好きになったのは姉の影響で、方やどんと派で、こちらは玉城派って感じかな(笑)。で、自分でアルバムも持って無くて、学生時代以来しばらく聴いて無かったのだけれど、5年前位に無性に聴きたくなって、買ってしまった。それ以降は、たまに聴いております。

Port of Notes / Trace of Dream

 ポート・オブ・ノーツ、先月末にリリースされた、作品として3年ぶりとなるマキシシングル。
 3年ぶりではあるけれど、畠山美由紀ソロだとか、色んなユニットやゲスト参加で彼女の声はよく聴いていたので、そんなに出してなかったのかーって感じもある。
 しかし、このポート・オブ・ノーツの久々な作品、聴く前にジャケで驚いてしまった。まさかこんなイラストで来るとは思ってなかったもので。
 で、音であるけれど、やっぱりポート・オブ・ノーツだなぁというのが素直な感想。ソロとか他での音とは違う。安心出来るというか、一番聴いてきてる音だって感じ。声はもちろんどの楽曲をバックにしても畠山美由紀の素晴らしい嬉しくなれる声であるには間違いないのだけれど。
 タイトル曲である「Trace of Dream」は1stアルバム的な音だ。ポラリスの坂田学が参加してたりする。久々にポップなナンバーで清々しい。
 で、やはりというか、とっても嬉しかったのがラストの「Minha Mulher」。カエターノのカヴァーで、「まぁ、この曲カヴァーしてくれましたか。ありがとう!」な1曲。
 シングルだけれど、それでも十分堪能出来るけれど、はやり久々に新しい音を聴いてしまうと、もっとって思うし、アルバムのリリースが待ち遠しくなる。

Soul-Cialist Escape / Lost Homeland

 以前紹介した元ニューエスト・モデル、現ソウルフラワー・ユニオンで活動を続ける、中川敬の98年リリースのソロプロジェクト作品。
 彼の作品、バンドにしてもソロにしても関わっているものはいつも傍にあって、絶えずどれかをよく聴いている。サウンド、声も大好きなのはもちろんであるが、歌のある音楽を全部含めて、一番歌詞もじっくり聴くアーティストでもある。
 で、ソウルフラワーをベースとして活動してはいるけれど、かなり幅広いアーティストともいろいろ作品を残している中で、ソロのアルバムはこの1枚だけ。アイヌに沖縄、アイルランドなど、様々な民謡的音楽とジャズ、ホント多彩な音が混ざり合った、極上のロックンロールアルバム。
 中川作品として1番有名でガガガSPも演奏してた「満月の夕べ」やアルバート=アイラーの名曲「Ghosts」のチンドンヴァージョンである「Ayler Ching-Dong」、サム=バネットが歌うとってもキレイなサムの曲である「Gone」なども収録され、実に面白い作品である。
 「満月の夕べ」は数々のアーティストによって演奏されてるし、ソウルフラワーとしても数ヴァージョン存在するけれど、このアルバムに収録されているモノが大好き。
 この1曲として選ぶなら「潮の路」だ。嬉しい気分で満たされつつ、とっても元気になり、表情もニコニコになれる。この作品も何度聴いたか分からない、マストすぎる1枚。

Kenji Ozawa / Kyutai No Kanaderu Ongaku

 小沢健二、96年のソロ3枚目のアルバム。
 このアルバムもCDのラックの奥にひっそりと納められていた。本日、とてつもなく聴きたくなったので、紹介。
 オザケンの作品の紹介は順番に早くも3つめであるが、もちろん全部好き。「天気読み」の1st、1番聴いたしヒットもした2nd。で、この3rdだけれど、これも自分の持っているさまざまな作品に比べたら、かなりよく聴いたアルバムではあるけれど、オザケンの作品としては1st&2nd程は聴いていない。それでもアルバムとしてどれ好き?となると、この作品を選ぶと思う。
 ジャズを連想させるアコースティック楽器やホーンの組み合わせが気持ちいい。録音の状況は知らないけれど、スタジオセッションのような音の構造で、立体感のある感じがして何となく微笑ましくもなる。
 一番好きなのは最初の曲であり、タイトル名も好きな「ブルーの構図のブルース」。いまだにこのタイトルすげーなって思う。
 アルバムとしては8曲でブレイクのような曲が2曲あるんで、とっても短いのが惜しいのだけれど、とっても良質なポップミュージック。じっくりゆっくり、いつまでも聴いていたい作品だ。

Tomoyo Harada / Blue Orange

 原田知世、98年のトーレ=ヨハンソンプロデュース3作目に当たるアルバム。
 久々に彼女の曲というよりも、トーレサウンドが聴きたいなーと、CDラックを物色していたら、このサンプル盤に遭遇。早速iTunesに取り込んで聴くとしてみた。
 原田知世というと、もうかなり昔の「時をかける少女」ですが、シンガーとしての彼女というのですぐにイメージするのはやっぱりトーレ作品になった90年代後半である。
 アルバム「クローバー」と「I could be free」の印象の方が強いのだけれど、曲としてすぐ思い浮かぶのはこの作品の最初のナンバーである「自由のドア」なのであった。なぜなのか定かではないけれど、凄く個人的に印象的な曲となっている。
 この作品の注目点としては、全曲彼女の作詞って部分。注目と書いておきながら、ブックレットを開くまで思い出せなかったのだけれど・・・。
 最近もCMにも出てたり、歌も歌っておられる彼女だけれど、声の細さと高さがツボ!ではないけれど、結構好き。ある種の楽器のような声である。何の楽器だ!?って問われると困るけれど。
 とってもしっとりとした好盤。ゆったりと聴けて、心がとっても和みます。

Hanaregumi / Hibi No Awa

 ハナレグミ、2004年の2ndアルバム。
 リリース当初は当り前のようにヘヴィーローテーションだったけれど、しばらくするとまた以前ここでも紹介した1stを聴く頻度の方が上がってた。
 で、最近は聴いていなかったのであるが、先日、というかおととい、フジテレビ深夜のドキュメンタリー番組「Nonfix」にて「ぼくらはみんなハゲている」という回で「さらら」がメイン曲として使われているのを聴いて、またどうしようもなく聴きたくなったのであった。
 先ほども記したように1stは自分にとって衝撃的な作品であったので、ホント、数えきれない程聴いたし、大好きである。この2ndはもうハナレグミサウンドというものがよく分かっているのもあって、イイ作品だし好きなんだけれど、こんな感じだな、って具合で聴いて、しばらく聴かなくなっていた。
 しかし、しかし、その番組をきっかけに昨日今日とじっくり聴くと、1st以上に奥が深くて聴けば聴く程、心に響くなーって思えるようになってきた。
 よく名曲だ!って時に使う「涙が出る程の嬉しさに襲われる曲」という表現ではなく、似ているが「泣ける程の優しさに包まれる」作品である。
 最初の頃はシングルカットされている「レター」とかが良かったけれど、今はさっきの言葉にもピッタリな「心空」がツボ。ホントに泣きそうになってしまう。優しい。 日々のあわ

Izumi Kato / Saint-Exupery

 加藤いづみ、91年の1stアルバム。これと2ndとは狂ったように聴いておりました。
 加藤いづみという歌手は個人的には、椎名林檎の登場までは、息継ぎがハッキリ聴こえる度ナンバーワンの方で、その歌い方が大好きであります。特にこの最初の2作品はサウンド的には女の子なポップスなのだけれど、やはり声がイイのです。
 この声との出会いは、受験勉強な時代。夜中にふとニッポン放送を探った時のこと。(当時は広島在住でニッポン放送は普通では入りません。)オールナイトの2部でRCの「スローバラード」をアコギの演奏で渋く歌う女性の声にギョっとしてしまい、それが加藤いづみだと知り、そこからファンになったのでございます。
 さてさて、そんな感じでよく聴きライヴにも行ったり。しばらく聴かない時期が来たのち、キャンペーンでレコ屋に来た時に写真、握手、サイン&色々トークというレコ屋兄ちゃんの特権を活かした嬉しい出来事もあったりしたものの、そのままになってました。
 好きである、という経歴だらけになったけれど、最近聴くとまた、中々、フォーキーでよろし。1st&2ndの頃は高橋研というミュージシャンのプロデュースで、まとまってもいるし。
 1番の息継ぎハッキリナンバーは10曲目の「空飛ぶカウボーイ」。最初に出会ったアコギと声というスタイルがほとんどを占める、シンプルで息継ぎもハッキリ過ぎる程聴こえてツボです。

Little Creatures / Radio Collective

 リトル・クリーチャーズ、99年リリースのベストアルバム。midiレーベル時代の楽曲をまとめたベスト。
 基本的にベストアルバムよりもオリジナルアルバム派ではあるが、このクリーチャーズのベストは大好きである。セレクトされた曲が好きなのばかりだし、曲順もイイ感じなのだ。
 やはり、リリース当時に聴き狂っていた作品。というか、去年まではホントよく聴いていた。元々、クリーチャーズに対する「イカ天出身バンド」という過剰なまでの思い込みがあったのもあって、96年頃まではまともに聴いたことがなかったというのもあり、このベストでじっくり聴いたら、やはりイイバンドだったんだって再認識した感じだ。
 好きなのは1曲目である「Muddy Sky」。乾いた疾走感というか、地味なんだけれど、グッと来るグルーヴ感が心地よいナンバー。コーラスの畠山美由紀の声がこれまた嬉しい感じで挿入されているのもよろし。
 最初にも書いたけれど、曲順のバランスがとっても良いので、全16曲をサラっと気分よく聴けて、何度も聴きたくなる1枚。
 ここ3年弱、新作出てないから、そろそろかなーと思いつつ、楽しみな日々をこの作品を聴いて過ごすのもまたよろし。

Cornelius / The First Question Award

 昨日の流れの感じで本日はコーネリアスの94年の1stアルバムを。
 オザケンの「Life」程ではないけれど、このアルバムもかなり聴いていた記憶がある。最近の作品も好きだし、関連するものも沢山聴いて来ているけれど、コーネリアスとなってからの作品として、1番楽曲で勝負しているのがこの1stだと思う。
 あっ、他の作品がダメとか言うのではなく、もちろん好きだし面白い。以前紹介した「Point」は大好きで今でもとってもよく聴いているし。
 楽曲で勝負というのは、1st以降が結構いろんな実験サウンドというか、ギミック的で面白い手法を取り入れているのに対して、このアルバムはバンドサウンドと歌というハッキリした部分があるから。
 大好きなのは4曲目の「Perfect Rainbow」かな。何故か!?と自分で考えてみると、12弦のアコギとブルースハープの音にヤられたんだなぁと思った。スティーヴィー的でもあり楽しく泣ける曲だ。
 そういえば、このアルバムのジャケにもなっているT-シャツ、流行ったなー。そんな小物やらジャケットの仕様であるとか、そういう部分にも細かい気配りというか仕掛けを繰り広げることが得意なのも小山田圭吾って人の素敵な部分だと思う。
 フリッパーズからそれぞれのソロとかいろいろ聴いて、ある意味で最もロックな作品がこのアルバムではないか!?とも思う。

Kenji Ozawa / Life

 小沢健二、94年の2ndアルバム。言うまでもなく、オザケンと言えば、この作品!っていう位の代表作。
 この94年というのは学生時代の最後の年で確か通学の車の中で、「飽きないのか!?」って言う程聴き狂っていたアルバムだ。
 最近はたまーに聴く程度だったんだけれど、iTunesに取り込む作品を漁ってて、「これだ!」な具合で早速取り込んで聴く。良い良い。
 何故に、ここまで全曲ポップでキャッチーでありつつ、サウンド的にもしっかりしているのか!?低音もかなりこだわって録ってあるし、歌詞も2曲目のタイトルと同じく「ラブリー」な詞ばかりだ。
 本日、久々にヘッドフォンで聴いてみて、その昔、鬼のように聴いていた頃には気付かなかった音の仕掛けも沢山発見してしまったし。
 この作品も以前紹介した1stと同じく大好きだった元スカパラの故青木達之の刻みが素晴らしい。とにかく、全体的にウルトラ級な凄い作品を彼のリズムの刻みがとてつもなく引き締めているのだ。
 ミーハーな物言いばかりになってしまうけれど、ミーハーだろうが何だろうが、あの90年代初頭から中頃の渋谷系全盛なムーブメントの最たる部類なオザケンであったが、それだけじゃなくて、ホントに凄い作品だっていうのが、今聴いても素晴らしい!と思える、ここに全て集約されている。
 イイのだ!マジで。

Spanova / Dead Music Flamingo

 兄弟ユニット、スパノヴァの98年リリースの1stアルバム。
 多分、98年以降、アルバム単位で考えて1番たくさん聴いている作品。アルバムの帯のコピーに「ぼくらの日常のもうひとつのサウンドトラック」ってあるのだけれど、まさにそんな感じで自分にとってこの作品は溶け込んでいる。
 ほとんどの楽器やプログラミングを自分たちで、自分たちのスタジオで録ってるっていうのも最初はとっても新鮮だったし、 2ndの紹介の時にも書いた、近所の子供達の声や雑踏のSE的な音の素材もとっても素敵である。
 デビュー曲である「魂は木の葉のように」はサウンド、歌詞共にヤられた絶妙な名曲である。特に大好きなのは3曲目の「Mr.Joy」。テンポのグルーヴィーな雰囲気がとっても気持ちよい。オープンカーで海と山の狭間を軽快に飛ばしてる、そんな場面を思い出させてくれるような曲だ。
 それから、ラストの「Everyday」はゆるりと泣きそうになってしまいつつ、元気になれる、そんな曲。アルバムを通して聴き終わるにふさわしい感じで、さっきも書いた帯のコピーがホントピッタリだなーって思わせてくれる。
 何度聴いたのか分からない程聴いてて、それはそれは大好きな1枚だけれど、最近は聴いてなかった。で、たまたま今日久々に聴いたら、やっぱり嬉しくてまた何度も聴いてしまった。そういうアルバムだ。

Original Love / Kaze No Uta Wo Kike

 オリジナル・ラヴ、94年の4枚目の作品。村上春樹の79年の作品と同タイトル。読んだ事無し。
 オリジナル・ラヴについてはやっぱり初期というか、バンド編成であった東芝時代が好きで、ジャジーでおしゃれな頃!?(笑)というか、アンサンブルが巧みな時代が好きであった。
 この作品はそんな頃であり、ちょっと乾いたロックテイストを取り入れた作品って表現すればいいかな。実際はこれに前後した作品がもっと好きだったりするのだけれど、最近いつも手元近くに何故かあって、よく聴くアルバムとなっているんで紹介。
 まあ、そんな好きではないとは言いつつも、かなりよく聴いてて、好きなんだけれど、このアルバムで一番なのはラスト2曲の感じがすごくイイ。「Sleepin' Beauty」のゆったりまったりメロウな感じから「朝日のあたる道」のテンポある心地よい疾走感がよろし。
 特にラストである「朝日のあたる道」は大音量で聴きながら大合唱したくなる雰囲気を持った曲である。歌詞的には思いっきりラヴソングなんだけれど。途中のスキャットや転調する部分でまた嬉しくなってもっと歌いたくなる感じ。
 とまあ、何だかんだで、こうして書いて、同時に聴いてみるとやっぱり好きなアルバムなんだなーと思った。だからこそ、いつも手元近くにあるわけだ。
風の歌を聴け

Yoshiko Goshima / Swingin' the Swing

 シンガー、五島良子の97年のマキシ・シングル。
 この暑くなってくる季節に聴きたくなる1枚である。とってもスィンギンなソウルナンバー。タイトルそのまんまな感じだけれど、ホント、そういう感じなんである。
 デビューは90年だから、もうかなりのベテランさんであるし、自身のソロ活動以外にも、楽曲提供やコーラス参加など多岐に渡っている。
 一番知られているのはネスカフェのCM曲でもあった99年リリースの「Open Up」だと思う。あの頃、これまた丁度夏なんであるが、ガンガン流れていた記憶がある。
 2001年のアルバムを最後にここしばらくは作品がリリースされていないので、何やってるのかなーって思ってたら、3月にここでも紹介した、くるりの「アンテナ」に収録されている、「Hometown」にコーラスで参加しているではありませんか。これは嬉しかった。
 で、このシングルであるけれど、タイトル曲の「Swingin' the Swing」はさっきもいったような感じの心地よい音で、2曲目の「First Light」は一転ビートの効いたハウス、3曲目の「Pierced Earring With No Name」はレゲエなナンバーである。
 たった3曲なシングルではあるけれど、バラエティに富んでいて、なおかつどれも夏らしくて、やはりこの季節に合うんです。このジャケにも写ってる、彼女のアフロ時代が好きだったりもする。

Triceratops / The Great Skelton's Music Guide Book

 トライセラトップス、98年の2ndアルバム。
 彼らについては、大好きとかそういうのではないけれど、デビュー前から知ってたし、売れるとは思ってもいなかった(笑)。
 で、この作品であるが、聴くようになったのは8曲目のタイトルが「マスカラ&マスカラス」だったから。プロレス好き、特にマスクマン好きとしてはチェックすべき、アンテナに引っかかったタイトルだ。
 聴くと、中々テンポも良くて、3ピースバンドらしいシンプルなロックが繰り広げられていて楽しく聴くことが出来た。
 最初はもちろん、「マスカラ&マスカラス」だけの1曲リピートコースで聴いてて、その後アルバム通して聴くと、これが悪くはない。
 逆に、デビュー前から知ってたのに、嫌なくらいに拒否して聴かなかった、って感じがあったのが、おかしくなった。
 「マスカラ&マスカラス」を含め、シングルリリースされてる曲が3曲位あるのかな。やっぱり、シングルになってるものは曲もキャッチーな感じだなーと思った。この辺りは、大好き!ではないからこそ、客観的に聴けての感想だ。
 この後はレーベル移籍したりサウンドのラインもちょっとずつ変わっていたりするのは一応チェックしているが、やっぱり「マスカラ&マスカラス」ほど聴いた曲はないかもなー。

Yoko Oginome / Chains

 荻野目洋子、97年の作品。
 昨日のパフィーのアルバムに絡めて、スピーカーのアップな作品ということで、選んでみました。
 さて、この作品というか、この時期の荻野目洋子というのは、変化の時期というか、とってもカッコイイ曲を何枚か発表している。で、この作品であるが、プロデューサー陣が大沢伸一、吉澤はじめ、マンディ満ちる、Tosh Masudaという、豪華というかファミリー的な面々。クラブ的なサウンドの詰まった1枚となっている。
 まあ、個人的にかなりの大沢フリークだからこの頃の荻野目作品も全て持ってたりするのだけれど、このアルバムの音を分かりやすく例えるならば、モンドグロッソの「Closer」的ジャジーなR&Bチューン満載。
 元々、荻野目洋子と言えば、皆さんと同じく「ダンシング・ヒーロー」なアイドルという認識だったけれど、この頃の彼女の歌を聴いてからは、上手いなーって、ようやく歌手荻野目洋子を聴けるようになったんであった。
 やっぱり好きなのは大沢サウンドである、シングルカットもされてた「Look Up To The Sky」。プロモも8mmフィルムで録られたもので、とても印象に残っている。
 今、彼女、何してるんでしょう!?知らないけれど・・・。もしもライヴするなら、今だからこそな感じのサウンドでやってくれたら観に行きたい。

追記。何してるかと思えば、イイお母さんになっているではありませんか!このサイト見ると、一瞬ガッカリしたけれど、何か楽しそうでイイなぁと思えた。

Puffy / Fever * Fever

 パフィー、99年の3枚目?もしくは4枚目となるアルバム。
 彼女達の作品で唯一持っているアルバム。元々、嫌いなわけでも無いけれど、買って聴くという感じでも無かった。このアルバムはアナログで持っているのだけれど、買うに至ったのは、音というよりもジャケだ。この赤いスピーカーのような丸い物体のバランスが気に入った。アナログの12インチってデカいサイズで見るとなおさら。
 で、せっかく持ってるんだから聴かねばって感じで聴くようになったのだけれど、このアルバム、楽曲のバラエティさが凄い。ロックなのはもちろん、フォークやカントリー、ルンバ、ボッサ、ソウルに歌謡曲テイストまで。もちろん、それまでにシングルでリリースされてて、聴き覚えのある曲も含めて、楽しく聴ける1枚なのだ。
 好きなのは、カントリーフォークでシンプルでキレイな4曲目「Always Dreamin' About You」。シングルでヒットした、モロビートルズテイストで民生っぽくもある6曲目の「夢のために」。またまたビートルズ&民生な12曲目「恋のライン愛のシェイプ」。
 こうして好きな曲あげてみると、めちゃめちゃ民生的なビートルズをパクって来ました!って音が好きなんだなー。だからって、民生ソロもほとんど聴かないし、ビートルズはここ7〜8年近くは封印状態のように聴いていなかったりするのであるが。
 このパフィーによる完璧ではないけれど、クセになるユニゾンヴォイスがいいんだな。このアルバム、ホント思い出したようにたまーに聴くことが多い。

Creation / Pure Electric Soul

 クリエイション、77年の3rdアルバム。
 彼ららしいサウンドということで、クリエイションと言えばこの作品って語られる位の名盤。しかし、彼らのことを知ったのは、やはりプロレスだ。
 小さい頃からプロレスが大好きでよく観戦にも行っていた。で、特に全日本プロレスでの選手の入場テーマ曲はオリジナルよりも、洋楽系のハードロックなどがほとんどだった。そんな中、やたらギターがカッコイイ、「この曲は誰?」って思ったのがこの曲で登場するザ・ファンクスだった。
 このアルバムでは5曲目、B-1に収録されている「Spinning Toe-Hold」。ツインなギターユニゾンでいつ聴いてもフットワークの軽くなる曲だ。曲名もファンクスの得意技の名前だし、てっきりアメリカのアーティストの曲だとずっと思ってた。
 随分経ってから日本のクリエイションってバンドと知り、このアルバムを手にしたのは高校生の頃のこと。
 アルバム全体を通して聴いても、日本のバンドとは思えない程の本場のブルージーなロックだ。色々彼らのことを知っていくと、武道館で最初にライヴをやった日本のロックバンドだったり、2ndアルバムは全米発売もされて、ツアーもやっているってこと。音を聴けば納得である。
 「Spinning Toe-Hold」はもちろん、ファンクスに捧げられた、彼らオリジナルのインスト曲。DJしてた頃は定番で回していたりもした。自分の中でプロレスコーナーって感じでいろんなハードロックやプログレな曲に混ぜて。かなり盛り上がってたなぁ。
 ともかく、戦闘力アップとフットワークを軽くしてくれ、楽しい気分になれる大好きな曲だ。
ピュア・エレクトリック

Mescaline Drive / Ideology Cooking

 メスカリン・ドライブ、91年の3rdアルバム。
 以前紹介したニューエスト・モデルと共に現在はソウルフラワー・ユニオンとして活動しているが、この作品はホントの意味でのソウルフラワーの第一作といえるアルバムだ。
 60〜70年代のロック・ソウル・ファンクを思いっきり凝縮させて、新たな音を作り出したって感じのサウンド。今聴いても鬼のようにカッコイイ曲ばかり。
 ニューエストの中川敬を天才だと表現したけれど、対するメスカリンの伊丹英子は仙人だ。
 このリリース時期はニューエストもメスカリンも大好きで、両方のライヴにも必ず足を運んでいたけれど、やはり、大好きとはいえ、圧倒的にニューエスト派だった。
 しかし、メスカリンのサウンドや伊丹英子の音へのスタンスはじっくり聴けば聴く程、すげえ!となるんである。今でも毎回聴く度に驚きと新たな発見があるし。
 さて、肝心の曲だけれど、全曲マストだが、特に2〜3曲目の流れ、「マウンテンバイク・フロム・ヘブン」、「正体不明の被害者意識」のロックンロール&ファンク感がイイ。
 あと、8曲目でシングルカットもされてた「迷宮新喜劇」のメジャー&マイナーのコードの抜群の組み合わせた感じが泣くほど好き。そして9曲目のタイトル曲である「イデオロギー・クッキング」のモータウンな雰囲気がまたたまらない!
 うん、ソウルフラワーなロケンロールです。やはり聴くと思いきりギターを弾きたくなるのであった。

Kasekicider / Best Of Kasekicider

 かせきさいだぁ、96年の1stアルバム。
 これが出る前にインディー盤で出てた同じアルバムを狂うように聴いていた記憶がある。このメジャー盤の方が曲も多くてお得だが、インディー盤の曲順が好きだった。今はもっとお得なスーパーベスト的なアルバムを購入した方がいいのかも知れないけれど。
 インディー盤で1曲目であった「ディグ・ダグ・プーカ」のイントロがスカタライツの曲のサンプリングって部分でスカ好きとしてはたまらなく興味を魅かれ、大好きになった。
 はっぴいえんどの「風をあつめて」サンプリングな「苦悩の人」もあるし、ヒップホップだといえばそういう部類ではあるけれど、音のネタ的にもちょっと違って、とても日本人な感覚が素晴らしい。
 日本語のラップというか、この詩はクセになる。喋り方も。
 こういう音って、時代的なものも大きいんで、ちょっと昔の作品でも古いって感覚になることが多いのだけれど、このアルバムはそういう感じにはなってなくて、耳、いや、カラダに馴染んでいる。だから、時にどうしようもなく聴きたくなる瞬間がやってくる。
 結構活動時期がまばらな感じだけれども、新作をいっつも待ってるアーティストでもあります。

Marina Watanabe / Birthday Boy

 渡辺満里奈、92年のマキシ・シングル。
 おニャン子時代は全然興味無かったのだけれど、90年位から、彼女のラジオはとっても選曲が良くて、結構聴いていたという前置きがあって、彼女の作品も聴いてみたりという流れ。
 後で知ったのは、そのラジオの選曲はレコ屋時代の師匠とも言うべき方がされていたということで、どうりで凄いレパートリーだったなぁと納得。
 さて、このシングルですが、小沢健二プロデュース作品。楽曲も全てそう。「夜と日時計」は名曲です!彼女の歌はイマイチな部分もあったりもするけれど、ともかく、アコースティックで静寂と美しさの同居した素晴らしい作品。オザケン自身も後のシングルでセルフカヴァーしてます。
 タイトル曲である「Birthday Boy」もオザケンの曲ではあるけれど、イントロとかいかにも川辺ヒロシなトラックからスタートしてカッコイイ。もちろん、彼が参加しているからそうなのであって。
 未だ、おニャン子ってイメージが抜けないって30代以上の方もたくさんいたり、一方ではちょっとお洒落で健康的でエッセイとか書いたりなお姉さんというイメージな若い方もいるとは思うけれど、この作品はまたその辺りとは違うイメージを発見できるかもね。
 ともかく、好きな曲なので、今でもたまーに聴いております。

Port Of Notes / Port Of Notes

 ポート・オブ・ノーツ、97年のデビューシングル。
 今やソロではメジャーデビューしてるし、様々な企画コンピ、ゲストヴォーカルなどで大活躍の畠山美由紀嬢の在籍するユニットだ。そんな説明は要らないとは思うけれど。
 この最初のシングルを聴いた時の衝撃が彼女達の作品ではやはり一番だった。これ以前にコンピにも参加していたりはしたけれど、やっぱりこれ。
 「風のむこう」の出だしのゾクゾク感は今でも変わらない。1stアルバムにも収録されているが、断然シングルヴァージョンだ。このシングルは今もよく聴くし、最近のエントリによく書いてるような行方不明状態にしたことは一度もない。
 このリリース時はちょうど、J-POP担当だったころで、発売前に聴き、迷いもせずに試聴機に入れる作品と即決した記憶がある。歌詞は日本語と英語の曲がはいっているけれど、日本語詞の曲ダメ!って人でも思いっきりススメてたりした。そのせいかどうか、周りの洋楽専門な友人達がこぞってファンになったりという出来事も。
 言語の違いとか、そういうのはどうでもよく、ホントにイイ音は誰にでも伝わるんだって思わせてくれた1枚だ。
 当然、「泣きたい程の嬉しさに襲われる曲」リストの中の1つです。

Bird / Souls

 birdの99年のデビューシングル。
 今では結構有名なbird。ほとんどの曲が好きなのは言うまでもないのだけれど、やはり一番印象的なのがデビュー曲だ。
 このシングル、このジャケットの他にアナログの先行限定盤のいわゆるDJ用みたいな黒ジャケのやつがあるのだけれど、それがいい。今手元には探し出せなくて、このアフロジャケのアナログがあって聴いているのだけれど、ちょっとヴァージョンが違ってたはずだ。
 まあ、どのヴァージョンもイイ。とにかくこの曲でのbirdは最初の曲ということもあって、初々しさがありつつ、ベテランのようなどっしりした歌声がここにある。それが新鮮というか、ツボであった。
 サウンド的には大沢伸一が自ら見出しただけあって、声に抜群にマッチしたトラックであるし。逆にそういう意味で言うならば、大沢プロデュース時代の楽曲の方がグッと来る曲も多いと思うのは気のせいだろうか!?
 ともかく大好きなヴォーカリストには違いない。余談だけれど、うちのitunesはCDを再生しながら読み込んだ後に、そのアルバムが終わると、どんな設定をしようがbirdの「君の音が聴こえる場所ヘ」のMurphy's 45 minutes Mixがながれてしまうという、不思議な現象がここ3年以上続いているのであった。でも好きだし、イイ曲だからよろし。

Ram Jam World / Rough And Ready

 プロデューサーである朝本浩文のユニット、ラム・ジャム・ワールドの第二活動時期にあたる97年の作品。
 元m-floのLisaが2曲参加していたりするということで、微妙に有名だったりもする。全編激しいドラムンベース満載なアルバムである。ただ1曲を除いては。
 ラスト12曲目の「Corazon」、これである。このアルバムはこの曲だけのためにあると言っても過言ではない程、この曲しか聴いていないし、素晴らしい名曲だ。
 それまでの11曲の激しさから一転してガットギターにフルートに歌という、とても優しいボッサである。歌っているのはさっき言ったLisaで、作詞も彼女でポルトガル語の歌詞だ。
 ここでは何度か書いている、昔選曲してたラジオ番組のエンディング曲にしていたのがこの曲。いつ流れてきても、何か始まるような、そして終わるような独特の雰囲気を持っている曲でエンディングを素晴らしく飾ってくれていた思い出の曲でもある。5分10秒という、エレガントな尺の長さをフルでかけていた。
 今でも結構聴くアルバムである。もちろん最後のこの「Corazon」だけをリピートで。

Ringo Shena / Muzai Moratorium

 椎名林檎、99年の1stアルバム。
 今さら、何の説明もいらない方ではあるが、大好きだし、息継ぎハッキリ系の最右翼アーティストである。
 実はデビューした頃から知ってはいたけれど、かなり注目されてたし周りがガンガン聴いていたので、あえて聴こうとしなかった。それが覆されたのは歌をじっくり聴いてではなくて、このジャケにヤられたのであった。そういう意味ではかなりミーハーな出会いだ。
 当時はレコ屋の兄ちゃん時代だったので毎日何十枚というそのジャケを見て、「エロいジャケじゃのー」と思うようになり、ちょっとじっくり聴いてみるとまぎれもないツボであった、と。
 で、このアルバムであるが、軽く1000回位は聴いているんではないだろうか!?曲順や雰囲気、聴いている時の高揚感など、彼女の作品ではベストだ。もちろん、息継ぎハッキリ度も抜群だ。
 特に「丸の内サディスティック」のこのアルバムヴァージョンがフェイバリット。スキャットがイイ。これ聴いて、ジャズ歌えばって思ってたら、「輪廻ハイライト」って渋い曲も後に歌ってて、こちらも大好きだ。
 椎名林檎作品は全部大好きではあるけれど、「1枚選んであとは割る!」って言われれば、間違いなくこの1stに手を伸ばすだろう。

Wyolica / Folky Soul

 ワイヲリカ、2002年リリースのミニアルバム。
 歌とギターっていうアコースティックでシンプルなコンセプト的作品。しかし、個人的には一番彼ららしい音な1枚だと思う。
 ヴォーカルのazumiボイスはこれまた大好きで、息継ぎハッキリ聞こえる系でもある。特にこの作品では楽器的にもシンプルなので、息継ぎもかなりハッキリしててツボだ。
 リリース時において、新曲が2つと今までの名曲を4曲入れた作品となっている。どれもアコースティック的特性が活かされたアレンジがなされていて、大好きだけれど、特に好きなのはデビュー曲である、「悲しいわがまま」。この曲はというか、デビューの時は彼ら自身よりも大沢伸一プロデュースということが大々的に宣伝されて、もちろん大沢作品大好きということで聴いたけれど、大沢プロデュースだからではなくて、とってもイイって素直に思ったのであった。
 これ以後のリリースは普通にコンセプト的なものではないけれど、大沢プロデュースではない現在の方が、よりワイヲリカらしくて、自由に好きな音を出してるって感じがする。
 デビューから現在までずっと気になってるユニットだし、今後も、もちろん楽しみだ。

Snail Ramp / Mind Your Step!

 現在活動休止中のスネイルランプ、99年のメジャー1stとなるマキシ・シングル。
 この99年前後っていうのはいわゆるメロコアとかスカコアなんて言われるバンドが大量にシーンに出て来た時代ですな。
 しかし、個人的には激しい音から段々遠ざかるようになって来てた時期でもあり、感心もほとんどなかった時期でもある。そこで、この曲である。速い曲であるがベースラインは完全にスカ。そこが気に入ったというか、「ちゃんとスカなんだなー」って思ったのであった。
 3ピースバンドの勢いの良さというのも感じられるし、何よりカッコイイですな。サビとかは完全なるロックンロールであったり、ハードなんだけど、男のサウンド!って感じだ。
 スカでのギターのアップ弾きな場合、ダウン弾きと違って、エフェクトをかけなくてもワウがかかったような音が出るのだけれど、それがきっちり出てるってのも、スカバンドでギターやってた身としては、この曲聴いて嬉しかったポイントでもある。
 メインの曲以外はロック!なサウンドでこの辺りもイイ感じ。アルバムとかも聴いたけど、スネイルランプでの1曲と言えば、間違いなくこの「Mind Your Step!」だね。

Fujifabric / Sakura No Kisetsu

 お久しぶりの最近モノ、フジファブリックの今月リリースのメジャーデビューシングルとなる1枚。
 いやー、完全に洗脳されました(笑)。先月あたりから、深夜帯でこのシングルのCMが流れまくってて、毎日のように聴いていたらイイ!って感じるようになってて、買ってしまいました。
 エレキなギターのロック。であるけれど、ピアノが効いている。なので、どロックなのにソウルフルさもある。ベースラインも単調な部分とうねる部分が交互に現れて、とっても好きだ。プロデューサーがGreat 3の片寄明人ってのも納得してしまった。どうりで洗脳させられる程、好きになる音な訳だ。
 しかし、曲のタイトルは「桜の季節」。これまで意識的と言っていい位に「桜」とタイトルにつく曲は拒否していたような気がする。まあ、好きになる曲が無かったってのもあるけれど。季節モノって定義でセールスを延ばそうとするレコード会社の戦略に決して乗るものか!ってのがあった・・・。
 しかし、要はタイトル云々ではなくて、好きな音かどうなのかだったというのがこのフジファブリックによってハッキリしたということだ。
 ホントにカッコイイし、かなりヘヴィーローテーションで聴いている。桜はとっくに散ってしまったけれどもね。いや、名曲ですぞ。
桜の季節 - Single

Folder / The Earth

 Folderの1stアルバム。98年リリース。Folder5じゃなくて7人の小学生男女時代のFolderです。
 本日のセレクトは自分でもビックリなのであるけれど、デビュー曲であり、このアルバムでは1曲目である「パラシューター」を最初に聴いた時にグッとキたのであった。良く知らない方の為に参考として、曲調はスマップの「Shake」って感じです。プロデューサーが小森田実氏と同じだし。4つ打ちハウス系。
 メインヴォーカルの大地君の声は素晴らしい。「パラシューター」はその当時、結構良く聴いていたなー。それからこのアルバムではないけれど、ジャクソン5のカヴァーの「ABC」と「I want you back」の入った12インチもよく回してたし、大好きだ。
 と、実はFolderはこの3曲かな。今、これを書きながらアルバムを初めて通して聴いてみている。うん、悪くはない。サウンド的にはそんな好き!って系ではないけれど、やはり声がいいとそれなりに聴けてしまうものである。それから持っているのはサンプル盤だ。
 好きではあるけれど、買うには至らなくて、発売から、かなり経ってからサンプル盤をもらう。そういうことがレコ屋時代はよくあったな。
 ちなみに、2000年以前のavexの邦楽系は好きではないがやたら詳しかったりする。特にあゆ以前は詳しいです(笑)。コメントもたくさん書いたし、サンプル盤もほとんど聴いてないけれど持ってたり。機会あれば紹介します。

Tokyo No.1 Soul Set / Jr.

 東京No.1ソウルセットの96年リリースの2ndアルバム。
 何故か昨日からこのアルバムに入っている大好きな「否応なしに 」が頭の中を巡りまくっていたので、かなり久々に聴いてみよう、と。CDを探したのだけれど、行方不明で見つからず、アナログを引っ張り出して聴いてみた。
 「何じゃこりゃ!」である。すごく久々なのにもかかわらず、全部覚えていたから。最初の「Hey Hey Spider」のイントロの口笛なんて、全く間違えることなく一緒に吹けてしまって、とても嬉しくなった。
 久々に聴いてみて、改めて思ったのは、川辺ヒロシのトラックの良さ。もちろん、昔から好きなトラックばっかりなんだけれど、このアルバムはほとんどの楽曲が、鍵盤音のサンプリングで占められていて、それが異様に心地良いのだなーと。やはり鍵盤の音はそれがサンプリングだとしてもやたらとイイ。
 最初に書いた「否応なしに」は大好きだけれど、本日聴いて、「Bronco Summer」がとっても良かった。しばらくはヘヴィーローテーションの予感な作品。でも、そうするためには、CDを探しださないと。
 あ、あと、ジャケだが、「ヤード」のPVの1カットだったと思う。この頃のソウルセットのPVはタケイグッドマンが撮ってて、全てが8mmビデオの映像で、これまたとっても好きだった。今となっては8mmビデオというメディアも懐かしいモノとなってしまったが、これはこれで、味のある映像になるよなー。

Cornelius / Point

 コーネリアスの4thアルバム。2001年の作品。
 最近は坂本龍一のバックでギター強いてテレビに出てたり、リミックスや楽曲提供が多くなっているみたいだけれど、やはりコーネリアス名義の作品は好きだ。
 この作品はサンプリングが多用してあったりするけれど、自然の音とか、細かい素材を自分で制作しておいて、あえてサンプリングしたりと、音はやっぱり小山田圭吾だ!って主張してる感じに聴くことのできる作品だ。
 シングルにもなった、4曲目の「Drop」はビデオもやたらと凝ってて、子供が洗面所で歯を磨こうとするシーンはとっても印象に残っている。
 一番好きなのは、カヴァー曲である9曲目の「Brazil」かな。犬の遠吠えで始まり虫の声など自然音満載で、凄く気分が良くなる。
 このアルバムがリリースされた頃のコーネリアスのサイトは音遊びの出来る仕掛けがしてあって、ゆったりと楽しめたなー。今もありますので、是非お試しを。
 やはり、フリッパーズ時代から目の離せない、常に新しくて面白いことをやってくれる人である。今後もまだまだ楽しみだ。

Aco / Lady Soul

 アコ、98年の3rdアルバム。
 今となっては大好きな彼女なのだけれど、ハッキリ言って第一印象は大キライ!だった(笑)。デビュー直後の頃、昔働いてたレコ屋にキャンペーンでやって来たのであるが、すんごい生意気で、「なんじゃコイツ!」という状況。まあ、今思えば、その頃彼女10代だったし、デビューしたてで、許せるけれど。
 さてこの作品、ぶちソウルです。1曲目の「揺れる体温」のイントロで確実にヤられます。これはシングルカットされてる曲だけど、アルバムのヴァージョンが極上。全部イイけど、この1曲目に尽きる!と言っても大丈夫な位。8曲目には、ミニー=リパートンの名曲、「Inside My Love」のカヴァーもあったり。
 あと、息継ぎフェチとしては、彼女も息継ぎがハッキリ聞こえるし、歌と歌の間の取り方が絶妙にツボである。歌をユニゾンで二重録りしてる箇所はソソる。
 このアルバムから厳選セレクトされたアナログが限定で出てたのだけれど、こちらのジャケは赤バックに黒猫の顔のアップで、ジミー=スミスの「The Cat」っぽい。もちろん、持ってます。
 しばらく聴いていなかったけれど、最近またヘヴィーローテーションな1枚。

Swinging Popsicle / Swinging Popsicle

 スウィンギング・ポプシクル、メジャー最初のアルバムとなる98年の1st。
 メジャーで2枚のアルバムをリリースした後、インディーズとなって現在も活動中ではあるけれど、そんなに知っている人はいないかも知れないなぁ。今週4枚目のアルバムがリリースされたばかり。
 さて、このバンドはやはり、ヴォーカルの藤崎美音子嬢の声です。大好きです。日本人の女性のヴォーカルでベスト3に入る程、声的にツボな方であります。息継ぎがハッキリ録音されてるヴォーカリストフェチとしてはこのアルバムはハズせません。ハミングやスキャットの声も素晴らしい。
 楽曲的にはこのアルバムはとってもキュートなポップス。大好きなのははやりメジャーデビュー曲である「Joy of Living」。ホーンにオルガン、奥の方から響いてくるパーカッションの軽快なリズム、程よい歪みのギターとイイんです。もちろん彼女の声、息継ぎが一番ハッキリ聴ける曲でもある。後半のスキャットがまた、たまらない。英語も上手いです。
 全12曲、とっても軽やかで楽しく、あっという間に聴けてしまう作品。発売から6年経つ今でもたまにこのアルバムはヘヴィーローテーションな時もあるくらい。ちなみに2枚持ってます。これ以外の作品も全てイイのは言うまでない!

Quruli / Antenna

 久々の本日リリースモノ。くるりの5枚目となるNewアルバム。昨日から店頭に並んでるの知ってたし、買いに行きたかったが、行けなかったので、先程ようやく購入。
 とりあえず、ざっと2回聴く。感想は、「くるりだ!」である。しかし、今までの作品の中で1番素晴らしい。クリストファーというドラマーを新たに迎え、セッションメンバー〜正式加入の過程もこの作品には詰まっているってのも大きいのかも知れないけれど、バンド自身の成長というか進化がハッキリ聴きとれる。
 シングルカットされてる「ロックンロール」は既に名曲だ。しかし、とても良い!と思ったのは「Morning Paper」と「Race」。やはりこのリズムは今までの彼らには無かった。ちょっとソウルフラワーを連想してしまった。それだけクリストファーの刺激というのは大きいのだろうと改めて思う。長く聴けそうな個人的ツボな作品である。
 ちょっと余談だけれど、くるりについて、いや、岸田繁についてそんなに知らないが、それなりに知ってることと言えば、鉄道好きでカープファン。選手的には大野豊、現日本代表コーチが大好きだと。で、以前広島のタウン誌に地味に連載を持ってた。そんなところか!?ファンには当り前なのかも知れないけれど・・・。それから、ソウルフラワーっぽいと書いたけれど、ソウルフラワーの中川敬はくるりのライブにゲストギタリストとして参加したことがあり、くるりもソウルフラワーのライブにゲストで何度か出演している。

Sunnyday Service / Tokyo

 サニーデイ・サービス、96年リリースのセカンドアルバム。
 いやー、その当時ずっとヘヴィーローテーションだった記憶がある。広島に住んでて、東京ってのは行ったことあったけど、実際住むと、このアルバムの歌詞のように感じるのかなぁとおもいつつ・・・。しかし、住んでみると全然違っていた。というか、この96年の聴いてたころの自分のイメージは全然記憶に残っていなかったというのが正しいのかも知れない。
 さて、サウンドであるが、完全な70年代フォーク、いや、ポップスの世界。とはいえ、70年代の日本の音はほとんど聴いていなかったので、すごく新鮮に感じた。他のサニーデイ好きな方達と同じように、このアルバムをきっかけにはっぴいえんどとか聴きだしたくちである。一番好きなのはシングルにもなった「青春狂走曲」かな。最近また、たまに聴いたりするのだけれど、今の気分ではタイトル曲である「東京」、ラスト曲の「コーヒーと恋愛」がいい。
 CDとアナログ両方持ってるんだけれど、アナログにはメンバー全員にサインを書いてもらった。レコ屋の兄ちゃんの特権を活かして。
 しみじみ心地よい日なたぼっこのような全12曲がここにはある。

Kirinji / For Beautiful Human Life

 キリンジ、5枚目のアルバムとなる先月リリースの作品。冨田恵一プロデュース。
 彼らにはインディーズ時代からとっても思い入れがあるし、大好きなサウンドだ。一番最初の音源であるキリン柄のジャケの「キリンジ」は、その昔レコ屋時代に全国一の売り上げにしたことがあるのである・・・。そんなのもあるし、それに入ってる「風を撃て」が今も彼らの曲では1番好きだ。
 さて、今作はタイトルがカネボウなんだけれど、やっぱり素晴らしいです。こうやってCMでも聞き慣れた言葉を改めてアルバムタイトルとして受け入れると、文字通り美しいですな。曲もポップでキレイ。先行シングルであった「カメレオンガール」大好き。PVも大好きな2Dのグラフィックでイイ感じだし。冨田プロデュースもキリンジと一緒でより活きる気がする。
 キリンジとスパノヴァって音楽性は違うけれど同じ2つ違いの兄弟ユニットでうちの兄弟と年齢も一緒なんで、とっても気になるというのもある。ただ、うちの場合は上が姉なのだけれど。生まれた時から時代的には全く一緒だし、音的にも好きというのはやっぱりいいなぁーって思う。ちなみに姉もキリンジは大好きだ。
 キリンジではホントは1stアルバムが一番好きだけれど、旬を考えてこっちを紹介してみました。だからって、この作品がダメっていうのではないからね。

Aiha Higurashi / New Life

 現在活動休止中のシーガル・スクリーミング・キス・ハー・キス・ハーのヴォーカリスト、日暮愛葉のソロデビューシングル。先月のリリース。
 シーガル時代から彼女の声は凄く好きで、このソロ作品も待望してた部分もある。楽曲的にもツボなのだが、最初の衝撃はまたもやPVだった。白とオレンジのカラーリングでとってもシンプルな70年代頃のBMWのスポーツタイプの静止したバイクをひたすらいろんな角度から部分的に映しまくるという、映像スタイルも好きな感じだし、何よりバイクがカッコイイ。バイク自体にはほとんど興味はないのだけれど、これなら乗りたい!って思った位に。
 で、楽曲はバイクと同じくシンプルでフォーキー。嬉し泣きな1曲だ。当然彼女の声もとってもイイ。英語と日本語が違和感なく交わるそのヴォーカルスタイルも誰でもすんなり聴けると思うし。
 ちょっと店頭コメント的な補足を書くと、彼女は元ジュディマリのYukiに「The End Of Shite」を提供した人物。このシングルにも入ってますが、個人的にはこっち、本家の愛葉モノが好き。

Theatre Brook / Calm Down

 シアターブルック、メジャーデビュー盤となる95年のミニアルバム。
 彼らについてはデビュー前から知ってて、最初にヴォーカル&ギターの佐藤タイジの顔の写真を見た時には日本人とは思えなかった。徳島出身の方なのだが・・・。
 1曲目の「ありったけの愛」が大好きで初めて聴いた時にはやはり震えた。歌はもちろんなのだけれど、アコギとパーカッションの絡み具合がラテンを思わせつつソウルフル。2000年にこの曲はジャケが座頭市の勝新の渋い写真でシングルカットされてるが、このミニアルバムに入ってるヴァージョンが好き。
 ライヴも観たことあるが、とにかく熱いステージ。で、MCが面白い。佐藤タイジという人はいい楽曲も作るけれど、キャラも面白くて楽しい人だ。話したこともあるけれど、笑わそうとばっかりしてた。
 この作品もリリースされて8年くらい経ってるのにいつも手元付近にあって、常に聴いている訳ではないけれど、無性に聴きたくなる時がある1枚だ。残念なことに現在では廃盤ではないが、生産終了みたい。

Haruomi Hosono / Hosono House

 細野晴臣、73年の1stソロ作品。
 個人的に彼を最初に知ったのは時代的にもYMOの一員としての姿。だけど、印象に残っているのはベースを弾く姿ととっても低く独特な歌声だった。その後いろんな音を聴き、この作品に出会ったのは20を越えてからのこと。
 何だこのシンプルなのにバラエティに富んだ楽曲とポップさは!?と聴いて思った。当然のように一瞬にして好きになる。時を同じくしてはっぴいえんどやその他70年代の細野晴臣周辺の音も聴いていたけれど、このアルバムが1番好きだ。
 1曲目である「ろっか・ばい・まい・べいびい」のラグタイムな感じにまずヤられる。大好きなのは「終りの季節」。切なくて嬉しい気分になれる何とも不思議な曲だ。あと、松任谷正隆のキーボードがいい。
 何の気負いもなく、スラーっと音作ったらこんなの出来ました、ってカッコ良さを感じる。やっぱり凄い人だし大好きだ。そりゃ毎週唯一でもラジオ聴きたくなるってこと。

UA / Horizon

 UAのデビュー曲である95年の作品。
 UAの曲では大好きなものが3つあって、1つはこれ、あとは「リズム」と「TORO」。この中で1番聴いているのは大沢伸一の「リズム」なんであるが、この「ホライズン」が一番泣きたいくらいの嬉しさに襲われる度が強い。
 手元には発売前の味気ないプロモ盤がある。当時、一人で藤原ヒロシプロデュースだし、イイ曲だったんで周りにススメていたのだがあんまり相手にされなかった記憶がある。確かにこの曲のUAは歌い方がどことなくぎこちない部分もあるしね。
 イントロが鐘の音で始まるのだけれど、いきなり泣けます。藤原ヒロシテイストに溢れてる曲で、ピアノの音色が凄くキレイだ。
 頻繁に聴くんではないけれど、無性に聴きたくてしょうがない瞬間が年に何度かやって来る。泣きたいくらいの嬉しさに襲われたい瞬間が。アルバムにも入っているけれど、シングルで聴きたい曲だ。

Nona Reeves / Animation

 ノーナ・リーヴス99年のメジャー最初となる3rdアルバム。
 最初に彼らのPVを観た時に「小さいオッサンが歌ってる」という感想だった。失礼な話だけれど、ヴィジュアル的には少々ツライ気がしてしまった・・・。
 だけど、サウンド的にはとってもポップでキャッチーだし、聴きやすい。リリースされてから4年ちょっと経っているけれど、常によく聴くリストの中に入っている。
 元々、英語詞の曲がほとんどだったけれど、このアルバムから日本語の曲が半分以上になっている。1番好きなのは11曲目の「フォーティー・パイ」。このアルバム中一番古い曲で英語の歌詞でとってもフォーキーなナンバー。CM曲としても使われてたことがある。
 ライヴは観たことがないのだけれど、3ピースバンドの元気の良さというか、勢いがイイらしいんで、観てみたい。アルバムではホーンやシンセ、その他プログラミングなども使用されていて勢いがあるのと共に、スケール感もある。聴いていると飽きないし、元気になれる、そんな1枚。

Freebo / Sukimakara

 フリーボ、96年の1stアルバム。
 ヴォーカルの吉田奈邦子が生まれて初めて作った最初の8曲が丸ごとこのアルバムになっている。No.50で紹介している金延幸子の「み空」を聴いて曲作りを始めたということで、それだけでもいい感じだと分かっていただけるだろうか!?
 音はフォーキーであり、ロック。声がフワフワしていて気持ちいい。やはりアルバムタイトルでもある「すきまから」が大好きだし、何度も何度も聴いた。間違いなく名曲だ。いろんなコンピにも収録されていたりもする。
 このアルバムはインディー盤だけれど、97年にメジャーデビューする直前に会って話をしたことがある。メンバーの皆さん、とっても明るくて音作りに関しても前向きで、イイ曲沢山作って下さい!とエールを送っておいた。現在は充電期間中で、またすばらしい楽曲とライブを引っさげての復活を期待したい。

Sachiko Kanenobu / Misora

 シンガーソングライター、金延幸子72年の1stソロアルバム。
 この作品がリリースされる前に彼女は渡米して結婚してしまったために、伝説のアルバムと言われたり、72年という年代での女性フォークシンガーということで早過ぎた天才などと評されたりしていた。
 さて、肝心の音だけど、ほとんどの曲がアコギと歌というとてもシンプルな構成でフワフワと心地よい響き。細野晴臣プロデュースではっぴいえんどのメンバーも全面的に協力してたりするんで、この時代のURCレーベル的雰囲気も漂っている。よく、和製ジョニ=ミッチェルって言われたりするのも分かる。
 2曲目というか、A-2の「あなたから遠くへ」が大好きで聴く度に涙が出る位の嬉しさに襲われる名曲だ。
 現在はエイベックスから再発されてて、ちょっとびっくりした。

Miki Nakatani / Absolute Value

 中谷美紀、98年リリースの最初のベストアルバム。
 坂本龍一の全面プロデュースではっきり言って教授のアルバムだ!っていう雰囲気。それだけ完成度が高い。しかし、中谷美紀のクールな声がいい感じでフワフワしている。
 昔、中谷美紀好きな時期があったんだが、だからイイって言うのではなくて、純粋に作品として聴いてて心地よいアルバム。
 教授のソロワークみたいな曲やジャジーな音、伊藤園のCMでお馴染な曲も収録されていて、そういう意味でも幅広い。
 サンプル盤で持っているんだが、なぜかこの5年間、常に自分の手元の近くに置いてあるアルバムで、しょっちゅう聴く訳ではないけれど、思い出したように聴くことの多いアルバムでもある。それだけ、やはり魅力的な音をしていると思う。

Kenji Ozawa / The Doges Bark,But The Caravan Moves On

 小沢健二、93年のファーストアルバム。
 一応、フリッパーズのモロ世代なのでソロ活動スタートとなるこの作品にはかなり期待していた記憶がある。最初に確かプロモのテープで聴いたんだが、歌が下手!って思った。しかし、聴けば聴く程するめのように味の出てくる作品なんである。何とも言えないフワフワ感もあるし。
 歌詞がいいのと、サウンド的には元スカパラのドラムである故青木達之の刻みが素晴らしい。ギターのテレキャスらしい乾いた、そしてわずかに歪んだ音もいい。
 現在は「Dogs」というタイトルになってジャケットもシンプルになっている。こちらの「犬は吠えるがキャラバンは進む」との大きな違いはジャケと彼自身のセルフライナーノーツがあるかないかという点。ライナーがあるのはこちらの最初の盤。
 タイトルはアラビアの諺らしい。

Hanaregumi / On Time

 スーパーバタードッグのヴォーカルである永積タカシの個人ユニットであるハナレグミの2002年1stアルバム。
 去年1番聴いたアルバム。というか、今でもしょっちゅう聴いている。アコースティックなバンドの雰囲気一杯の作品。
 これまたフワフワ感もあり。先行シングルとして発売された「家族の風景」が泣けるくらいにイイ曲。PVも写真のスライド上映のような雰囲気で好きだ。
 アルバムのジャケットが彼の実家の増築した一室なんだけれど、カフェの窓際みたいな雰囲気で面白い。
 ブッカーTジョーンズの名曲「Jamaica Song」のカヴァーがまたいい。全体的にもレゲエ風味なサウンド多し。だけど、いかにもレゲエ!っていうのではなくフワフワ。ここ大事。
 CDの帯に「切なくてあったかい」ってコピーがあるけれど、まさにそんな作品。

Cymbals / Love You

 本日発売のシンバルズ、4枚目のアルバム。
 デビュー前から彼らのことはよく知ってて、ずっと音も聴いてきたけれど、3枚目からのサウンドが個人的にも好きなラインになって来てて、このアルバムでバッチリといったところだろうか!?
 早速のお気に入りは3曲目の「アメリカの女王」。グルーヴィーなジャズチューンナンバー。発売前から音楽チャンネルにてPVがよく流れてたんで、その度に画面に釘づけになって観てた。映像はモノクロでまあ、普通といえば普通にカッコイイ感じなのだが、やはり音。リズム隊のうねりがすばらしい。
 このアルバムにて楽曲とヴォーカルの土岐麻子嬢の声のバランスが自分のツボになった。
 本日発売と書いたけれど、正確には昨日の午前中から店頭には並んでました。発売日は確かに今日。日本の音楽物流システムでは発売日の前日午前中に店舗に配達され、販売可能となるようになってる。

Spanova / Super Ball

 兄弟ユニットスパノヴァの99年のセカンドアルバム。ファーストが大好きで多分ここ5年間では一番聴いているアルバムだとは思うけれど、このセカンドの3曲目「Untitled」が時に無性に聴きたくなる。今日がそんな日であった。
 彼らのサウンドはやはり、リズムの良さがすごい。レコーディングからすべて自分達のスタジオでやっている兄弟の人力感がとてもリズムに表れている。それがとてつもなくグルーヴィー。
 アルバム全体ではサッカーをイメージした歌詞が面白い。あと、いつもであるが、SE的に使われる近所の子供の声がとってもいい雰囲気を演出する効果となっている。
 誕生日にこのアルバム、というか3曲目が聴きたくなったのは、理由は何もないけれど、良かったと思うし、聴いてみてとても嬉しい気分になれた。

Tomita Lab / Shipbuilding

 キリンジ、平井堅、bird、Misia、中島美嘉など、数多くのプロデュースで知られる冨田恵一の初のソロアルバム。ソロというよりも、名前の「ラボ」が示すようにさまざまなアーティストとのコラボレーションによって生まれた実験場のようなスタイルと言った方がいいかも知れない。
 上記のアーティスト作品の冨田ワークをご存知なら分かると思うけれど、とってもポップで聴きやすい。ハナレグミとの「眠りの森」、畠山美由紀との「耐え難くも甘い季節」はフェイバリット。しかし、このアルバムの中で意外というか、ハマってる!と思えたのは松任谷由実との「God bless you!」だった。ユーミンの歌声を丸々一曲通して聴いたのは10年以上ぶりだったけれど、聴く回を重ねるごとにしっくりくる。不思議なくらいに。
 作品通して個人的ツボなアルバム。最近のヘビーローテーションになっている。