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Robert Johnson / The Complete Recordings

 ロバート=ジョンソンの29年の作品。ブルース系では最古の録音とか言われてたっけ!?
 この作品がCDとしてリリースされたのは90年。クラプトン絶賛で一気にメジャーな作品となり、いまでは定番なアルバム。
 ジャケの写真もいかにも古くて、聴けば音はもちろん古いだけあって、かなり汚いけれど、ギターと歌のリアルな感じがまたたまらない。
 しかし、だ。このジャケ写真、ホントにロバート=ジョンソン本人なのか定かではないなんて話もあったっけ。確かに古い録音が発見され、その頃の情報も現在と違ってはっきりしないんだから、うなずける話だ。
 さてさて、このアルバムは2枚組なのだけれど、ディスク1が東京にあって、ディスク2は広島にあったりする。なぜかは自分でも記憶にない。とはいえ両方とも同じ位聴いてなかったりするけれど。
 ラグタイムなギター奏法とファルセットっぽい歌声は久々に聴いても震える感じでカッコイイ。でも、全部聴くと、正直同じ感じの音が続いて飽きるというのもある・・・。
 それでも、貴重な歴史の記録のような作品であるし、聴けば、イイ感じであるのは確か。まあ、同じ曲の別テイクみたいなのが続いてるから、単調なのはしょうがなし、ということで。
 この作品の凄さ・古さ・貴重さ、ブルース的な意味とか、いろんなサイトで語られてるので、そちらを参考に。とにかく、聴いて、そして、それぞれで体感してみて欲しい作品であるのは間違いなし。

Muddy Waters / Folk Singer

 ブルースの巨人、マディ=ウォーターズの64年の作品。チェスより。
 マディの名盤と言えば、ライブ系の録音作品が有名というか、カッコイイ!って感じで、聴くにも興奮できるモノが多い。
 この作品はそういうのに比べると若干地味なアルバムだ。最小限の楽器でのスタジオ録音。で、妙に音全体にリヴァーブが効いている。
 とにかく、ほとんどがギターと歌なタイトル通りフォーキーな1枚。さっきも書いたリヴァーブがホント凄くて、鳴ってる音はシンプルなので、アンビエント作品のような感じさえある。
 この辺りのブルース的というよりも、少しの異質性がある所が好きな部分でもある。楽曲はほとんどがマディ自身の作品によるもの。作曲者の名前の欄にマッキンリィ=モーガンフィールドって書いてあって、最初は誰?って思ったこともあるけれど、マディの本名でした。
 アンビエント的であり、フォーキーな音だけれど、やっぱりマディの歌う作品はブルースである、というのは異議なし。ブルースにもこういう多様性があるって部分が聴ける、そういう捉え方もできる作品だ。
 マディもライブ映像必見のブルースマンである。

Buddy Guy / I Was Walking Through The Woods

 ブルースマン、バディ=ガイの名作と言える70年の作品。録音は60年から64年にかけて。チェスレーベルからのリリース。
 歌う時のシャウト感が大好き。それとギターを弾く姿、特にソロの時の苦悶にも似た表情で必死に弾いている彼の姿はカッコイイ。
 1曲目の「Watch Yourself」はすこぶる痛快なナンバーでノリノリな気持ち良さがある。全体的にまさにブルース!な1枚だけれども、よく表現される、ブルースとは悲しみの音楽的なものとはちょっと違うかなとも思う。
 確かに、悲しみも喜びもある。それプラス、能天気さというか、楽しい!ってのが大きいのが彼の演奏にはあるなーって感じる。何より、聴いてて楽しいから。
 サウンド的には、歌とギター、これはやはり最大のポイントになってはいるけれど、その脇からイイ感じ流れてくる、ピアノとホーンの調べが素晴らしいというか、ナイスなのである。
 ラグタイム時代のインストや弾き語りスタイルのブルースも好きではあるが、こういうビッグバンドスタイルのブルースが大好きだ。ジャズもいいけれど、ブルースの人間臭さというか、「俺達、音出してるぜ!」的な人力感が十二分に伝わってくる。
 ブルースはライヴもイイ。生が一番だけれど、映像でもCDなどの音だけとは全く違った臨場感があるので、観て欲しいな。何よりホント楽しいから!