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MC5 / The American Ruse

318.jpg デトロイトのバンド、MC5の68年のアルバムである「Back In The USA」のプリ・プロダクションをリマスターしてリリースされた作品。95年リリース。
 MC5と言えば、1stの「Kick Out The Jams」を押さえておけばそれでオッケー!って気もするのだけれど、この「The American Ruse」しか持ってなかったりします。しかも、10インチのアナログで、CDでリリースされているモノの半分以下の収録曲という、ミニアルバムみたいなパッケージのヤツを。
 久々に引っ張り出して聴いてみたところ、リマスターしてあるにも関わらず、激音悪で、自分でもビックリしてしまう感じで。CDの方はもうちょっと音イイのかも知れません。
 さて、内容はというと、「Back In The USA」にボーナストラックが2曲(10インチには1曲)付いているって感じで、「Back In The USA」の別テイク盤と考えてもらえばオッケーだと思います。MC5自体をよく知らないという方の為に鬼のように簡単に解説しますと、バリバリのロケンロールな音です。
 一番の感想としては、ギターのソロや色んなフレーズが自分の手癖にとっても近いものがあるので、聴いてて、とってもギターが弾きたくなる音をしております。だからと言って、ギター弾いてた頃にMC5なんて一度も聴いたことは無かったのだけれど、ホント、ロックのお手本のようなギターのフレーズを聴かせてくれてます。それだけ自分のギターっていうのも、ロケンロールな感じだったのか!って再確認しました(笑)。
 「Tutti Frutti」ってロックンロールなスタンダードも入ってたりするんで、この曲だけ聴いてみるのも楽しいかも。

Prince Buster / Fabulous Greatest Hits

317.gif ジャマイカで60年代から70年代にかけて、プロデューサー、シンガー、レコードショップ&レーベルオーナーと多彩な活躍をしていたプリンス=バスターの64年から68年にかけての、自身がシンガーとして制作された作品を集めたベスト盤。
 元々はボクサーで音楽キャリアのスタートはサウンドシステムの用心棒としてという、ウソのようなホントの逸話のある人であるけれども(笑)、スカという音楽には全く以てかかせない人物であります。
 多分、プロデューサーとしての手腕の方が有名であるし、個人的にもそんなイメージがデカいんではあるけれど、シンガーとしてもかなりの作品をリリースしてて、カリスマ的であり、ジャマイカの国民的アイドルっぽさもあったということです。
 最近はかなりバスターのシンガーモノもCDでリリースされるようになってはいるけれど、今でも7インチが根強いジャマイカにおいて、当時の作品が全て揃うって状況はかなり難しいけれど、スカ系コンピには大抵収録されてたりするんで、聴いたことある方も多いとは思います。
 このアルバムの中で好きなのは、「Too Hot」と「Al Capone」ですな。スカな歌モノの定番曲と思っている程、もう20年近く聴き続けてる名曲であります。持ってるのは当然のようにジャマイカ盤のアナログですが、やっぱりスカはジャマイカ盤の雑な仕様のアナログで聴くのが思いっきり雰囲気あってよろし。
 バスターって人のハーモニーの雰囲気というか、この時代のスカな歌モノは40年代や50年代のR&Bにとっても影響を受けてて、その辺り大好きで、スカはまだ未開拓な方にはとってもオススメです。

Bird / Mindtravel

316.jpg バード、2000年リリースの大沢伸一プロデュースによる2ndアルバム。
 大沢伸一とのタッグ作品はこのアルバムまでということで、元々大沢好き派として、このアルバムはバードの作品でもよく聴いてきましたな。最近はずっと静かで大人しい感じの曲を聴いていたので、随分ご無沙汰しておりましたが、またここに来て、よく聴いております。
 あ、このアルバムと言えば、タイトル曲である「Mindtravel」のPVがとっても印象的なのを思い出しますのぉ。テンポのイイリズムに合わせたバードのダンスが可愛らしい、観ててとっても楽しいPV。このPVの雰囲気がそのままアルバムの導入的な感じもするんで、観る機会があれば是非観て頂きたい。
 さて、全体の音としてはとってもヴァラエティに富んだ楽曲に溢れてて、何度聴いても新たな発見がありつつ、飽きない作品だと言えるかな。好きなのはさっきも書いたアルバムのタイトル曲であり1曲目の「Mindtravel」と、シングルとしてもリリースされた「GAME」のこのアルバムヴァージョン。特に「GAME」のこのアルバムヴァージョンのジャジーさにはヤられました。イントロのベースの刻みから震えます。何度聴いてもカッコイイし。
 それから、ラストの曲である「桜」なんだけれど、アルバムの中でもラストっぽい雰囲気でちょいと泣ける雰囲気を持ってて好きなのではあるが、この曲に関してはシングルでリリースされた方に入ってる、Mad professor’s Lovers Rock Dubヴァージョンを是非聴いて頂きたい。思いっきり重たいダブにバードの声が暖かくて切ない感じで響いてて、笑顔で泣ける感じで嬉しいです。

Towa Tei / Lost Control Mix

315.jpg 先日のニューアルバムの紹介からすぐとなってしまいますが、テイトウワの「Last Century Modern」のリミックスアルバムをご紹介。99年の作品。
 昨日、いやもう一昨日となってしまいますが、NHKの英語でしゃべらナイトにテイトウワがゲストで出演しているのを観て、英語が話せるといいなぁ〜、と思いつつ、過去の作品が聴きたくなってしまって、一番身近にあったこのアルバムを聴いてみよう!って流れです。
 「Last Century Modern」のリミックスアルバムは2枚リリースされてて、今回紹介してるのは1枚目なんですが、パッケージ的に面白い仕様になってまして、このケースは2枚組用のケースになってて、2枚目のアルバムは紙ジャケでリリースされ、その2枚目も一緒に入れて一つのリミックスアルバムとして保存して下さいねー、な感じになってます。残念ながら、2枚目のアルバムはアナログで持ってて、CDは購入しなかったので、CDとしてはこの1枚目しか入ってないんですが…。
 さて、このアルバム、テイトウワとしては一番よく聴いた気がします。その中でもコーネリアスミックスの「Butterfly」と大沢伸一ミックスの「Funkin' For Jamaica」は激聴してたっけなぁ。そんな感じなんで、テイトウワの音っていったら、この作品のような雰囲気を最初にイメージしてしまうくらいになってるのも事実。
 彼の作品は実際のところ、ほとんどをアナログで持ってたりするんで、CDで簡単に聴けてしまうこの作品はずっと手元付近に置いてあってすぐ聴くには持ってこいだしね。

John Coltrane / John Coltrane And Johnny Hartman

314.jpg ジョン=コルトレーン、ジョニー=ハートマンと共演のヴォーカルアルバム。63年、インパルス作品。
 インパルスでの吹き込みの中で趣の違う「バラード」、「&エリントン」そしてこの作品の3つがあるけれど、その中でも群を抜いて一番好きなアルバムだ。
 この3作品はコルトレーンの本意ではなく制作されたということは昔から知っていたけれど、今回もう一度よく調べてみると、サックスのマウスピースの具合が悪く、落ち込んでいたコルトレーンにプロデューサーの提案で、これまでとは違った作品を制作しようという流れだったみたい。後にコルトレーン本人も聴き返してみて、録ってよかったとコメントもしていた。
 さて、そんな経緯もありつつ、この大好きなアルバムでありますが、とにかくカッコイイのと優しさ一杯であります。嬉し泣きを通り越した、嬉し過ぎて号泣!ってなぐらいに素晴らしい作品。
 サックスはもちろん優しくてキレイなのだけれど、ハートマンの声がこれまた、主張し過ぎてなくてスタンダードナンバーの数々をサラッと歌っている雰囲気がまたイイ。声質も低音なのにツヤがあるというか、とにかくとっても心地よくそしてしっかり響く歌声であります。
 このアルバムばかりは好きな曲はこれ!というのは決めるまでもなく、全部好きだし、通して聴いていたい作品。
 普通、ジャズのアルバムに限らず、大抵の場合、レコーディングでは何テイクも録ってその中からベストテイクをアルバムに収めるってことをするのが当たり前で、その為に近年再発されてる色んなアルバムにはボーナストラック的にボツになってたテイクが収録されてたりするのだけれど、このアルバムに限っては全曲ワンテイクずつしか録ってない。それでこの出来とは凄過ぎる。ホント何度も言いますが、素晴らしいです。

John Coltrane and Johnny Hartman

Straightener / Title

313.jpg ストレイテナー、今年1月リリースの2ndアルバム。
 さてと、最初に言っておきますが、このアルバム、人生初の買い間違えで買ってしまった作品(笑)。丁度同じ日がここでも紹介しているハナレグミの3rdアルバムのリリース日でもあり、レコ屋で同じラックでデカデカと展開していて、この日はハナレグミを買う!って決めてたんで、ほとんど無意識で手に取って、買って帰って袋から取り出すとこのアルバムが出て来てそれはそれはビックリしたのでありました。
 大体、ストレイテナーなんて、この日まで全然知らなかったので、音も想像出来ず、だからといって、返品しようという気にもならずに、本日まで未開封で置いてあった次第です。
 なぜ、開封する気になったのか!?それは昨日、スカパーで彼らのライヴの再放送をやってたので、知る為にと観たからでありました。
 素直な感想として、思いっきりツボな音ではないけれど、3ピースのシンプルなロックンロールバンドでライヴはなかなか迫力あってカッコイイではないか!という感じ。
 アルバムで残る感じな曲は「Play The Star Guitar」かな。ただ、残念な事が…。ライヴの音の迫力というのはテレビとはいえ、なかなかエエのぉ〜な感じだったのに、アルバムのミックスは何か音悪いというか、かぶさった雰囲気に仕上げてあってヌケが悪い。そういう狙いでやってあるのなら仕方ないけれど、彼らの実際の楽曲を引き立てるにはもっとエッジを効かせたメリハリのあるミックスにした方がいいと思ってしまいました。そういう意味でストレイテナーが気になるっていう方は是非ライヴをどうぞ。