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sutero choice sound selection

Psapp / The Only Thing I Ever Wanted

Psapp / The Only Thing I Ever Wanted  ロンドンをメインに活動する男女二人組、カリム=クラスマンとガリア=デュラントのサップ、今年の5月リリースの2ndアルバム。1stの時もここで紹介していて、ピコピコフワフワエレクトロニカって感じでとっても好きなんであります。
 今回、一番驚いたのは、前回は確かプサップって紹介したし、自分でも「Psapp」って書くのだからプサップって読んでいいのだろう、と、疑いもしてなかったんですが、どうやらサップと読むみたいです。2年近く読み方間違えていたのかーって、そこに一番ビックリしてしまいました。
 今作は基本、1stの延長上のアコースティック楽器を駆使したエレクトロニカって部分は一緒だけれど、歌モノとしての楽曲のバランスというか、メロディがより歌に力入れてるなって感じられます。
 何よりも、ますますガリア=デュラント、彼女の歌声がキュートになってて、聴いてると自然に笑顔になってしまう優しさに溢れている。
 今回、レーベルが今エレクトロニカ系で人気のドミノレコードからのリリースとなってて、それに加えて日本盤で丁寧に解説も沢山書かれてたりもして、初心者にも聴く前に背景を掴むのにもいいのではあるけれど、アルバムを聴いてしまうと、解説はともかく、じっくりのんびりと、ただ音に浸っていたくなるんですね、これが。
もちろん、さっきも書いた背景を知ったり他の関連するアーティストとかを探したりして、知識的にもより深く入り込んで聴いて行くのも面白い作業でもあり、好きになれば自然とそういうのを求めていくものだともおもうけれど、この2ndを最初に聴いた瞬間に、そういうことは後回しにして、今はただ、とにかく、この心地よいサウンドに耳を傾けていたい、と、心から思えた作品であります。やっぱりPsappサイコー!

Kenji Ozawa / Ecology Of Everyday Life

367.jpg 小沢健二、4年ぶりとなる今年3月リリースの今のところの最新アルバム。
 今年に入ってからオザケンの新作が出るって情報は仕入れてて、発売後すぐに買ったのではありますが、聴いての最初の感想は「これなに!?」だった。良い悪い、好き嫌い、とかそういうのではなく、純粋にオザケンの新作って身構えで聴いて、予想を遥かに超えた音が飛び出して来たので驚いた、と。
 全曲インストで優しいけれどバリバリのエレクトロニカサウンド。世代的にフリッパーズ〜ソロ、特に「Life」の印象モロであるだけに、変化と進化を続ける小沢健二という認識は鬼のようにありつつも、新作ってなると、無意識的に90年代の音の感覚が甦って来るものであります。
 このアルバムを聴いてしばらくしてから知ったのだけれども、オザケン、このアルバムと連動する童話も書いておるんですね。それを知ってなるほど!って思いを強く持ちました。オフィシャルサイトに掲載されてます。ちなみに文章は全て画像で掲載されてたりするにも関わらず、ブログ形式ってなってます。
 さてさて、ようやく楽曲の方へ行きましょうか。ひと言で括るとすれば、「最近のその辺の腐るほどリリースされている訳分からんエレクトロニカモノより全然イイ!」と。音数が比較的少なめで洗練された印象プラス、とっても聴きやすい。打ち込みなんだけれど、人が作ってるって雰囲気も漂う。
 一番のお気に入りはタイトル曲である「毎日の環境学」。理由は単純で、大好きなソプラノサックスにエレピ、木琴等の高音フワフワ系が満載だから(笑)。
 音的に既にいわゆる90年代のオザケン!ってことを意識させてはくれない、この今な音が逆に今の小沢健二らしいなっぁーって思いつつ、そんなことこれっぽっちも意識下にありゃあせんわい、って方々を含め全ての人々にオススメできる良質のエレクトロニカなアルバムでございます。

The Lonesome Organist / Collector Of Cactus Echo Bags

355.jpg キーボードプレイヤー、ジェレミー=ジャコブセンによるソロユニット、ザ・ロンサム・オーガニストの97年リリースの1stアルバム。
 連日のスリルジョッキー作品の紹介となってますが、昨日のアイソトープ217°のアルバムと揃ってCDラックの同じ場所で長きに渡って眠っていたのを一緒に取り出したのもあり、これまた久々に聴いてみるかいなぁーって流れでございます。
 ジェイミーの経歴というか、どこの人!?っていうのは、一応Five Styleってインストなバンドのメンバーで、オモロイからソロ出す、って感じだったんだろうけれど、現在このバンド活動してるのか?そして、このザ・ロンサム・オーガニスト名義でもまだやってるのかどうかっていうのは知りません。
 とりあえず、ロンサム〜では3枚アルバム出てたなぁ。キーボード奏者というのがメインだけど、ソロでは収録されてるほぼ全ての楽器を巧みに演奏できるマルチなプレーヤーでもあったりします。歌も歌うというか絶叫されております。
 音的にはホント遊園地のような、楽しくて面白い音の洪水な感じ。1曲目の「The Lost Oar」のイントロのトイ・ピアノの音から楽し過ぎ!1枚のアルバムに26曲も入ってるのに(日本盤のみ)トータルタイムは48分半程度と、2分前後の曲が嵐のように続きます。
 ディキシーランドっぽかったり、ロックやロカビリー的なのもあったり、嬉しい感じのバラードのような曲もあり。やりたかったり、閃いた音を速攻で表現している雰囲気も感じ取れるし。
 どれも短い曲ばかりでこの1曲!っていうよりもアルバム通してザッと聴くのがやっぱり楽しいんだけれど、そんな中でも1番印象的なのは、スティール・パンでレゲエのようなリズムを取りつつ、マンドリンの音がとっても美しい「Swarm Of Bullets」って曲。
 1人で様々な楽器を巧みにこなし、人力感ってイメージがピッタリでもあるのだけれど、やっぱりエレクトロニカ的な打ち込みだったりのテクノ感を感じてしまうのが、スリルジョッキーからリリースされてるってことだわなぁ。

Isotope 217° / The Unstable Molecule

354.jpg アイソトープ217°の97年の1stアルバム。
 いわるゆシカゴ音響派と言われていた流れのユニットというかバンドですな。メンバーの3人はトータスのメンバーでもあるし。ということで、レーベルはもちろんスリルジョッキー。
 発売してすぐ買った記憶があり、その頃はシカゴ音響系好きだったのにもかかわらず、そういう中で一番聴かなかったというか、聴けなかった作品(笑)。で、これまたどうしてって感じで7年ぶり位に聴いてみると、大好きなラインではありませんか!
 結構しっかりしてたり、グルーヴィーなリズムの上にホーン系が不協和音っぽく鳴り響きつつって感じの。で、節目節目でバッチリ合う、みたいな、そんな好きなノリであります。
 ジャケの絵も誰が描いてるか忘れたけれど、スリルジョッキーお決まりな雰囲気で、分かりやすくていいような悪いような。。。
 一番好きなのは「Beneath The Undertow」かな。一番ジャズっぽくあり、ロックっぽくもある。ホーンのアンサンブルが地味めに厚い音でよろし。
 あー、久々に聴く盤であり、そこまでじっくり聴けてもいないんで、もう書くことなくなってしまった。。。だけど、90年代というか20世紀の終わりのシカゴ系の音っていうのは、ひと括りにされることが多いし、自分でもそういうもんだ!って思ってた部分もデカいのだけれど、こうして、久々にちょこっとずつ聴いていってみると、全然ひと括りな音なんかではなく、すんごい様々なテイストが溢れまくっていて、面白い。
 結局、この頃、シカゴ系と言われていたその括りというのは、アーティスト的に何々のバンドやユニットで活動してる人が別の活動としてやってる面白い音的な感じで、そういう人達を辿ると人脈的な括りが似ている、ということかな。まあ、そういう意味では凄い地域です。

Tu M' / Just One Night

351.jpg イタリアの小さな村を拠点に活動しているEmiliano RomanelliとRossano PolidoroからなるユニットであるTu M'の先月リリースの作品。
 彼らについてはほとんど知らず、サイトを訪れてみると、何となく色んなユニットやレーベルなど、様々な活動をしているんだなぁって分かった程度。先月の初め頃にかなり珍しく、HMVに立ち寄った時に思わずジャケ買いをしてしまったという経緯のアルバム。
 この何てことはない様で思いっきりシャッタースピードを落とした普通の通りの夜景のキラキラ感にヤられてしまいました。
 聴いてみると、これまた何とも言えない絶妙な高音中心で風景を感じさせてくれるエレクトロニカサウンド。村が活動の拠点とは思えない都市なイメージを彷彿させてくれる。
 酷い言い方をすると、雑音にしか聴こえない場合もあったりするかも(笑)。しかし、この作り込まれた音はとっても繊細でヘッドフォンで丁寧に色んな音を聴き取り感じたくなってしまう魔性なサウンドでもある。
 打ち込みと楽器を駆使し、インプロヴィゼーション的な雰囲気を持たせつつもフワフワもしている。サックスだとか管楽器も色々と使われているけれど、要は不思議なリズムとリバーヴが心地良く効いたピアノの音でしょう。
 楽曲のタイトルも素敵というか好きな感じで、天候にちなんだタイトル名が多く付けられている。タイトル的に好きなのは「Rain In The Streets」とそれに続く「Rain Turning To Sleet」。この雨からみぞれへと続く変化が音的にも連続しているようで、徐々に寒くなってきているっていう臨場感がある。
 楽曲的に好きなのはラストを飾る「The First Rays Of The Sun」。もちろんタイトルも好きだし、一番壮大な雰囲気もあって、何気ない嬉しさが込み上げてくる。
 全体的にとっても静かなアルバム。真夜中に聴きたい感じもあり、冬の海にiPod nanoで連れ出して聴いていたい、そんな気分にもなってしまう作品。

Some Water and Sun / All My Friends Have To Go

337.gif 大好きな兄弟ユニット、スパノヴァの弟君であるShin Tasakiと、シカゴのレーベルHeftyの主宰者であり、Slickerとしても活動しているJohn HughesのユニットであるSome Water and Sunの今年6月リリースの1stアルバム。
 このブログにてyukieの1stを紹介した時にリンクもはって頂いているmi-napさんのコメントをきっかけに知って、店頭に並び始めた7月の頭頃に購入。それ以来結構よく聴く作品となっていたのではあるけれど、このアルバム、文章にするにはどう説明していいのやら!?って感じでようやく書いてみようという具合でございます。
 超簡潔に言ってしまえば、好きな感じのエレクトロニカで歌具合とyukieのコーラスのカワイイ声がツボということ。ただ、エレクトロニカ系な作品です〜って言い切るにはあまりにも色んな音やビートが凝縮されていて、とってもヴァラエティに富んだアルバムで、そういう部分がまたイイんである。
 サンプリングメインの楽曲で、ビートも面白く、かつ、しっかりしているし、個人的には初期スパノヴァをも感じさせるロックな音でもあるなぁって思う。それでもやっぱりこの軽快さというか、ポップなエレクトリック満載度というのは、John Hughesマジックというか、Some Water and Sunならではのこのユニット独特なサウンドであります。
 なんだかんだで、一番気になるのはやはりyukieのコーラスというのも正直なところで、久々に彼女の声が新しい作品としてリリースされたモノの中に収録されているという嬉しさの事実がデカいんですね、はい。
 アルバム中最もテンポのある曲でありアルバムタイトルにもなっている「All My Friends Have To Go」の彼女の声がコーラスとしてのyukieらしさを思い出させてくれました。
 でも、ホント一つの作品としても楽しく長く聴けてしまうアルバム。今後も新たな作品を次々と生み出して欲しいものですな。

The Books / Lost and Safe

328.gif 以前も紹介したことのある、The Booksの今年4月リリースの3rdアルバム。
 1stからの流れをイイ意味で継承し、今作もBooksワールド満載って感じで好き。ただ、最近の個人的に聴いてる音の流れとはちょいと違う部類になるので、買ったはいいものの、そこまで聴いてなかったりするのも事実。今はわりとゆっくりとした感じで歌を聴かせてくれるって感じの音をよく聴いているのもあって、Booksサウンドに多用される、ブツ切りのサンプリングコラージュな音っていうのが、なかなか耳に馴染まなかったりするもので。
 しかし、2ndの時に書いたサンプリングフォークって表現は今作でもビッタリとマッチしていると思う。そのフォークっぽさを凄く引き出してくれてるのはバンジョーのアルペジオな感じなんだけれど、これは今聴いてる流れとは違うので馴染みにくいとはいえ、やっぱり心地良いものですな。
 新しい作品恒例のiPodShuffleへの一部入れ替えというのも、このアルバムからはやってなかったなぁ。まあ、正直に書けば、最初に書いたような、1stからの流れを継承してるって表現よりも、前の作品からあんまり変わってないじゃん!って思って、そこまで必死に聴こうってならなかったってことなんですね、これが。それで、このブログに載せるにも、そんな聴く気になってないのも重なって、しばらく寝かせておいたって具合になるのかねぇ。
 それでも、ようやくここに書こう!って思って、iTunesにて今も聴きながら書いておるのですが、やっぱりエエんです。前とそんな変わってないって思ったのも、しっかり聴いてなかっただけで、太鼓の音使いの感じだとかより気持ち良く聴けます。やっぱりBooks大好きだって再確認出来ました。
 今作、買った時にビックリしたのは、日本盤がリリースされてたってこと。日本盤とはいえ、輸入盤に日本語の歌詞カードを封入しただけの簡易的な日本盤なんですが、それでも、この国でも徐々に広まって来てるんだな〜って思うと嬉しい気分になりました。
 途中、一部否定的というか、消極的意見を書いてしまいましたが、やっぱりBooks は聴くと嬉しくなれる作品であります。オススメ。

Yoshihiro Hanno / Angelus

319.jpg 半野喜弘、自身の名義では1年半ぶりとなる先月リリースの作品。
 かなり久々な音紹介となってしまった訳ではあるが、その理由はもう一つのブログに書いたので、そちらを参照してもらうとして、再開の第一段がなぜこのアルバムなのかというのは簡単。この作品の発売日、先月の25日に手に入れて、気持ちだけはその日に書くつもりでいたから。でもまあ、書きたい気持ちとまだ書くべきではない、という気持ちとが複雑に交じり合っていて、結局書けない方が勝ったということです。
 さて、音じゃね、音。半野作品として手に取ったのはこれが初めて。とはいえ、コンピとかお店とかで聴いたことはもちろんあったけれど、正直、周りが言ってる程の評価される音だとは思えないというか無関心だったってのが正解かも。そこにこの盤を買う動機となったのはMTVから流れて来た、3曲目収録の「夢の匂い」のプロモ。そう、半野作品ってアプローチではなくて、ハナレグミ、永積タカシの声に思いっきり反応です。この1曲をして、買わにゃぁダメでしょ!という流れ。
 今までの半野サウンドから考えると、明らかにポップソングの応酬って感じで、エレクトロニカのスペシャリストってのはウソでしょ?と言いたくもなる。でも、悪い意味ではなくて、この人の作る音というのは、明らかに昔からどれもポップである。そして、このアルバムでは日本語とのマッチングがすんごくイイ。もちろん、参加している豪華なゲスト陣の声も当然素晴らしさの大部分を占めてはいるけれど、この声、サウンド、歌詞の嬉しく聴ける様っていうのはえらい。
 フェイバリットはもちろんのようにハナレグミとの「夢の匂い」だけど、それ以上に驚くほどの感激は細野晴臣との「サヨナラ、はらいそ」。ヴォーカリストとしての細野さんが物凄く好きだった自分、ってのを久々に蘇らせてもらえた。とにかく、久々に日本語でポップでラヴソングなアルバムとして大いに堪能出来る作品に出会えた気分。

Towa Tei / Lost Control Mix

315.jpg 先日のニューアルバムの紹介からすぐとなってしまいますが、テイトウワの「Last Century Modern」のリミックスアルバムをご紹介。99年の作品。
 昨日、いやもう一昨日となってしまいますが、NHKの英語でしゃべらナイトにテイトウワがゲストで出演しているのを観て、英語が話せるといいなぁ〜、と思いつつ、過去の作品が聴きたくなってしまって、一番身近にあったこのアルバムを聴いてみよう!って流れです。
 「Last Century Modern」のリミックスアルバムは2枚リリースされてて、今回紹介してるのは1枚目なんですが、パッケージ的に面白い仕様になってまして、このケースは2枚組用のケースになってて、2枚目のアルバムは紙ジャケでリリースされ、その2枚目も一緒に入れて一つのリミックスアルバムとして保存して下さいねー、な感じになってます。残念ながら、2枚目のアルバムはアナログで持ってて、CDは購入しなかったので、CDとしてはこの1枚目しか入ってないんですが…。
 さて、このアルバム、テイトウワとしては一番よく聴いた気がします。その中でもコーネリアスミックスの「Butterfly」と大沢伸一ミックスの「Funkin' For Jamaica」は激聴してたっけなぁ。そんな感じなんで、テイトウワの音っていったら、この作品のような雰囲気を最初にイメージしてしまうくらいになってるのも事実。
 彼の作品は実際のところ、ほとんどをアナログで持ってたりするんで、CDで簡単に聴けてしまうこの作品はずっと手元付近に置いてあってすぐ聴くには持ってこいだしね。

Towa Tei / Flash

309.gif テイトウワ、本人名義では6年ぶりとなる4thアルバム。今月2日のリリース。
 今月末のリリースだろうと、勝手に思ってて、数日前にたまたまレコ屋を覗いたら売ってたので、ビックリしつつ、即買い。単に自分の記憶違いなだけだったのであるが…。
 このアルバムの直前というか前の作品がSweets Robots Against The Machine名義でノリノリのご機嫌なビート系だったので、そのイメージのまま聴くと、かなり大人しい感じがしますな。それでもテイトウワ的フロア向けなカッコイイ音のオンパレードです。
 前よりも大人しめと書いておきながら、個人的にはこれでもかなり激しく感じてしまったのも事実。最近はナマ音というか、普通に人力なリズム系の作品をよく聴いているので、この打ち込みなリズムは激しい、と(笑)。しかし、そういう人力系に混ぜながらここ数日聴いていると、やっぱり大好きな音をしている。
 今作は坂本龍一を始めとして、ゲストも豪華だし、とってもポップで「おお、楽しい〜」な作品であるけれど、一番ビックリというか、意外というか、かなり嬉しかったのは、平山あやがゲストでラップやってるってこと。まず、平山あやが音楽やるというのに驚き、それもテイトウワ作品のゲストだってことでよりビックリした次第です。で、なぜ嬉しいのか!?というのはルックス的に好きだから!それだけなんですが…。
 フェイバリットなのは、やっぱり最近の自分の流れに合っててゆったりめなアート=リンゼイがゲストの「Bianco」。コーラスの野宮真貴がまたセクシーでありつつ、彼の声で歌われると、いつもながら嬉し泣きになってヤられてしまいます。

Flash

My Jazzy Child / Sada Soul

 フランスで活動するソロユニット、My Jazzy Childの2003年の作品。
 結構前に何となく何の情報もないのに試聴もせず買ってて、サラっと聴いてパッとしなかったんでそのままになってたアルバム。本日たまたまiTunesを結構な大音量で聴いてたところ、このアルバムが流れてきて、「これ何の作品!?」って、しばらく聴いてもいなかったもんで分からず、そのまま聴いてたら「結構イイじゃん!」って思えたのであった。
 とってもユルい感じのエレクトロニカ。アコギの低音弦の響きとか、ピアニカなんかのチープさがとっても微笑ましくもあり、リズム系も太鼓叩いてるというより、その辺に置いてあるモノというか、楽器というより叩いたら音が出たよ的な雰囲気も好き。
 何で最初に聴いた時に反応せずにスルーしてたんだろう!?って改めて思った。よくよく考えると、小さな音で聴いてたからなんだろうと思う。本日反応したのは、かなりの大音量ということで、この作品、かなり音的にもミニマムな作りなので、音量上げてハッキリ聴いてやっと全体のユルさを認識出来たという感じなのかな。
 好きなのは1曲目「Whatever You Do」。ホント、ユルユルにちょい高めの男性ヴォーカルがホワホワしている。あと、ラストの「Twice Upon A Time」も。壁とか机叩いてるんではないか!?って感じのポコポコした音のサンプリングの嵐に続いてトイピアノのチープさと、本物のピアノの重厚感が入り乱れつつ、壮大なミニマム的な音がラストっぽくもあり、心地よい。

Psapp / Tiger, My Friend

 ロンドンをメインに活動する男女二人組、カリム=クラスマンとガリア=デュラントのプサップ、先月リリースの1stフルアルバム。
 9月にリリースされた、スケッチ・ショウリミックスアルバムにて2曲ほどリミキサーとして参加してるので知ってる方も多いのではないでしょうか?しかし、全然知りませんでした(笑)。
 耳が復調しつつあるので、最近はレコ屋にもよく行くようになり、先日試聴機の片っ端から全部聴きを敢行していた時に、巡り会いました。1曲目のイントロ的な31秒の曲である「Northdown」の環境音のような鳥のさえずりにヤられてしまいまして。出だしの3秒を聴いただけで、レジにCD持って向かっていました。
 全体的にはリズム系が完全な打ち込みで、上モノがアコースティック系の楽器を駆使したサンプリングや生のまんまだったりする、フワフワ系のエレクトロニカ。
 あと、忘れてならないのが、ヴォーカルであるガリアの声ですな。低めなんだけれど、女性らしい優しさいっぱいの柔らかい響きをしてて心地よいでございます。
 カリムの方はエンジニアでもあるということで、ヘッドフォンなんかで聴くと、とっても細かい音の仕掛けが施されているのがよく分かって、そういう発見も楽しい作品。
 好きなのはアルバムタイトルでもあり、ラストを飾る「Tiger, My Friend」。パッと聴いた時にこれまた大好きなMoonDogを連想してしまった。似ている訳ではないのだけれど。

V.A. / Mercedes-Benz Mixed Tape 02

 前回紹介して大好評で色んなブログでも取り上げられてたメルセデスの無料ダウンロード出来る参加型のサイト、Mixed Tapeの第二弾が登場しているので、またまたご紹介。
 既に、もう一つのブログでは紹介していたのだけれど、全曲聴く機会が本日までなかったので、ようやくこちらでも紹介ということで。
 さて、今回は結構ヒップホップだとかジャズっぽいモノが増えて、Vol.01とはまた違って、イイ感じ。これからも色んなサウンドを紹介していってくれそうな気配もするのでいいことだ。
 気に入ったのは「Warming」って曲。打ち込みとアコーステックの楽器のバランスが程良くて、ゆったり心地よく聴ける。
 しかし、全体的に今回もバランス良く出来てるってのは素晴らしい。特に、曲を募集しているにもかかわらす、である。
 これからも4-6週間に一度の割合で新しいモノが出てくるみたいだから要チェックですな。
 これだけのコンピなら商売も成り立ちそうな気もするけれど、聴く側としてはこの無料のスタイルを続けて欲しいね。
 これがやってる間に一度は作って応募してみたいとも思う。

V.A. / Mercedes-Benz Mixed Tape

 本日はちょっと番外編で。もう一つのブログにも書いたのであるけれど、自動車のメルセデズベンツのサイトより。
 「Mercedes-Benz Mixed Tape」と題して、コンピレーションな感じでエレクトロニカなサウンドを聴けるというもの。なかなかMP3としては上質な音で心地よいです。
 しかも、それだけではなくて、全15曲60分を超える作品を丸ごとダウンロード出来るのだ!完全フリーなダウンロードパッケージが提供されているのである。
 90MB以上あって結構デカイけれど、パッケージとしてダウンロード出来るというだけあって、CDに焼いて持ち運べるように、ジャケットのPDFまで付いてくる。しかも裏ジャケまであるし。
 それだけではない。今後もこういうシリーズを続けていくようで、楽曲を募集している。よい作品であれば、次のパッケージに誰でも登場できるかも知れない。
 まだ聴いてる途中で、アーティストや曲名さえもちゃんと把握してない状況で、今まさに聴きながらこの文章も書いている。いつもの買って聴いてね!みたいなのではなくて、このサイトを見ることができる方であれば誰でも聴けるし、ダウンロードして、自分のライブラリーの1枚とすることも出来るというのがまたイイなと思って。
 こういうカタチのパッケージを自動車メーカーであるメルセデスがやってるってのもニクいし。是非聴いてみて下さいな。
 音的には最初にも書いたエレクトロニカな打ち込みモノ中心でインスト、歌モノいろいろあります。ホント、楽しいサイト&音みっけ!って感じの嬉しい夜で、みんなに教えたくなったので。

V.A. / Child Food

 ボンジュール・レコードのレーベルから第二弾として2000年にリリースされたコンピレーションアルバム。
 ここでコンピを紹介するのは初めてだと思う。これまであえて、コンピは避けてたのもあるし、そろそろ自由に行きましょうということで、紹介。というか、本日ホント久々に聴きたくなって、聴いたらとっても良かったので。
 さてさて、音であるが、9カ国、17組のアーティストによる17曲が収録されていて、レコード会社やレーベルの域も超えてるから、豪華でお得な1枚。
 ここでも紹介した竹村延和やCalm、SoulstanceにDouble Famous、パスカル=コムラードなど、好き系のアーティストが沢山入ってるから当然のように買った作品ではあったけれど、しばらくは全く聴いていなくて、どんな曲が収録されていたかもすっかり忘れていた。
 さまざまなアーティストで楽曲もバラエティに富んではいるけれど、全体的にはフワフワ系の音。ちょうど今の季節な感じの昼間や深夜に聴くと心地良くなれるサウンドだ。
 この中で好きなのは、やはり上にも書いた元々好きなアーティストの作品になってしまうなー。でもアルバム全体の流れはとっても自然で全曲すんなり聴けてしまう1枚。現在ボンジュール自身が売り切れになってるから、もしかすると廃盤の可能性も。そうなら残念でしょうがない。

Cat or Die / Are You Cat or Die?

 キャット・オア・ダイ、2003年の1stアルバム。
 何となく、レコ屋でアンビエントやエレクトロニカ系のコーナーを色々眺めていて、ジャケのちらかり具合に目が止り、書いてあったコメントを読んでみると、「詳細なことは一切不明で謎のユニット」とあって、それならば聴かねば!と思って購入してみた。
 とってもサンプリングコラージュな作品で、以前紹介したsoraにも共通する部分がある。キラキラ金属系楽器の音が多くて、高音キレイ系フワフワサウンドで好きなタイプ。
 買った後に気付いたのだけれど、13曲、49分あまりの内容で1000円と激安。発売元の住所を見ると、世田谷で日本人の方のようだ。そう認識して、ジャケや色んな写真をみると日本だなーと分かる。ブックレット内の写真は明らかに海外だけれど。曲タイトルにも11曲目に「Mariko San」てのもあるし。もしくは世田谷在住の海外の方かも!?
 ユニット名にもタイトルにもキャットと付いているが、どうやら、猫もメンバーということになっているみたい。
 一人で作ってるデスクトップミュージック系と思うけれど、中々面白いサウンドでこれからにも注目したい。しかし、この1枚で終わる、もしくは別のユニットとか名前を変えてリリースされる可能性も高いような気もする。
 4曲目の「Bazaar」は鉄琴やベル、鍛冶打ちの金属音のような音までサンプリングされてたり、古いクラシックのSP盤レコードのストリングス部分のサンプリングとミックスされてて、なんかイイ感じで好きだ。さっきも書いたsora好きの人なら絶対好きになる音。

Noriko Tujiko / From Tokyo To Naiagara

 ツジコノリコ、2003年のアルバム。
 彼女についてはあまり詳しくないのだけれど、音楽活動を始める以前はホステスさんだったらしい。で、2001年にオーストラリアのメグより「少女都市」でデビューして世界的なノイズ系のアーティストへ。
 さて、この作品は全然ノイズな音ではなくて、歌モノでメロディーもある。バッファロー・ドーターの大野由美子がMoogで参加してたりも。前作の「ハードにさせて」は個人的に聴けないタイプの作品だったので、この聴きやすさにはちょっとビックリしてしまったという作品。
 リリース元のレーベルが以前ここでも紹介したBooksと同じドイツのTomlabというのも納得の柔らかいエレクトロニカなデスクトップミュージック。日本盤の発売などもちろん無いけれど、それでも全曲日本語で歌ってます。
 声質的には大貫妙子に似ているなって思った。フワフワな心地よい声であります。オススメはラスト8曲目の「Robot Hero」。とっても静かでしっとり出来ます。
 ジャケットはタイプではないけれど、何故か魅力的に見えるツジコノリコの顔アップにノイズ系アルバムかのような手書きの文字。で、ライナーが背景と文字色に同系色をもって来ることによって読みにくいこと!それでも許せるというこの作品。そういうのも含めて好きだな。

Guther / I Know You Know

 ドイツはベルリンの2人組、ジュリアとブレンドの男女ユニットであるグーターの2003年のアルバム。
 まず、音より何よりこの作品はジャケ買いです。うっすらとグリーンで爽やかなこのジャケを見ただけで購入な作品。
 さて、音に関しては、ゆったりとフォーキーでありつつ、ヴォーカルのジュリアのある意味無気力な感じの声が優しいエレクトロニカ系なサウンド。実は買ってすぐは聴いてもあまりピンと来ていなかったというのも事実。最近、久々に聴いてみると、リズムの刻みやスネアのちょっと籠った感じのモコっとしたフィルターの掛かり具合やメロディ、声の具合が気持ちいいなぁって感じるようになってきた。
 ステレオラヴ5thアルバムとかにちょっと似た感じもあったりするなーとも思ったり。静かなミニマムエレクトロっぽさの部分なんかが特に。だけど、アコギのカッティングのフォーキーな響きの部分はグーターらしいというか、ホント優しくてクセになる音である。
 のんびりとジャケを眺めながら聴くともっと気持ち良くなれると思うアルバム。
 このアルバムの発売元のレーベルであるmorrは他にも面白い音を沢山リリースしていて、サイトでも聴けるので興味あれば是非。

Guther - I Know You Know

Sora / Re.sort

 京都在住で世界的な活動をしているクロサワタケシのソロプロジェクトであるsoraの2003年の1stアルバム。
 自然の音や思いっきりのジャズやボッサのアルバムからのサンプリングなど、さまざまな音が自由に切り貼りされたコラージュサンプリングな作品。
 とてもバラエティーに富んだ音の集合といった感があるのだけれど、作品を通しての空気感というか、フワフワな心地よさという点においてとても一体感があって聴きやすくもある。
 大好きなのは3曲目の「Revans」。ポワーンとしていて、最後にジャズのライブアルバムからの思いっきりなサンプリングがたまらなくカッコイイ。
 発売当時にレコ屋の試聴機で何気なく出会ったのであるが、一瞬で好きになったアルバムでもある。どことなく竹村延和と坂本龍一を連想させてくれて、まさにツボな音である。
 ジャケットの楽園を感じさせるキレイな浜辺の写真がまた何とも好きだ。今後の活動にもかなり期待しているアーティストの1人でもあったりする。

The Books / The Lemon of Pink

 ドイツの2人組ユニット、booksの2ndアルバム。2003年の作品。
 もう一つのブログにも書いてあったりするんだけれど、昨年のこの作品リリース時からずっと、個人的イチ押しアルバム。試聴機ショック!を受けて以来、「スゲエカッコイイ!」ランク1位の状態をキープしている。
 色んな紹介記事などでは、エロクトロニカとかデスクトップミュージックと呼ばれているけれど、個人的にはサンプリングフォークと呼びたい。とにかく、サンプリングでも素材の切り取り方というか、使い方、その雰囲気の出し方が上手い。特に、日本が相当好きなのか、素材天国なのか、日本語のサンプリングが満載。ハッキリ聴きとり難い部分にも日本のドラマや株式のラジオなどのサンプリングもちりばめられている。
 それから、もう一つのポイントはバンジョーなどの弦楽器系の響き。コード弾きなジャーンではなくて、アルペジオなタラランってゆったりとした弾きがよろし。女性のボーカルも優しい。
 音の各パーツを単品として取出してみたならば、こんなにヘンなモノはない!って感じの素材が、組み合わさることによって、とても心地よくなるbooksのマジックにやられっぱなし。1stも買いの1枚。

Sack Und Blumm / Kind Kind

 Harald "Sack" ZIeglerとFrank Schutge Blummによるユニット、Sack Und Blummの2003年の3rdアルバム。
 それぞれがソロや別ユニットでも活動してて、ドイツの方らしいのであるが、よく知らない。また久々の試聴買いだ。
 アコースティック楽器のエレクトロニカサウンド、とお店のポップに小さな文字で書かれていた。で、聴いてみると、そんな感じだ。アコースティック系の楽器、特にアフリカ系の民族楽器を自分たちでプレイし、それをサンプリングして楽曲を作ってる。ミニマム的でクセになる音だし、アフリカのパーカッションがたまらなくツボだ。
 カリンバ、俗に言う親指ピアノも使われてるんだけれど、こういう素朴な音のでる楽器をプログラミング的な手法で使うっていうのもイイね。モロな民族音楽の音源などとは違うキレイさというか、スマートな感じがする。
 すでにかなりのお気に入り盤だ。カフェとかで流れてても良さそうだし。熱い濃いコーヒーが似合いそう。

Yoshinori Sunahara / The Sound Of '70s

 元電気グルーヴ、砂原良徳98年の3rdアルバム。
 いやー忘れてた。このアルバムが極上のフワフワな1枚。ずっと聴いてなくて、行方不明中だったのが、見つかって。思い出したように久々に聴いてみると素晴らしい。
 アメリカの航空会社パンナムへのオマージュ作品となっているんだけれど、音も快適な空の旅を!みたいなとってもフワフワ気持ちいいアルバム。ブックレットにもパンナムから許可を得て70年代の本物のパンプレット写真などが掲載されている。
 もっとイイのはアナログ盤で、ピクチャーレコードになってて、デカデカと盤の全面にパンナムのマークが印刷されてます。当然のように持ってるけれど。
 4曲目の「Sun Song '70」が大好きでDJしてる時やラジオでもかけたことあり。心地よさ極まりない曲。
 ホント、幸せなフワフワに包まれるアルバムで、是非聴いて欲しい。

Soulstance / Act On!

 ソウルスタンスの2000年の2ndアルバム。
 只今、個人的ブームなフワフワ系です。しかし、彼らの音は打ち込みでビートはしっかりしている。フワフワ感を大きく引き出しているのはウワモノの電子楽器系の音。きっちりプログラミングされた音だけれど、とっても気持ちいい。
 フワフワ系と分類しなくても、元々はジャズ魂を持ったアーティストという印象を持ってて、それは今も変わらず。ボッサぽい曲やサンバ的なもの、いろんなリズムがちりばめてあっていい感じ。発売当時はヘビーローテーションだった。
 検索サイトで日本語検索にてソウルスタンスを調べると、昔選曲してたラジオ番組のサイトが引っ掛かったのはちょっと嬉しかった。まあ、そのサイトを作ってた張本人でもあるし、ラジオでもかけてました。

Fantastic Plastic Machine / Too

 Fantastic Plastic Machineのこの冬リリースの4作目となるアルバム。
 この田中知之という人の音のセンスは物凄く好きだ。あまり外見で判断するのは良くないのは承知しているが、彼は太っているのにこんな音を作り出してしまうのはスゲエ。個人的に、敬愛の意味も込めて田中はんと呼ぶことにしている。
 これまでの作品から比べると、どうしてもちょっと大人しい感じだなぁーと思ってしまう方も多いようで、確かに派手さはないのだけれど、これまたメロウ感がいい。それはもう抜群に。
 すぐ下のテイ=トーワの作品と発売日が同じで、amazon.comに一緒に買うのにオススメとあったんで、連続して載せてみた。マシン繋がりでもあるし。確かにどちらか一方が好きな人であれば、両方気に入ると思う。どっちもずっと前から大好きな方々だけれどもね。
 そうそう、FPMといえば、毎回PVの作りも凝ってて面白いんで、観る機会を持って観て欲しいかも。

Sweet Robots Against The Machine / Re: Towa Tei

 Sweet Robots Against The Machine名義で昨年リリースされたテイ=トーワのアルバムのリミックス集として、この冬にリリースされたのが今作。名義的には分かりにくい方もいるかも知れないけれど、アルバムタイトルがテイ=トーワってなってるんでオッケーでしょう。
 さて、音ですが、世界の有名なDJ達によって思いっきりなリミックスがほどこされています。中でもやっぱりカヴァー曲でありとっても名曲な「Free」がいいかな。リミックスじゃあないアルバムのヴァージョンよりこっちの方がメロウですな。2ミックス入ってる。
 でも、一番の注目は1曲目の唯一の新曲である「The New Folk」でしょう。ピコピコしてます。あと、個人的にスゴイと言えるのはこの曲をケータイの着メロにしてます。普通は着メロなんて全く使わず、ただの電子音かブザーみたいなのばかりなこのわたくしが!というだけでスゴイことです。