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Miyuki Hatakeyama / Summer Clouds, Summer Rain

Miyuki Hatakeyama / Summer Clouds, Summer Rain

 *music、約11ヶ月ぶりの再開第一弾のご紹介は畠山美由紀、今月リリースの新作。ジェシー=ハリスをプロデューサーに迎えた、アコギと歌のシンプルな、それはシンプルな作品。

 聴く前から音が想像出来てしまうこの2人の組み合わせ。それでも聴けばじんわりと温もりの感じられる心地良いサウンドでついつい何度でも繰り返し聴きたくなってしまうアルバムである。

 オリジナルにジェシー作品、そしてカヴァーと色んな楽曲を日本語に英語、ポルトガル語で歌われておりますが、それも何の違和感もなくすんなりと耳に流れ込んで来るこの畠山美由紀ヴォイスというのが大好きであるし、この音色の少ないシンプルな作品であるからこそ、声の響きってのがストレートにやってまいります。

 今や畠山美由紀さんはポートオブノーツを始めこのソロに色んなコラボと鬼のように色んな場面で歌ったりCM出演などもされておりますが、個人的にはやっぱりポートオブノーツの畠山美由紀ってイメージが強いのも事実。しかし、どの場面においても彼女らしさが溢れ出ていて、だからこそ様々なアーティストがコラボしたがるのであろう、というのも理解出来る。

 全曲、リラックスして聴けて昼でも夜でも雰囲気的にピッタリな感じで大好きだけれど、この1曲ってあげるなら、あえてラストナンバーでありビートルズのカヴァーである「Blackbird」かな。本家の方はここ10年位まともに聴いてないけれど、これだけベタなくらいな名曲をアルバムのラストでサラッと歌ってるのが何かイイ。

 日常でふとゆったり落ち着いていたい場面で聴きたくなるであろう作品。

 久々に書いてはみたけれど、どうだろうこの文章。ともかく、また徐々に慣らしていって色々ご紹介します。

Psapp / The Only Thing I Ever Wanted

Psapp / The Only Thing I Ever Wanted  ロンドンをメインに活動する男女二人組、カリム=クラスマンとガリア=デュラントのサップ、今年の5月リリースの2ndアルバム。1stの時もここで紹介していて、ピコピコフワフワエレクトロニカって感じでとっても好きなんであります。
 今回、一番驚いたのは、前回は確かプサップって紹介したし、自分でも「Psapp」って書くのだからプサップって読んでいいのだろう、と、疑いもしてなかったんですが、どうやらサップと読むみたいです。2年近く読み方間違えていたのかーって、そこに一番ビックリしてしまいました。
 今作は基本、1stの延長上のアコースティック楽器を駆使したエレクトロニカって部分は一緒だけれど、歌モノとしての楽曲のバランスというか、メロディがより歌に力入れてるなって感じられます。
 何よりも、ますますガリア=デュラント、彼女の歌声がキュートになってて、聴いてると自然に笑顔になってしまう優しさに溢れている。
 今回、レーベルが今エレクトロニカ系で人気のドミノレコードからのリリースとなってて、それに加えて日本盤で丁寧に解説も沢山書かれてたりもして、初心者にも聴く前に背景を掴むのにもいいのではあるけれど、アルバムを聴いてしまうと、解説はともかく、じっくりのんびりと、ただ音に浸っていたくなるんですね、これが。
もちろん、さっきも書いた背景を知ったり他の関連するアーティストとかを探したりして、知識的にもより深く入り込んで聴いて行くのも面白い作業でもあり、好きになれば自然とそういうのを求めていくものだともおもうけれど、この2ndを最初に聴いた瞬間に、そういうことは後回しにして、今はただ、とにかく、この心地よいサウンドに耳を傾けていたい、と、心から思えた作品であります。やっぱりPsappサイコー!

Quruli / Best of Quruli Tower of Music Lover

Quruli / Best of Quruli Tower of Music Lover くるり、先週リリースのベストアルバム。
 もうね、発売日前日に購入して以来、iPod nanoではこのアルバムしか聴いておりません。3枚組全30曲をここ1週間、狂ったように聴いておる訳です、はい。これが結論というか感想というか。オリジナルアルバムではどれに当たる何曲目の何々〜って曲が好き、とか、そういう説明するまでもなく、全曲毎日繰り返し聴きまくっている、という事実が変に言葉を並べて語ることよりも直接分かってもらえるのかなぁって。まあ、それだけではもう終わってしまうので、少し書いていきましょうか。
 まず、デビューからくるりってバンドはずっと知ってるし、岸田繁が鉄道好きのカープファンで広島のタウン誌で連載してただとか、聴いてたりもしたけれど、初期の頃ってのはまともに聴いたこともなかったのも事実。名曲「ばらの花」がスマパンの「1979」って曲にそっくりでルックスがお気に入りな当時スーパーカーのフルカワミキがコーラスで参加してるってので「ばらの花」のシングルを買ったのが個人的な所有としての初くるりという、大ファンからするとちょいと遅咲きなくるり好きだったりします。
 結局、そんな好きになった経緯とかはどうでもよくて、このベスト、すんごく、くるりな音で溢れているって実感で一杯な嬉し泣きなロックンロールアルバムであります。ニューアルバムの度に全然方向性の違う音が飛び出して来るってことで一部有名だったりもしたけれど、いえいえどうして、どこをとってもくるり塗れな曲ばっかじゃないですか。
 とにかく、くるり好きは当然ですが、聴いたことないロックンロール好きにもこのグッと来る嬉し泣き感を是非味わって欲しいかな。
 本日、帰りの電車は歌い出す赤い電車に乗って帰ってきたのでありました。あの電車の歌は昔から好きなのだけれど、シートが一部対面式なのがちょっとイヤかも(笑)。

George Sibanda / The Legendary George Sibanda

George Sibanda / The Legendary George Sibanda 音楽学者であるヒュー=トレイシーによる50年代を中心としたアフリカ・フィールド・レコーディング音源の中で最高傑作とも言われるジンバブウェの謎多きギタリスト、ジョージ=シバンダの作品を収録した貴重な1枚。48年から52年にかけての録音。
 以前からアフリカ音楽に興味はあり、それこそ現在のアメリカン・ミュージックのルーツ的なサウンドを探し求めていた時期もあったり。で、この作品の興味深い部分は、アメリカンポップの爆発的なムーブメントの後に、ギターという楽器と共にアフリカに流入した、アメリカンな音ををルーツとするフォーキーでポップなサウンドが収録されているって部分。
 この歌ってギター弾いてるジョージ=シバンダって人、最初に謎多きって書いた通り、写真も残っていなければ、他に音源も無いそうで、いわば伝説的な人のようで当時はたいへん人気があったそうだ。音的にはフォーキーでポップと書いたけれど、ラグタイムやブルース、カントリーにブルーグラスと、ホントアメリカンなギターサウンドが満載でありつつ、リズムの取り方はアフリカンという、まさにジンバブウェなフォークって感じで聴いてて楽しくなる音である。
 このCD、個人的には生まれて初めてネット通販で買ったモノである(笑)。店舗系には全然置いてなくて、このディスクの日本盤をリリースしてるアオラ・コーポレーションから直接。で、聴くためにiTunesに取り込むと、何とiTMSの日本のストアでも普通に取り扱いがあることにビックリ。こういう、物販として流通させるにはなかなか難しいが好きで欲しい人が必ずいるであろう類いの作品がiTMSなどのダウンロード販売で手軽に買えてしまうというのはとってもいいことである。
 ミュージシャンの作品というよりも、歴史的記録作品の意味合いが強いので、音質的にはとても良いとは言えず、ムラもあったりするけれど、それを帳消しにしてしまう程のジョージ=シバンダの生々しい迫力がこの中にはある。

George Sibanda - The Legendary George Sibanda

Shigeo Maruyama / A Young Father's Song

368.jpg ヴォーカリスト丸山繁雄の81年の作品。
 さすがに全然知りませんでした。80年代の日本人ジャズヴォーカリストって方面からはチェックしようとも思っていなかったし(笑)。90年代後半に一部クラブ系でこのアルバム収録の「I Sing Samba」を回してたDJが居たらしく、そこからちょっとした話題になって再発というか初CD化が決まって今年の1月にリリースという運び。
 知ったのは正確には覚えていないのだけれど、いくつか取ってるレコ屋系のメルマガのどれかで紹介されてて試聴してみたのがきっかけ。アルバム最初の曲である「Spring Bargain-Introduction」を聴いて、超カッコエエじゃん、と。この曲がこれまた超ファンキースキャットサンバな具合で聴いててとっても心地良い。購入以来、すぐにiPod nanoに仕込んで既に定番ナンバーとなっておる位です。
 音は81年のといえど、とっても新鮮ですんごく好きなんであるが一点だけ、微妙な部分があるとすればそれはジャケ。70年代の四畳半フォークみたいなジャケは何とかならなかったのか、と(笑)。しかし、この2006年に眺めてみれば、これはこれで味があって渋いとも取れるのかも知れない。いや、取れないか。。。
 アルバム全体を通して聴くとジャズのヴォーカリストな作品というよりもブラジルやアフリカの影響も強いし、ビートルズのカヴァーもあったりと、ポップさも兼ね備えてたりもするのでジャンル云々じゃなくて、丸山繁雄のアルバム!ってのが一番いいのかもね。
 好きなのはさっきも書いた一番最初の試聴時からお気に入りの「Spring Bargain-Introduction」から次のタイトル曲である「A Young Fathers Song-For My Two Sons」の流れと、アフリカンなインプロヴィゼーションっぽいヴォーカルの凄みが効いてる「Malaika」かな。
 丸山繁雄というヴォーカリストをご存知の方には待望の初CD化であり、自分を含めた知らなかった人々にとっては80年代のここ日本にこんな素晴らしい作品があったのか!って嬉し泣きな1枚であるのは間違いなし。

Kenji Ozawa / Ecology Of Everyday Life

367.jpg 小沢健二、4年ぶりとなる今年3月リリースの今のところの最新アルバム。
 今年に入ってからオザケンの新作が出るって情報は仕入れてて、発売後すぐに買ったのではありますが、聴いての最初の感想は「これなに!?」だった。良い悪い、好き嫌い、とかそういうのではなく、純粋にオザケンの新作って身構えで聴いて、予想を遥かに超えた音が飛び出して来たので驚いた、と。
 全曲インストで優しいけれどバリバリのエレクトロニカサウンド。世代的にフリッパーズ〜ソロ、特に「Life」の印象モロであるだけに、変化と進化を続ける小沢健二という認識は鬼のようにありつつも、新作ってなると、無意識的に90年代の音の感覚が甦って来るものであります。
 このアルバムを聴いてしばらくしてから知ったのだけれども、オザケン、このアルバムと連動する童話も書いておるんですね。それを知ってなるほど!って思いを強く持ちました。オフィシャルサイトに掲載されてます。ちなみに文章は全て画像で掲載されてたりするにも関わらず、ブログ形式ってなってます。
 さてさて、ようやく楽曲の方へ行きましょうか。ひと言で括るとすれば、「最近のその辺の腐るほどリリースされている訳分からんエレクトロニカモノより全然イイ!」と。音数が比較的少なめで洗練された印象プラス、とっても聴きやすい。打ち込みなんだけれど、人が作ってるって雰囲気も漂う。
 一番のお気に入りはタイトル曲である「毎日の環境学」。理由は単純で、大好きなソプラノサックスにエレピ、木琴等の高音フワフワ系が満載だから(笑)。
 音的に既にいわゆる90年代のオザケン!ってことを意識させてはくれない、この今な音が逆に今の小沢健二らしいなっぁーって思いつつ、そんなことこれっぽっちも意識下にありゃあせんわい、って方々を含め全ての人々にオススメできる良質のエレクトロニカなアルバムでございます。

Moacir Santos / Saudade

366.jpg ブラジル出身のサックスをはじめとするマルチプレーヤーでありコンポーザーやアレンジャーの奇才としても知られるモアシル=サントスがジャズの名門ブルーノートに残した2枚目の作品となる72年のこの「サウダージ」。
 ここ数年に渡って、ブルーノート作品が1500円という低価格で決定盤として次々とリリースされていましたが、1500番台や4000番台を始め、この「サウダージ」を含めたLAシリーズなど、数百タイトルがリリースされた中でその低価格からいくつか買い直したりもしてたんですが、このアルバムがこの決定盤シリーズで一番嬉しい買物だったかも。
 モアシル=サントス本人曰く、「アフロ・ブラジリアン・ソウル」って雰囲気たっぷりでありつつ、心地良いジャズテイストがたまらないアルバムとなっております。プレーヤーとしてはもちろんなのだけれど、アレンジが素晴らしい。とっても様々なタイプの楽曲がありつつも絶妙なバランスで1枚のアルバムとしてすごくまとまっているし、ホーンとエレピやピアノの絡みが壮大感で溢れ大人な雰囲気というか、とっても贅沢なサウンドなんである。
 歌モノや高音フワフワ系なフルートも満載でここのところの、アルバム通して聴く作品としては唯一と言っていい程のヘヴィーローテーションとなっております。
 定番な「Early Morning Love」と「A Saudade Matta A Gente」はもちろんイイのだけれど、個人的イチ押しな曲は「Kathy」。泣きのフルートにリズムの要的に裏でしっかり響いているコンガ、そしてスキャットというかハミングのような声のハーモニーにヤられてしまいます。
 何か、こういう作品ってこれまでも普通にリリースされてはいたけれど、ある種の知る人ぞ知るって感じになってたのが決定盤シリーズとして安価で誰でも入手しやすい状況になったというのはええことですわい。一応、限定盤って謳われていたりもするんで、是非明日にでもチェックしてみて下さいな。

Ohana / Ohana Hyakkei

Ohana / Ohana Hyakkei ハナレグミの永積タカシ、クラムボンの原田郁子、ポラリスのオオヤユウスケ、3人からなるユニット、ohanaの先月リリースの1stアルバム。
 この3人、ハナレグミのツアーメンバーでもあるし、昔からよく知ってるとのことで、新しいユニットとはいえ、聴けば初めてな感じではなく、聴いたことあるなーって雰囲気である。だからって、新鮮味が無いってことでは全然無くて、この3人の作り出す音なら大丈夫って言う安心感があるというか、そんな感じです。
 個人的に新鮮なのはアルバム前半を占めるオオヤユウスケ作品と永積タカシの声のコラボ部分かな。この組み合わせはほとんど聴いてなかったので。しかし、オオヤユウスケと言えばポラリスな人って認識が基本だとは思うけれど、自分の中では彼は完全にLaBLIFeのオオヤユウスケなんである(笑)。単に、ポラリスよりもLaBLIFeの音をよく聴いていたからってだけなんだけれどもね。
 さて、アルバムの音でありますが、さっきも書いた通りでオオヤユウスケ作品がとってもよろしゅうございます。正直ポラリスでの彼の曲よりイイんじゃなくて!?と思ってしまいました。モロ、レゲエやダブ的な彼の得意な作風も出しつつ、ohana独特なゆる〜い、いい意味で能天気な心地良さを醸し出す音がナイスですねー。
 で、一番のお気に入りはくどい程言ってるオオヤユウスケ作品である5曲目の「Heavenly」。大好きな高音フワフワ直系な音で何度も聴きたくなってしまう感じ。
 今回、オオヤユウスケだらけになってしまいましたが、永積タカシ&原田郁子、この2人についてはハナレグミやその他の部分で沢山語ってたりするので、今までほとんど触れてなかったオオヤユウスケをフィーチャーするのもありでしょう。もちろん、この3人だから成り立ってる音というのは言うまでもないんですわい。
 あ、5月14日のZepp Tokyoでの追加公演行きますー。誰か一緒に行きませんか!?

ohana - オハナ百景

Tomita Lab / Shiplaunching

Tomita Lab / Shiplaunching 冨田ラボ、ちょうど一ヶ月前にリリースされた2ndアルバム。
 もう一つのブログにも書いてたように、発売日前日にゲットし、ずっと聴いておりますが、そこまで必死に聴けてなかったりもする。とはいえ50回以上は聴いてるんですけれどもね。
 全然好きな音だらけでいいアルバムだな〜と思う反面、シングル3発の印象がアルバム通して聴いても凄く強くて、3年ぶりなアルバムっていう新鮮味に欠けるのが最大の原因なのかも。
 あとは先日の一夜限りのスペシャルなライヴのチケット入手にしくじったのもあるのかも(笑)。
 まあ、好きは好きだし、一つ一つの曲を聴いていくならば、エエ曲が溢れております。やっぱり高橋幸宏と大貫妙子な「プラシーボ・セシボン」はとっても心地よく、このアルバムでも際立ってヘヴィーローテになっております。あと、口笛マニアとしては5曲目のインストっぽい「Launching On A Fine Day」も外せません。
 シングル3発の印象が強いと書きましたが、その中でもやや印象薄だった「アタタカイ雨」はこのアルバムで聴いてすんごく好きになったというか、この曲は高橋幸宏の詞なのだけれど、さっきの「プラシーボ・セシボン」の流れから聴いてると、ちょっと前に歌ってた高橋幸宏が今度は詞で出現って思って聴くと、個人的にはとっても感慨深く聴けてしまうんでありました。
 あとはラストの「Prayer On The Air」。高野寛の詞とストリングスアレンジの絶妙なバランスと後半のコルトレーン「至上の愛」へのオマージュ的ベースラインが泣けます。
 新鮮味が無いって言ったものの、これを書くにあたってじっくりと聴き直してみれば、やっぱり大好きなアルバムだなぁーって思っております。1st同様長く聴いていく作品となることでしょう。