*music

sutero choice sound selection

Kirinji / For Beautiful Human Life

 キリンジ、5枚目のアルバムとなる先月リリースの作品。冨田恵一プロデュース。
 彼らにはインディーズ時代からとっても思い入れがあるし、大好きなサウンドだ。一番最初の音源であるキリン柄のジャケの「キリンジ」は、その昔レコ屋時代に全国一の売り上げにしたことがあるのである・・・。そんなのもあるし、それに入ってる「風を撃て」が今も彼らの曲では1番好きだ。
 さて、今作はタイトルがカネボウなんだけれど、やっぱり素晴らしいです。こうやってCMでも聞き慣れた言葉を改めてアルバムタイトルとして受け入れると、文字通り美しいですな。曲もポップでキレイ。先行シングルであった「カメレオンガール」大好き。PVも大好きな2Dのグラフィックでイイ感じだし。冨田プロデュースもキリンジと一緒でより活きる気がする。
 キリンジとスパノヴァって音楽性は違うけれど同じ2つ違いの兄弟ユニットでうちの兄弟と年齢も一緒なんで、とっても気になるというのもある。ただ、うちの場合は上が姉なのだけれど。生まれた時から時代的には全く一緒だし、音的にも好きというのはやっぱりいいなぁーって思う。ちなみに姉もキリンジは大好きだ。
 キリンジではホントは1stアルバムが一番好きだけれど、旬を考えてこっちを紹介してみました。だからって、この作品がダメっていうのではないからね。

The Neptunes Present... / Clones

 R&B/ヒップホップ界において今や超売れっ子のプロデュースチームである、ファレル=ウィリアムスとチャド=ヒューゴのネプチューンズ。その最初の作品集、コンピが2003年リリースの今作。
 基本的にはR&B/ヒップホップ系列はほとんど聴かないし、詳しくもないんで、あまり説明できない・・・。この作品が気になったのは上記ファレルが歌い、JAY-Zがラップする「Frontin'」が気に入ったのだ。とってもカッコイイ。PVやラジオでヘビーローテーションされてたのもあってよく見、耳にしてたのもある。
 それともう一つ重要な点がある。それはレーベル名だ。スター・トラック・エンタテイメント。スタトレじゃん!ロゴマークまで宇宙連邦のマークと酷似だし・・・。ということである。
 まあ、最近はR&Bモノをいろいろ集めようかなぁと思っていたところでもあるので、いいきっかけにもなったからよかった。
 1アーティストの作品ではなくて、1プロデュースチームによるコンピということで、ホントさまざまなアーティストのバラエティに富んだ楽曲が収録されていつつ、全体の流れみたいなものは統一感あったりしてるんで面白い。当然のように重たい低音満載です。

Sun / Sun

 オーストラリアのオーレン=アンバーチとクリス=タウンドによるデュオ、サンの2003年のデビュー作品。
 黄色と赤のレコード屋のアンビエントコーナーにて入手したのであるが、最初ジャケの雰囲気からシカゴ音響系のスリルジョッキーレーベルの作品だと思い込んでいた。全然違うんであるが、サウンド的にはそれなりに近い感じ。エレキとリズムと歌がとってもフワフワブレンドで心地よい。
 店頭コメントにはアコギと打ち込みなエレクトロなんて書いてあったけれど、エレキだし、ポップなフォークって感じだ。コメント書いた人、ちゃんと聴けよ!とここで突っ込みを入れておこう。
 しかし、個人的にはこのフワフワなバンドサウンドは大好きだ。特に2曲目の「Reach for the sky」はフェイバリット。全体的にもウダウダしてるのではない脱力感があってイイ。オーストラリアという地域的な特色というのは個人的にはあまりイメージないけれど、この作品を聴く限りではアメリカ系というよりもヨーロッパな感じがする。オーレンの方はソロではドイツのレーベルから何枚か作品をリリースしているらしく、このヨーロッパ感にも納得。
 この日本盤にはアルバム曲全部のリミックスバージョンも入っててお得だし、じっくりとオリジナルとリミックスを聴き比べてみるというのも楽しいと思う。

Ann Burton / Blue Burton

 オランダ人ヴォーカリスト、アン=バートンの67年の作品。
 70年代にはよく来日していたりしたこともあって、日本でも人気が高く、ジャズヴォーカルこれを聴け!みたいな特集があれば必ずと言っていい程取り上げられる作品でもある。
 とってもしなやかでキレイな彼女の声はとっても聴きやすい。これからジャズ系をという方にも間違いなくオススメできる。
 って、こんな評論めいたことを書いておきながら、つい最近購入したのである。そりゃ昔から知ってはいたもののある種、定番的作品だけに、いつ買ってもいいやって感じで何年も過ごしてきたという次第。
 やっぱり改めてじっくり聴くとイイね。アメリカのジャズとは違う、独特のヨーロッパなテイストがあってとっても気持ちいい。
 先日、打合せの時にこのアルバムを流してて、来てたジャズはほとんど詳しくない方がとっても気に入ったみたいで、「買います」と言われて帰路につかれた。ホント、それだけ初心者の方でもオッケーなんですな。
 この作品のフェイバリットはやはり「サニー」でしょう。JBバージョンと双璧をなす感じで大好きだ。
 最後に、買うならオランダ盤をどうぞ。すこぶるナイスプライスな上に、ボーナストラックも収録されててかなりお得です!

Aiha Higurashi / New Life

 現在活動休止中のシーガル・スクリーミング・キス・ハー・キス・ハーのヴォーカリスト、日暮愛葉のソロデビューシングル。先月のリリース。
 シーガル時代から彼女の声は凄く好きで、このソロ作品も待望してた部分もある。楽曲的にもツボなのだが、最初の衝撃はまたもやPVだった。白とオレンジのカラーリングでとってもシンプルな70年代頃のBMWのスポーツタイプの静止したバイクをひたすらいろんな角度から部分的に映しまくるという、映像スタイルも好きな感じだし、何よりバイクがカッコイイ。バイク自体にはほとんど興味はないのだけれど、これなら乗りたい!って思った位に。
 で、楽曲はバイクと同じくシンプルでフォーキー。嬉し泣きな1曲だ。当然彼女の声もとってもイイ。英語と日本語が違和感なく交わるそのヴォーカルスタイルも誰でもすんなり聴けると思うし。
 ちょっと店頭コメント的な補足を書くと、彼女は元ジュディマリのYukiに「The End Of Shite」を提供した人物。このシングルにも入ってますが、個人的にはこっち、本家の愛葉モノが好き。