*music

sutero choice sound selection

Thelonious Monk / Brilliant Corners

 久々にベタな名盤。ピアニスト、セロニアス=モンクの56年の作品。
 モンクの演奏は大好きで、特にソロ作品が好きなのだけれど、レコード棚を漁っていて久々に聴いてみたくなったのでご紹介。
 これはソロではなく、2管とリズム隊というクインテットなコンボ作品。8年ぶりくらいに聴いたんであるが、タイトル曲である「Brilliant Corners」のイントロを聴いた瞬間に「あー、これこれ!」って感じで思いっきり鮮明に思い出した。
 独特なモンクの奏法を聴くと何故か嬉しくなれる。で、この作品はそれプラス、ロリンズのサックスがやっぱりカッコイイなぁーって聴ける作品だ。
 ピアノソロのイメージばっかりになっていたのだけれど、こういうコンボな作品を久々に聴いてみると、リズム隊とサックスに絡んでいるピアノの音にとても心地よい間があって、これまたモンクらしいなーと改めて感心してしまった。
 前半の3曲はモンクのナンバーであるが、やっぱり、独特な奏法のピアニストであるだけに、彼自身の楽曲を演奏しているのはとってもツボである。
 「Pannonica」って曲ではおもちゃのピアノのような音の出るチェレスタって楽器を演奏してて、なおかつ、曲自体も柔らかい雰囲気で大好き。
 モンク作品も色々聴き直さないといけないなーというか、聴きたくなってしまった。

Dave Barker / Prisoner Of Love

 ジャマイカのシンガー、デイヴ=ベーカーがアップセッターズをバックに歌う70年の作品。
 ベーカーさんの作品というのはそんなに聴いたことないのだけれど、やや高音めな声でテキパキ歌いつつ、シャウトしまくる!って印象がある。このアルバムもまさにそう。
 しかし、この作品はアップセッターズの演奏、いや、リー=ペリーのディレクションが素晴らしいという作品だと思う。
 リー=ペリーといえば、ダブなんかで、狂った作品を生み出す天才というイメージが多々あるとは思うけれど、60年代後半から70年代初頭にかけての、アーティスト活動というよりも、ディレクション&プロデュースを中心に作品を量産していた、ちょうどこのアルバムのような音が大好きだ。
 リズム隊、オルガン、歌のバランスが絶妙なロックステディが今の季節にもピッタリでとっても気持ちがいい。
 ディランの「風にふかれて」やテンプテーションズの「Runaway Child」などのカヴァーもあったりで、楽曲的にも面白い。
 元々スカが大好きなので、最近のダンスホール系やダブなどよりも、レゲエ!ってなるちょっと手前のロックステディ的歌モノまでが個人的にはジャマイカサウンドとしては心地よく聴けるラインというのもあって、このアルバムはよろし。

Jose Feliciano / And The Feeling's Good

 プエルトリカンな盲目のシンガーでありギタリスト、ホセ=フェリシアーノの74年の作品。
 これは、そうですな、フリーソウルな流れで聴いた方も多いと思う作品。フリーソウル〜のコンピにスティーヴィー=ワンダーの名曲のカヴァーである「Golden Lady」が入ってたと言えば。それがこのホセさんで、このアルバムに収録されてます。
 結構、ギタリストとしての彼のプレイが好きなのであるけれど、この作品は歌モノなアルバムとなってます。1曲だけインストもあるけれど、70年代のプロレスの入場テーマのような激しいナンバーだ。
 インスト集のようなアルバムも持ってるんだけれど、そっちで激しく鳴り響いてる、クラシックギターのプレイが大好きなのである。それに比べると、この作品は、そういう部分もソロとかあったりするけれど、エレキとかストリングスが響いてる、よりソウルフルなロックアルバムである。
 シンガーとしてのホセというのも悪くない、というか、好きだ。最初に聴いた時には大好きであるヴァン=モリソンを連想してしまった。声の線は細いけれど、声量はキッチリあって、迫力がある。
 で、この1曲というと、最初にあげた「Golden Lady」もイイのだけれど、「Differently」かな。歌モノとしての声の感じ、ギターのナイロン弦を弾くメロディの感じ、そして爽やかさ。嬉しくなれるナンバーだ。

Duke Pearson / The Right Touch

 本日も続けてピアニスト。デューク=ピアソンの67年のブルーノート作品。No.4267。
 本来ならば、ピアソン作品では「Sweet Honey Bee」が大好きなので、紹介するならまずそちらからと思っていたのだけれど、どうやらアナログが広島にあるらしく、ちゃんと聴いて文章を書ける、この作品をご紹介。
 さて、音ですが、8人編成と、コンボとしてはビッグバンドに近い感じで、5管なので、それだけを聞くと豪勢だなーって感じだけれど、逆に8人なのにえらくシンプルな演奏だなぁって感じもある作品となっております。
 曲的にもゆったりくつろぎナンバーが多く、ピアソン名義な作品だけに、ピアノがとても気持ちよろし。しかし、サビな部分では5管が分厚いアンサンブルを奏でてくれてて、とっても豪華でもあったりする部分がまた面白い。
 好きなのは一番ムーディーな「My Love Waits」。リズムがちょっぴりボッサな感じでホーンも控え目。それだけにピアノが一層引き立った嬉し泣きな1曲。
 ピアニストとしてのピアソンがとっても好きで、彼の演奏はバラードでもラテンな感じでもいつも華があるイメージがある。
 ジャケ的にもこれは地味だけれど、なかなか豪華でありつつ、静かでもあり、とっても楽しめる1枚。

Red Garland / The Last Recording

 ジャズピアニスト、レッド=ガーランドの83年のタイトル通りラストのレコーディング作品。ちなみに2もあります。
 ガーランドと言えば、数多くの名作があり、マイルスのコンボでも活躍していた時期もありで、色々紹介したい作品は多い。しかし、この作品は日本盤のみのリリースで、しかも晩年でもあり、凄く地味な作品。
 まあ、たまたまサンプルで持ってるというのもあるけれど、このラストな作品の良さというか、聴いててイイっていうのは、楽しいんである。
 この作品の中で一番なというか、帯にも書いてある定番な名曲「My Funny Valentine」がしみじみ気持ちよく聴けるんで、知らない方でも聴いてみよう!ってなる音だとは思う。
 しかし、このアルバムで1番好きなのは「Wonderful Wonderful」。この奏法というか、楽曲全体の雰囲気は全盛期のガーランドそのものである。
 83年録音だけれど、リリースは95年。日本の地味でマイナーなレーベルから。この頃はジャズの発掘ブームみたいな感じで、そんな録音あったんだ、っていう有名なアーティストの秘蔵盤みたいな作品がたくさん出てた時期。そのまま、これまた地味になくなったレーベルもたくさんあったけれど、こうやって、様々な音源が聴けるというのはいいことだ。現在は最初のリリースとは違うレーベルからジャケも違って出てたりする。
 これ、久々に聴いたけれど、他のガーランド作品も聴きたくなってしまった。アナログを引っ張り出すとしよう。

Miles Davis / Doo-Bop

 マイルス=デイヴィス、92年リリースのレコーディング作品としては一応ラストの作品。
 ここでマイルス名義の作品を紹介するのは初めて。初期の作品から結構な枚数をもっているのだけれど、実のところ、そんな好きなミュージシャンではない(笑)。
 あ、ダメというのではなくて、カッコイイとは凄く思う。ジャズ的な視点で見ても、いつも一歩先に行っているし、巨人であることは言うまでもない。ただ、トランペット奏者としては他に好きなミュージシャンがいるということで。
 さて、この作品、ヒップホップというか、ブレイクビーツというか・・・、ジャズではないという声もたくさん聞くけれど、間違いなく、マイルスの音である。
 とにかく、マイルスが生きていた時の最期にやりたかったスタイルがこの音なんだ、ってよく分かる音なのだ。ミュートペットはもちろんいつもの彼の音、というか、最期の彼の音だ。
 色々マイルスについて語り出すと、詳しい方々も賛否のあるアルバムであるし、どうにでも言うことが出来てしまうので、言うのもよしましょう。
 素直に、ええなぁ、カッコイイわー、って聴ける作品。先入観とか持たずにね。
 最初に書いたように、そこまでマイルス好きではないので、たくさん持ってても、あまり聴かないのだけれど、たまーに聴くとさすがはマイルス、外しはありません。もちろんこの作品も。

Allen Toussaint / Southern Nights

 ニューオリンズのミュージシャン、アラン=トゥーサンの75年の代表作的1枚。
 実のところ、かなり昔から持ってはいるのだけれど、じっくり聴いたことがなかった作品でもある。もともと、姉が持ってたものを、事実上奪ったカタチとなってます。
 で、初めてのように、本日じっくり聴いてみた。バックの演奏のほとんどが、大好きなミーターズなのもあり、やっぱり好きな音。
 ニューオリンズ的な音とも言えるけれど、うーん、何と言えばいいのだろうか、サザンソウルな感じ!?逆に分かりやすいようで、単にもっともらしい気がするだけな表現だけれども。
 好きなのはタイトルナンバーである、「サザン・ナイツ」かな、やっぱり。ゆったりと、キレイなピアノが印象的な1曲。ヴォーカルにはかなりエフェクト処理が施してあるから、アランの声を堪能するべきナンバーではないけれど、メロディがいい。
 これに続く「You Will Not Lose」のこれまたピアノのリズムとメロディが面白くて好きな感じ。東京No.1ソウルセットのサンプリングに出てきそうな雰囲気を持った曲だ。
 全体のバランス的に色んなタイプの楽曲があり、アランの声も細いけれど、味があっていいし、ミーターズのバックのサウンドはしっかりしてて安心して聴ける。
 今後良く聴くだろうなーって作品。名盤であります。

Rosa Luxemburg / Puripuri

 ローザ・ルクセンブルグ、86年の1stアルバム。うーん、これだけではパッと来ない人が大勢いるかも知れない。今は亡きどんとの率いたバンド。
 まだ、どんとというのは愛称で本名である、久富隆司というクレジットで活動していた時代だ。ボ・ガンボスで一緒にやってた永井利充もこのローザに居た。
 で、このバンドの活動時期に自分は中学生だったのだけれど、ちょうどギターを始めようとしてた時期で、ここの玉城宏志というギタリストのプレーには非常に影響を受けたというか、最初にギターのフレーズを必死になって聴いてたアルバムなんである。
 サウンド的にはロックであるが、ソウルフルでもある。ファンクな部分もたくさんあるし、「在中国的少年」という曲では、名前の通り、チャイナ的でもあって、ミクスチャーな音であって、面白い。
 もう一つ、チャイナなタイトルで「北京犬」というのもあるのだけれど、これはギターのカッティングが大好きなナンバーである。
 一番好きなのは「だけどジュリー」かな。メインヴォーカルを玉城宏志がとっている、優しい曲だ。ギターがまた簡単なようでカッティングが面白い。ニューウェイヴな曲だ。
 このバンドを好きになったのは姉の影響で、方やどんと派で、こちらは玉城派って感じかな(笑)。で、自分でアルバムも持って無くて、学生時代以来しばらく聴いて無かったのだけれど、5年前位に無性に聴きたくなって、買ってしまった。それ以降は、たまに聴いております。

Port of Notes / Trace of Dream

 ポート・オブ・ノーツ、先月末にリリースされた、作品として3年ぶりとなるマキシシングル。
 3年ぶりではあるけれど、畠山美由紀ソロだとか、色んなユニットやゲスト参加で彼女の声はよく聴いていたので、そんなに出してなかったのかーって感じもある。
 しかし、このポート・オブ・ノーツの久々な作品、聴く前にジャケで驚いてしまった。まさかこんなイラストで来るとは思ってなかったもので。
 で、音であるけれど、やっぱりポート・オブ・ノーツだなぁというのが素直な感想。ソロとか他での音とは違う。安心出来るというか、一番聴いてきてる音だって感じ。声はもちろんどの楽曲をバックにしても畠山美由紀の素晴らしい嬉しくなれる声であるには間違いないのだけれど。
 タイトル曲である「Trace of Dream」は1stアルバム的な音だ。ポラリスの坂田学が参加してたりする。久々にポップなナンバーで清々しい。
 で、やはりというか、とっても嬉しかったのがラストの「Minha Mulher」。カエターノのカヴァーで、「まぁ、この曲カヴァーしてくれましたか。ありがとう!」な1曲。
 シングルだけれど、それでも十分堪能出来るけれど、はやり久々に新しい音を聴いてしまうと、もっとって思うし、アルバムのリリースが待ち遠しくなる。

Soul-Cialist Escape / Lost Homeland

 以前紹介した元ニューエスト・モデル、現ソウルフラワー・ユニオンで活動を続ける、中川敬の98年リリースのソロプロジェクト作品。
 彼の作品、バンドにしてもソロにしても関わっているものはいつも傍にあって、絶えずどれかをよく聴いている。サウンド、声も大好きなのはもちろんであるが、歌のある音楽を全部含めて、一番歌詞もじっくり聴くアーティストでもある。
 で、ソウルフラワーをベースとして活動してはいるけれど、かなり幅広いアーティストともいろいろ作品を残している中で、ソロのアルバムはこの1枚だけ。アイヌに沖縄、アイルランドなど、様々な民謡的音楽とジャズ、ホント多彩な音が混ざり合った、極上のロックンロールアルバム。
 中川作品として1番有名でガガガSPも演奏してた「満月の夕べ」やアルバート=アイラーの名曲「Ghosts」のチンドンヴァージョンである「Ayler Ching-Dong」、サム=バネットが歌うとってもキレイなサムの曲である「Gone」なども収録され、実に面白い作品である。
 「満月の夕べ」は数々のアーティストによって演奏されてるし、ソウルフラワーとしても数ヴァージョン存在するけれど、このアルバムに収録されているモノが大好き。
 この1曲として選ぶなら「潮の路」だ。嬉しい気分で満たされつつ、とっても元気になり、表情もニコニコになれる。この作品も何度聴いたか分からない、マストすぎる1枚。

O.S.T. / Yuri

 映画「ユーリ」のサウンドトラック。96年のリリース。
 いしだ壱成と坂井真紀の主演した映画でタイトルにもなっている冷蔵庫「ユーリ」がポイントになる作品だったような気がするけれど、観てはいない。映画よりもこのアルバムが藤原ヒロシ作品であるということが大きい。
 昔も何度かどこかに書いているのだけれど、藤原ヒロシという人の生み出す音が大好きである。ファッションとか色々多趣味である部分にはそこまで注目していないけれど、とにかくキレイな音を作る人だ。
 サウンドトラックであるからして、映像に合わせて作られているのはもちろん理解しているが、何人か観た人の感想では面白くないらしい・・・。しかし、素直に音だけで、涙が出るような嬉しさに襲われる曲の詰まった1枚であることには間違いない。
 初回のパッケージは3種類あったのだけれど、全部持ってたりもする。1つしか開けなかったけれど。
 イチ押しというか、これ聴いて泣いてくれ!作品として、4曲目の「My Emotion」をお送りします。メロウでスウィートで切なくて嬉しいナンバー。この曲から様々なことが始まって、今に至ってるってこともたくさんあったりする思い出の曲。いや、思い出というよりも、今もしっかり聴いてるし。
 そんな大切な曲もあり、これからもずっと聴いていくであろうアルバム。

Combo Piano / Another Rumor

 作曲家、渡辺琢磨のソロプロジェクトである、コンボ・ピアノの2001年リリースの3枚目となる作品。レコーディングは2000年。
 キップ=ハンラハンによるディレクションでニューヨークの素晴らしいミュージシャンが多数参加し、現地でのレコーディングも行われた作品。
 このアルバムの音を何と表現すればよいんだろうか!?この作品からレーベルもeweに移籍しているので、このレーベル知ってる方なら、そこが出す感じの音!っていうのでご理解頂けるかと・・・。最初に書いたキップ=ハンラハンと同じです。
 素直に聴いた感じで言うとアヴァンギャルドでアンビエントでジャジーな雰囲気。何とも素敵なサウンドです。
 買って以来、ほとんど聴いた覚えがなくて、最近これまた棚の奥から発掘されて、聴いてみると、今聴きたい感じのラインナップにストライクなサウンドで、すっかりヘヴィーローテーションとなっております。
 ユニット名の通り、ピアノがたいへん美しいのと、ヴァイオリンをはじめとする、ストリングス系楽器の壮大さ、そして、絶妙に刻みを重ねるパーカッションの小気味よさが心地よく、フワーっとした開放感をもたらしてくれる。
 どの曲が1番というより、作品全体を通して聴いていたいアルバムだ。昨年出た「AGATHA」も良さそうなのにまだ聴いてないから、早く聴きたい。
Another Rumor

Kenji Ozawa / Kyutai No Kanaderu Ongaku

 小沢健二、96年のソロ3枚目のアルバム。
 このアルバムもCDのラックの奥にひっそりと納められていた。本日、とてつもなく聴きたくなったので、紹介。
 オザケンの作品の紹介は順番に早くも3つめであるが、もちろん全部好き。「天気読み」の1st、1番聴いたしヒットもした2nd。で、この3rdだけれど、これも自分の持っているさまざまな作品に比べたら、かなりよく聴いたアルバムではあるけれど、オザケンの作品としては1st&2nd程は聴いていない。それでもアルバムとしてどれ好き?となると、この作品を選ぶと思う。
 ジャズを連想させるアコースティック楽器やホーンの組み合わせが気持ちいい。録音の状況は知らないけれど、スタジオセッションのような音の構造で、立体感のある感じがして何となく微笑ましくもなる。
 一番好きなのは最初の曲であり、タイトル名も好きな「ブルーの構図のブルース」。いまだにこのタイトルすげーなって思う。
 アルバムとしては8曲でブレイクのような曲が2曲あるんで、とっても短いのが惜しいのだけれど、とっても良質なポップミュージック。じっくりゆっくり、いつまでも聴いていたい作品だ。

Tomoyo Harada / Blue Orange

 原田知世、98年のトーレ=ヨハンソンプロデュース3作目に当たるアルバム。
 久々に彼女の曲というよりも、トーレサウンドが聴きたいなーと、CDラックを物色していたら、このサンプル盤に遭遇。早速iTunesに取り込んで聴くとしてみた。
 原田知世というと、もうかなり昔の「時をかける少女」ですが、シンガーとしての彼女というのですぐにイメージするのはやっぱりトーレ作品になった90年代後半である。
 アルバム「クローバー」と「I could be free」の印象の方が強いのだけれど、曲としてすぐ思い浮かぶのはこの作品の最初のナンバーである「自由のドア」なのであった。なぜなのか定かではないけれど、凄く個人的に印象的な曲となっている。
 この作品の注目点としては、全曲彼女の作詞って部分。注目と書いておきながら、ブックレットを開くまで思い出せなかったのだけれど・・・。
 最近もCMにも出てたり、歌も歌っておられる彼女だけれど、声の細さと高さがツボ!ではないけれど、結構好き。ある種の楽器のような声である。何の楽器だ!?って問われると困るけれど。
 とってもしっとりとした好盤。ゆったりと聴けて、心がとっても和みます。

Robert Johnson / The Complete Recordings

 ロバート=ジョンソンの29年の作品。ブルース系では最古の録音とか言われてたっけ!?
 この作品がCDとしてリリースされたのは90年。クラプトン絶賛で一気にメジャーな作品となり、いまでは定番なアルバム。
 ジャケの写真もいかにも古くて、聴けば音はもちろん古いだけあって、かなり汚いけれど、ギターと歌のリアルな感じがまたたまらない。
 しかし、だ。このジャケ写真、ホントにロバート=ジョンソン本人なのか定かではないなんて話もあったっけ。確かに古い録音が発見され、その頃の情報も現在と違ってはっきりしないんだから、うなずける話だ。
 さてさて、このアルバムは2枚組なのだけれど、ディスク1が東京にあって、ディスク2は広島にあったりする。なぜかは自分でも記憶にない。とはいえ両方とも同じ位聴いてなかったりするけれど。
 ラグタイムなギター奏法とファルセットっぽい歌声は久々に聴いても震える感じでカッコイイ。でも、全部聴くと、正直同じ感じの音が続いて飽きるというのもある・・・。
 それでも、貴重な歴史の記録のような作品であるし、聴けば、イイ感じであるのは確か。まあ、同じ曲の別テイクみたいなのが続いてるから、単調なのはしょうがなし、ということで。
 この作品の凄さ・古さ・貴重さ、ブルース的な意味とか、いろんなサイトで語られてるので、そちらを参考に。とにかく、聴いて、そして、それぞれで体感してみて欲しい作品であるのは間違いなし。

Bill Laswell / Emerald Aether

 ビル=ラズウェル、ケルト音楽を大々的にフィーチャーした2000年の作品。
 元々ロッカーでベーシストな彼ですが、近年はフリーっぽいジャズや様々なアーティストのプロデュースをしたり、特に最近はアンビエントな作品をたくさんリリースしておられます。
 この作品の前後ではこの作品がケルトであるように、気になる地域の音楽をアンビエントに仕上げるって感じの音を連発してた時期。この作品とキューバにスポットを当てた作品はよく聴いたなぁ。
 さて、音の方はいかにもアンビエントって感じの暗い重い音ではなくて、透き通るようなさわやかというか心洗われる雰囲気のサウンド。曲によっては打ち込みのビートがヒップホップっぽいモノと組み合わさっているのもビルらしい感じでよろし。
 何より、ケルトというかアイルランド!という楽器のフィドルとバグパイプがふんだんに使われていて、それが当然のように特徴的でもあるし、電子サウンドと一緒に奏でられることによってより壮大なスケールをもたらしてくれている。
 こんなことを言いつつも一番好きでよく聴いたのはたった48秒の曲である4曲目の「We Dreamed Our Dreams」。これはアコギだけのとってもシンプルなインスト。やはり生なギターは大好きってことだな。
 それに続く5曲目の「Wendel'S Wedding」も同じ雰囲気でギターの上にケーナのような笛(名前ど忘れ)の音がこちらはとってもケルト的なナンバー。
 アルバム全体に一体感があってホワホワした感じ。

Pedro Ruy-Blas / The Best Of Dolores

 スペインの、ペドロ=ルイ=ブラス率いるドローレスの70年代の5枚のアルバムから選曲されたベストアルバム。2001年リリース。
 リリース当時に買ってたにも関わらず、すっかり忘れていた作品だ。プログレちっくだと聞いていたけれど、とってもジャズであり、ファンクっぽい。クラブシーンでの再評価あってのこのベスト盤のリリースと至ってるみたいだけれど、その象徴的な曲であり、1曲目に収録されている「El Jaleo」ペドロのスキャットとフルートが心地よく、スピーディーなナンバーで踊れる。
 しかし、この感じが2001年当時はちょっとテンポ的に速すぎたんであんまり聴かなかったという記憶がある。
 で、久々に取り出して聴いてみると、全然好きだ。何でずっと聴いてなかったのだろう!?って不思議に思える位に。
 ジャズ、ファンク、フュージョン、フラメンコ、サンバ、フォーク、ざっとこんな感じの音が入り乱れている感じ。まあ、ジャンル分けする意味が無いってことだ。
 一通り聴いて思い出したけれど、9曲目の「Hubo Una Vez Un Hombre」は大好きで1番聴いていたんだった。歌モノでちょっと涙の出そうなフォーキーなナンバー。確か、選曲してた番組でも流した。
 ベストよりオリジナルを!って言ってるが、この作品もベスト盤だね。今はオリジナルアルバムも普通に買えるのか調べていないけれど、買えるなら欲しい。これは偶然試聴して「イイ」って思って買ったんだったなぁ。

Coco Schumann / Coco Now!

 ドイツのジャズギタリスト、ココ=シューマンのカルテットによる99年のクラシカフェスティバルでのライヴ録音作品。
 あのー、彼のことについてはサッパリです。ホント、ドイツのギタリストくらいの知識で。ちなみにCoco Schumannで日本語検索してみれば分かると思うのですが、クラシックはロマン派の作曲家、シューマンばっかり出てきます。Cocoという文字列も、クラシックの得意なコロンビアレコードの品番にCOCO-0000みたいなものがたくさんあって。
 さて、音ですが、ゆる〜いジャズです。スタンダードナンバーとボッサを聴かせてくれます。「A列車で行こう」、「ジョージア・オン・マイ・マインド」、「枯葉」など、抜群にスタンダードナンバーがあって、「ワン・ノート・サンバ」、「イパネマの娘」「黒いオルフェ」等、これまたスタンダードなボッサなナンバーもある。
 フルアコのフロントピックアップに思いっきりリバーヴを効かせた彼のギター音はフワフワでよろし。このカルテットはジャズよりもボッサの方が向いている気もする。
 そういう訳でお気に入りはボッサで、ナベサダっぽいサックスがちょいとフュージョンちっくでもある「ワン・ノート・サンバ」。ドラムのハイハットの刻みとリムショットがとっても気持ちいいし。ジャズ側でだと、歌が渋くてテンポもいい「Day By Day」かな。フルート入ってるし。
 結構オッサン好みな音であるような気もするけれど、ちょっとブレイクしたい、って気分の時にはちょうどよい。

Hanaregumi / Hibi No Awa

 ハナレグミ、2004年の2ndアルバム。
 リリース当初は当り前のようにヘヴィーローテーションだったけれど、しばらくするとまた以前ここでも紹介した1stを聴く頻度の方が上がってた。
 で、最近は聴いていなかったのであるが、先日、というかおととい、フジテレビ深夜のドキュメンタリー番組「Nonfix」にて「ぼくらはみんなハゲている」という回で「さらら」がメイン曲として使われているのを聴いて、またどうしようもなく聴きたくなったのであった。
 先ほども記したように1stは自分にとって衝撃的な作品であったので、ホント、数えきれない程聴いたし、大好きである。この2ndはもうハナレグミサウンドというものがよく分かっているのもあって、イイ作品だし好きなんだけれど、こんな感じだな、って具合で聴いて、しばらく聴かなくなっていた。
 しかし、しかし、その番組をきっかけに昨日今日とじっくり聴くと、1st以上に奥が深くて聴けば聴く程、心に響くなーって思えるようになってきた。
 よく名曲だ!って時に使う「涙が出る程の嬉しさに襲われる曲」という表現ではなく、似ているが「泣ける程の優しさに包まれる」作品である。
 最初の頃はシングルカットされている「レター」とかが良かったけれど、今はさっきの言葉にもピッタリな「心空」がツボ。ホントに泣きそうになってしまう。優しい。 日々のあわ

V.A. / Mercedes-Benz Mixed Tape

 本日はちょっと番外編で。もう一つのブログにも書いたのであるけれど、自動車のメルセデズベンツのサイトより。
 「Mercedes-Benz Mixed Tape」と題して、コンピレーションな感じでエレクトロニカなサウンドを聴けるというもの。なかなかMP3としては上質な音で心地よいです。
 しかも、それだけではなくて、全15曲60分を超える作品を丸ごとダウンロード出来るのだ!完全フリーなダウンロードパッケージが提供されているのである。
 90MB以上あって結構デカイけれど、パッケージとしてダウンロード出来るというだけあって、CDに焼いて持ち運べるように、ジャケットのPDFまで付いてくる。しかも裏ジャケまであるし。
 それだけではない。今後もこういうシリーズを続けていくようで、楽曲を募集している。よい作品であれば、次のパッケージに誰でも登場できるかも知れない。
 まだ聴いてる途中で、アーティストや曲名さえもちゃんと把握してない状況で、今まさに聴きながらこの文章も書いている。いつもの買って聴いてね!みたいなのではなくて、このサイトを見ることができる方であれば誰でも聴けるし、ダウンロードして、自分のライブラリーの1枚とすることも出来るというのがまたイイなと思って。
 こういうカタチのパッケージを自動車メーカーであるメルセデスがやってるってのもニクいし。是非聴いてみて下さいな。
 音的には最初にも書いたエレクトロニカな打ち込みモノ中心でインスト、歌モノいろいろあります。ホント、楽しいサイト&音みっけ!って感じの嬉しい夜で、みんなに教えたくなったので。