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Jimmy Cliff / In Concert

310.jpg ジャマイカのシンガー、ジミー=クリフの76年のライヴアルバム。鬼の名盤です。
 ライヴ盤でありながら、代表曲、ヒット曲を網羅したベスト盤でもあります。以前ここでも紹介したサントラ、「The Harder They Come」から泣きの名曲「遥かなる河」、そして90年代にボン・ジョヴィもカヴァーしたキャット=スティーヴンスのこれまた名曲「Wild World」など、ホントよく知られた曲のオンパレードであります。
 ジャマイカ、レゲエ、シンガーというと確実にボブ=マーリィってなるんでしょうけれど、もちろんボブはボブで良しとして、ジミーさんも欠かせない、と。個人的にはレゲエなアルバムとして大好きで一番よく聴いているのがこのアルバムだと思う。
 基本的にライヴ盤ってあんまり好きではない、と以前何かの紹介の時に書いたこともあるけれど、このライヴ盤は別格で好き過ぎです。ホントに嬉し泣きとはこのアルバム!って言っていいです。
 レゲエとくくってしまうよりも、ポップなアルバムって紹介した方がいいと思うし、ジミーさんはとってもエンターティナーなんであります。歌詞とかはボブに負けず劣らす強烈なインパクトを持っているのに、この楽しさは何だ!?ってな具合です。
 現在ジミーさんの作品で流通してるものはほとんどがベスト盤ばっかりで、この盤同様に70年代の作品ばかりスポットライトを浴びてはいるけれど、90年代に入ってからの作品とかはメッセージソングの嵐だったりもします。
 とにかく、色々語るよりも聴いて頂きたい。素直に一家に一枚な作品だと思っております。特に好きなのはジワジワと盛り上がる静寂のグルーヴなサウンドをした「Sitting In Limbo」。嬉し過ぎて大泣きです!

Dave Barker / Prisoner Of Love

 ジャマイカのシンガー、デイヴ=ベーカーがアップセッターズをバックに歌う70年の作品。
 ベーカーさんの作品というのはそんなに聴いたことないのだけれど、やや高音めな声でテキパキ歌いつつ、シャウトしまくる!って印象がある。このアルバムもまさにそう。
 しかし、この作品はアップセッターズの演奏、いや、リー=ペリーのディレクションが素晴らしいという作品だと思う。
 リー=ペリーといえば、ダブなんかで、狂った作品を生み出す天才というイメージが多々あるとは思うけれど、60年代後半から70年代初頭にかけての、アーティスト活動というよりも、ディレクション&プロデュースを中心に作品を量産していた、ちょうどこのアルバムのような音が大好きだ。
 リズム隊、オルガン、歌のバランスが絶妙なロックステディが今の季節にもピッタリでとっても気持ちがいい。
 ディランの「風にふかれて」やテンプテーションズの「Runaway Child」などのカヴァーもあったりで、楽曲的にも面白い。
 元々スカが大好きなので、最近のダンスホール系やダブなどよりも、レゲエ!ってなるちょっと手前のロックステディ的歌モノまでが個人的にはジャマイカサウンドとしては心地よく聴けるラインというのもあって、このアルバムはよろし。

Jackie Mittoo / Reggae Magic!

 ジャマイカのキーボーディスト、ジャッキー=ミットゥの72年カナダで制作されたアルバム。
 オルガンサウンドのレゲエといえばジャッキーってくらい有名だし、名盤ともいわれるアルバムです。オーケストラとオルガンの共演がすごく壮大で心地よい響きをもたらしてくれてます。ほとんどが彼のオリジナル曲であるが、ギルバート=オサリバンの名曲「Alone Again Naturally」や「Only You」で有名なプラターズの「Smoke Gets In Your Eyes」といったポピュラーな曲もオルガンの温かいテイストでカヴァーされてます。
 この欄の最初に紹介しているエリス=レジーナの作品もそうだけれど、オーケストラをバックにした豪華な演奏というのが大好きなのであります。オーケストラのみの作品は得意じゃないけれど・・・。
 余談でこの作品にはカナダ国内向けの別ジャケット仕様というのも存在します。