*music

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The Books / Lost and Safe

328.gif 以前も紹介したことのある、The Booksの今年4月リリースの3rdアルバム。
 1stからの流れをイイ意味で継承し、今作もBooksワールド満載って感じで好き。ただ、最近の個人的に聴いてる音の流れとはちょいと違う部類になるので、買ったはいいものの、そこまで聴いてなかったりするのも事実。今はわりとゆっくりとした感じで歌を聴かせてくれるって感じの音をよく聴いているのもあって、Booksサウンドに多用される、ブツ切りのサンプリングコラージュな音っていうのが、なかなか耳に馴染まなかったりするもので。
 しかし、2ndの時に書いたサンプリングフォークって表現は今作でもビッタリとマッチしていると思う。そのフォークっぽさを凄く引き出してくれてるのはバンジョーのアルペジオな感じなんだけれど、これは今聴いてる流れとは違うので馴染みにくいとはいえ、やっぱり心地良いものですな。
 新しい作品恒例のiPodShuffleへの一部入れ替えというのも、このアルバムからはやってなかったなぁ。まあ、正直に書けば、最初に書いたような、1stからの流れを継承してるって表現よりも、前の作品からあんまり変わってないじゃん!って思って、そこまで必死に聴こうってならなかったってことなんですね、これが。それで、このブログに載せるにも、そんな聴く気になってないのも重なって、しばらく寝かせておいたって具合になるのかねぇ。
 それでも、ようやくここに書こう!って思って、iTunesにて今も聴きながら書いておるのですが、やっぱりエエんです。前とそんな変わってないって思ったのも、しっかり聴いてなかっただけで、太鼓の音使いの感じだとかより気持ち良く聴けます。やっぱりBooks大好きだって再確認出来ました。
 今作、買った時にビックリしたのは、日本盤がリリースされてたってこと。日本盤とはいえ、輸入盤に日本語の歌詞カードを封入しただけの簡易的な日本盤なんですが、それでも、この国でも徐々に広まって来てるんだな〜って思うと嬉しい気分になりました。
 途中、一部否定的というか、消極的意見を書いてしまいましたが、やっぱりBooks は聴くと嬉しくなれる作品であります。オススメ。

Uma no Hone / Moegara

327.jpg キリンジのヴォーカリストであり、弟担当な堀込泰行によるソロ・プロジェクトである、馬の骨の1stシングル。昨日が発売日。
 1つ前のエントリの冨田ラボのシングルと同時に買いました。これも音楽チャンネルにてPVを観てたんで、初めて聴いたんではないし、思いっきり声はキリンジ作品と変わらないので、全く違和感なし。
 で、そのPVを観た時に驚いたのはプロジェクトの名前の方。馬の骨が歌う、「燃え殻」ですよ(笑)。キリンジの堀込泰行がやってるって知ってるし、キリンジ大好きだから、どんな名前でも喜んで聴くのが当たり前になってはいるけれど、冷静に考えると、音もジャケも何の情報もなく、「馬の骨/燃え殻」って文字だけを見て、こういうCDがリリースされるんです!って言われても、聴きたいって思うだろうか!?って考えた。答えは絶対聴かないというより、スルー!というのが正直なところだと思います。インパクトはあるけれど。
 さて、肝心の音を。最初に書いたように、声は正真正銘のキリンジであるので、その延長上でヴァリエーションが増えた程度とも捉えられるけれど、いやいや、全くこれは弟君ワールドだ。お兄ちゃんが混じってたら確実に音数がもう数個多くなってちょいと洒落た演出がプラスされてると思う。それだけシンプルなのだ。でもベースラインはしっとりとしていながら、起伏が結構あってナイス。
 あとは、レーベルがトライアドってのもちょいビックリ。レーベルカラー云々の問題というのではなくて、キリンジと同じ東芝から当然キリンジの流れで出てるものだと思ってたもので。まあ、レコード会社だったりレーベルだったりは、音だけではないその時の事情とかもあるので、何とも言えないけれど、キリンジとは違うレーベルってことで、ホンマにソロのプロジェクトなんだなって感じはします。
 カップリングの「Red light Blue light Yellow light」の方もイイけれど、途中に入ってるシンセストリングスの音の具合がどうにも80年代な自分の中で古クサい音!って染みついてるモノに近くて笑ってしまったりはしたけれど、クセになってしまうのはこっちの曲かもね。

燃え殻 - ファイル

Tomita Lab / Atatakai Ame

326.jpg 本日が発売日である、冨田ラボのニューシングル。お約束のようにご紹介。
 昨日買いました。とはいえ、結構前から音楽チャンネルだったり、ラジオなんかでよくかかっていたと思われ、当然、昨日が初聴きではないんですけどもね。今回のヴォーカルさんはMamalaid Ragの田中拡邦。Mamalaid Ragというバンドがあるというのは知ってたんですが、そちらはまだ聴いてません。というか、聴かない気もかなーりする。Mamalaid Ragがダメとかそんなんじゃないです、聴いたこともないのに、ハイ。やっぱり冨田ラボな音が好き!っていうのがデカく、ここでも紹介してる前のアルバム「Shipbuilding」で例えるなら、ユーミンが歌ってた「God bless you!」はあのアルバムの中でもかなり好きな曲ではあるけれど、松任谷由実のアルバムは聴こうとは思わない、ってのと同じ感じっていうことかな。
 今作でもイントロからのストリングスの雰囲気と、オルガンの地味な響き具合が当たり前だ〜!って叫ぶ程のツボなラインであります。こういうサウンドって案外ありそうだし、作れそうな感じが凄くある一方で、冨田恵一の手にかからないと出て来んわいのぉ〜って絶妙な部分を感じ取らずにはいられないんであります。
 アマゾンのレビューに今回のヴォーカルの田中拡邦の声について、「大滝詠一と堀込泰行を足して二で割ったような〜」ってあったんだけど、まさにそんな感じで上手いこと言いますなぁーって思いました。逆に言うと、そのレビューのように堀込泰行テイストもかなりあるので、とってもキリンジ的な曲に聴こえてしまって、田中拡邦の独自な感じは弱いのかも!?って気もしますな。ともかく、楽曲と声の雰囲気はとってもマッチしていて、しっとりとタイトルのように暖かいポップを堪能出来ます。
 しかし、シングル連発も嬉しいんですが、アルバムがとにかく早く激しく聴きたい。冨田ラボな曲っていうのは連続して色々聴きたくなってしまう、魔性ともいえる中毒性を秘めているので、早くアルバムリリースしてくれないと、暴れ出しそうです(笑)。

Yukie / Baby Pink

325.jpg 珍しく昨日に引き続き、シンガーyukieの2ndアルバムのご紹介。98年リリース。
 今まで連続して同じアーティストを紹介するというのは、無かったというかきっちり避けて来ていたのだけれど、もう300以上紹介しているし、そろそろ、その時のノリというか気分という部分で何でもアリでいいか〜って感じに思えてきたのでそうしてみてます。まあ、これまでの方法で良かったことは、毎回ジャンルや流れを気にすることはあってもなるべくなら違うモノをって考えてたことによって、その時々で全然聴いて無かった音を久々に聴いてみる、だとか発掘にも近いような気分で無理矢理までとはいかなくても、何とか書けることを引き出してでも聴いて書く、という作業をすることによって、新たな発見があったり、より聴き方に幅が出る、なんて良さもありました。
 さて、今回の音ですが、1stと同じく森俊彦プロデュースでR&Bテイストではありますが、よりポップなサウンドです。昨日は書かなかったけれど、作詞作曲はともにyukie自身です。音というのはプロデューサーによってかなり変化するものではあるけれど、やはり、歌う本人が詞も曲も作ってるというのは、歌モノとしてはベストではないかと思います。そういう意味でも好きですな、yukie作品は。
 1stは今でもかなり聴いてるって書きましたが、この2ndは鬼のようにお蔵入りしてました。正直、昨日久々に聴いてみるまではどんな音だったかすら思い出せなかった位に(笑)。それでもやはり声ですよ、声。この声聴くとホント嬉しくなってしまいます。やっぱり何で廃盤になってんだ〜!もっと色んな人に聴いて欲しいのに〜って残念でしょがありません。
 個人的なイメージ的に聴く雰囲気としては1stはこの季節のちょっと遅い夕方にしっとりと涼しい場所で聴いていたい感じで、この2ndの方は5月頃の水辺の見える場所にて思いっきりではなくて、さりげなく流れてて欲しいなぁ〜って感じです。うーん、これで聴きたくなってもらえますでしょうか!?

Yukie / Love After Love

324.jpg シンガーyukieの97年リリースの1stアルバム。
 2枚のアルバムが出てますが、現在廃盤になってるし、最近は活動もされてないようなので、どれだけ知ってる方がいるのか分からないけれど、とにかく声が大好きで、個人的女性ヴォーカルのツボである息継ぎの音もよーく聞こえます。
 全曲、森俊彦プロデュース。漢字で書くよりもToshihiko Moriって記述した方が分かりやすいのかも。テイ=トウワとのSP-1200 Productionsと言えば分かる方も大勢いるのでは。全編に渡って、R&Bな歌モノテイストで溢れたサウンドメイクにyukieのハスキーでカワイイ声が日本語の詞で乗ってて、絶妙に嬉しい雰囲気満載な作品。
 しかしなぁ、自分が好きな90年代後半の日本人作品って、廃盤になってるモノが多過ぎる!このブログでも廃盤で残念ってアルバムはいくつか紹介してきたけれど、まだまだ鬼のようにあります。なるべくなら現在も聴くことの出来る作品を紹介したいってのであんまり紹介してないんですが。こういう感じでイイ作品なのに廃盤で、再リリースしようにも、市場的にはニッチであろう作品が再び世に登場出来る素晴らしい手段がITMSなんかのネット配信系だと思うんだが、何で、こんな日本って、リスナー以前に利権に寄ってたかってる人種主導でしか動かないのか!?ってのは悲しくてしょうがないですわい。このアルバムも安価で配信されれば、結構聴きたい人いると思うし、廃盤でお蔵入りのままよりよっぽどマシだ。まあ、なかなか前進しそうにないんですが、そうなれば嬉しいですのぉ。
 さて、そういえば、ここでも2枚紹介しているスパノヴァのちょうどその2枚両方にコーラスとしても参加しておりますよ、yukieさんは。そんな訳でスパノヴァ好きであれば確実に好きだと思われます。
 全曲フェイヴァリットで、密かにかなりしょっちゅう聴いてるアルバムですが、特にオススメ!としては最初と最後の曲。「どんな風なやり方をして」とアルバムタイトルでもある「Love After Love」。この両曲ともというか、全曲なんですが、ラヴソング。詞的には男性よりも女の子にオススメです。

Otaka Jacky / Mother

323.jpg スーパーステューピッドのギター担当さんである、大高ジャッキーの99年リリースの1stソロアルバム。
 元々スーパーステューピッドというバンド自体にはそこまで興味がなくて、現在は活動してるのか、解散してるのか不明なんですが、一応、大高ジャッキーといえば、ステューピッドの人!ってイメージなので、そう表現させてもらいました。それと、ギター担当って書いたのは、この1stソロアルバムのライナーで本人がギタリストではないと宣言されてるので、担当としておきました(笑)。
 ステューピッドに興味もなく、大高ジャッキー自体もよく知らないまま、何故か、このソロは異常に入手しなければならない!って衝動に駆られたというか、これも発売日に買っております。確か、どこかでちらっと聴いてすんげえー!って思ったような。。。だけど、96年にステューピッドの皆さんにはお会いしてるんですね。挨拶程度だけど。とまあ、色々考えてみたけれど、明確な何かは分からず、5年ぶり位に聴いてみました。
 ノイズ、パンク、ハードコア、クラシック、アンビエント、ポップ、何でもありです。久々に聴いたこっちがビックリしました。まとまりのない、アート的サウンドというか。一番的確だと思われる表現はアヴァンポップかな。躁鬱を繰り返すような目まぐるしさもあり、イッてる音楽であります。
 久々に棚の奥から取り出して、もう一つ思い出したことを。同じくステューピッドのメンバーさんで、ベース&うたなLOW IQ 01のソロのことを。彼の「Your Color」って曲が大好きなんですが、未だその曲だけでなく、LOW IQ 01名義の作品は1枚も持ってません。いっつも、レコ屋に行く時に買おうと思っていながら、店に入ると忘れてしまう。。。こうやって、ここに記したので、近日中に買います必ず。

The La's / The La's

322.jpg La'sの1stアルバム。90年のリリース。
 彼らといえば、「There She Goes」の一発屋的イメージ大ですのぉー。確かに名曲だし、鬼のように聴きました。あんまりUK系のバンドには詳しくもなく、そこまで色々聴いて来た訳でもないけれど、このアルバムは発売日に買ったことを今でも鮮明に覚えております。
 ずっと、お蔵入りのように、ラックの隅で眠っていた時期もありながら、また近年よく聴くようになっとりますわい。そんな感じでいたら、フジロックか何かに再結成して来日するというニュースもあったりで、ちょいとビックリもしました。だからって、今となってはそこまで観たい!ってこともないのだけれど。。。
 確かに、たま〜に聴くと、エエのぉ〜!って思うんだが、カッコイイとか、ゾクゾクするっていう、瞬間的な喜びや興奮という部類のものではなくて、懐かしさの方が先頭に立ってるイメージといいましょうか!?こんなんよく聴いておったねーっていう、アレです。ジャケの目の感じも90年の幕開けを思い起こす感じが個人的には物凄くしますな。
 結構ヒットしてたし、次回作も思いっきり期待されつつも、一発屋のように音楽シーンから姿を消していったこの流れは、UK的でもあるし、しょうがないよなー、と、あんまり詳しく調べもしなかったんで、そんな雰囲気のみで覚えてる感じです。
 やっぱり、ノスタルジックという言葉で片づけるにはもったいないバンドだし、再結成して来日するんだから、この夏は盛り上がって、また作品出るんだろうとも思うけど、このアルバムをたまに聴く限りではノスタルジー以外の何者でも無いのもこれまた事実。音的にもやっぱり古さを感じるしね。
 だけど、これだけのセンスがある人達なんだから、また至極の名曲を生み出してくれると、思いっきり聴きますわい。そういう意味でちょいとだけ期待しておきましょう。

The La's

Jack Johnson / In Between Dreams

321.jpg ジャック=ジョンソンの今年リリースの3rdアルバム。先月、来日記念スペシャルプライス盤が出てたので買ってみる。
 単刀直入に言うならば、とっても好きな音。アコースティック具合と脱力感っぽい飾らないフワフワ感溢れる音である。そんな好きならば、1stの頃から聴いてたのか!?という問いに対しての答えは「ノー」。この3rdで初めて聴きました。
 だって、輸入系のレコ屋で2002年の始め頃の店頭はジャック=ジョンソン一色!まではいかなくとも、ガンガンに展開してあったのを見て、こんなメインストリームなCDは買ってはイカン!って勝手に防護柵を張ってしまったのでありました(笑)。
 あとは、サーファー系ってのが、何とも自分と対極の世界だし〜とか思ってたのもある。この感じはスケーター系だし〜と、最初にこれまた拒否反応を示していたトミー=ゲレロの時とそっくりで。。。ゲレロの時の拒否反応は当時レコ屋の兄ちゃんだったこともあるんで、ごく僅かだったけれど、今回のジャックさんに関しては、3年も聴かず嫌いやってました〜ってことになるかな。
 で、とっても好きなラインではあるけれど、そんな突っ込んで聴いてもいなかったりする。最近、iPod shuffleの中身のごく一部を入れ替えたのだけれど、その中にこのアルバムからも入れてはあります。「Good People」って曲。能天気なギターのメロで始まる感じが何とも好きで、シャッフル中に流れて来るとなぜだかホッとする具合が良いです。
 アルバム通してはそこまで聴いてないとはいえ、この作品、もっと大好きになれるとすれば、それは歌詞を理解出来れば!とは思う。そう、スラスラ英語が話せて歌えて、ヒアリングもバッチリならば、この作品はもっとありがたい音となってくれそうな気がとってもするんであった。英語圏の音全てに言えるのかも知れないけれど、このアルバムでは特にそれを思ってしまった。
 まあ、日本語、特に広島弁ネイティブな人間にとって、スラスラ詞や言葉として耳に飛び込んでくるモノに対して即座に一喜一憂出来るのはやはり日本語な訳だけれど、よー分からんからこそ、より音の響きだったり具合に注意深くなれるということもあるんだわなぁー。どっちにしても音好きってのはイイもんです。だって、こんなこととか考えたり出来るんだしね。

In Between Dreams

Baha men / Kalik

320.jpg バンド名まんまなバハマのバンド、バハ・メンの94年のアルバム。
 カリブ的なダンスミュージック系バンドって感じであるけれど、打ち込みなビートも多くて、普通にアメリカンなポップさやR&B的部分もあるし、サンバな雰囲気もあったりする。この辺りがビルボード系にウケると同時に日本へも多くのアルバムが紹介されている理由の一つの側面であるのかも知れない。
 しかし、そんな諸事情的な経緯はどうでも良くて、このアルバムにはレニー=クラヴィッツプロデュースの「(Just A) Sunny Day」が収録されている、これを聴くだけで充分過ぎる程の嬉しさがある。というか、このアルバムは全体をまともに聴いていないのだ。「(Just A) Sunny Day」のシングル盤と思っているんだって理解してもらってもいいんです、ハイ。
 この曲、いつのまにやら11年前の作品になっていて、時の過ぎるのは早いのぉ〜、と、思いに浸る場合でもなく、レニーな音だ。コーラスで参加してる彼の声を聴けばそれはよりハッキリするもんだ。レニーの曲として好きなのは自身のオリジナル作品よりも、この曲だったり、ヴァネッサ=パラディとの曲だったり、プロデュースしてる方が好きなのも、不思議なんだが、そうだからしょうがない。
 このアルバムはシングル盤も同然とは書いたけれど、もう1曲だけ、好きであり、楽しくてノリのいいカヴァー曲があるので、そちらも書いておこう。「Dancing In The Moonlight」。King Harvestの名曲というか、ヒット曲のカヴァー。こっちはちょいとサンバを意識しつつ、南米なミックスで軽快さがよろし。
 辛口に言えば、この2曲以外は聴かんでもよろしい(笑)。甘口で言うならば、既に古い作品ではあるが、あまりその辺りは感じさせることなく、カリブな雰囲気とダンスなノリを融合させてて、すんなり聴ける!?であろう。やっぱり、2曲だけ聴いて!

Yoshihiro Hanno / Angelus

319.jpg 半野喜弘、自身の名義では1年半ぶりとなる先月リリースの作品。
 かなり久々な音紹介となってしまった訳ではあるが、その理由はもう一つのブログに書いたので、そちらを参照してもらうとして、再開の第一段がなぜこのアルバムなのかというのは簡単。この作品の発売日、先月の25日に手に入れて、気持ちだけはその日に書くつもりでいたから。でもまあ、書きたい気持ちとまだ書くべきではない、という気持ちとが複雑に交じり合っていて、結局書けない方が勝ったということです。
 さて、音じゃね、音。半野作品として手に取ったのはこれが初めて。とはいえ、コンピとかお店とかで聴いたことはもちろんあったけれど、正直、周りが言ってる程の評価される音だとは思えないというか無関心だったってのが正解かも。そこにこの盤を買う動機となったのはMTVから流れて来た、3曲目収録の「夢の匂い」のプロモ。そう、半野作品ってアプローチではなくて、ハナレグミ、永積タカシの声に思いっきり反応です。この1曲をして、買わにゃぁダメでしょ!という流れ。
 今までの半野サウンドから考えると、明らかにポップソングの応酬って感じで、エレクトロニカのスペシャリストってのはウソでしょ?と言いたくもなる。でも、悪い意味ではなくて、この人の作る音というのは、明らかに昔からどれもポップである。そして、このアルバムでは日本語とのマッチングがすんごくイイ。もちろん、参加している豪華なゲスト陣の声も当然素晴らしさの大部分を占めてはいるけれど、この声、サウンド、歌詞の嬉しく聴ける様っていうのはえらい。
 フェイバリットはもちろんのようにハナレグミとの「夢の匂い」だけど、それ以上に驚くほどの感激は細野晴臣との「サヨナラ、はらいそ」。ヴォーカリストとしての細野さんが物凄く好きだった自分、ってのを久々に蘇らせてもらえた。とにかく、久々に日本語でポップでラヴソングなアルバムとして大いに堪能出来る作品に出会えた気分。