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sutero choice sound selection

Soulstance / Act On!

 ソウルスタンスの2000年の2ndアルバム。
 只今、個人的ブームなフワフワ系です。しかし、彼らの音は打ち込みでビートはしっかりしている。フワフワ感を大きく引き出しているのはウワモノの電子楽器系の音。きっちりプログラミングされた音だけれど、とっても気持ちいい。
 フワフワ系と分類しなくても、元々はジャズ魂を持ったアーティストという印象を持ってて、それは今も変わらず。ボッサぽい曲やサンバ的なもの、いろんなリズムがちりばめてあっていい感じ。発売当時はヘビーローテーションだった。
 検索サイトで日本語検索にてソウルスタンスを調べると、昔選曲してたラジオ番組のサイトが引っ掛かったのはちょっと嬉しかった。まあ、そのサイトを作ってた張本人でもあるし、ラジオでもかけてました。

Olo / Still Life With Peripheral Grey

 オーロウ、2001年の1stアルバム。久々に経歴とかあまり知らないバンド。インディアナ州の5人組、なんて解説書にある。
 音聴いてそれで気に入ったアルバム。ギターなどのメロディラインと、オルガン、そしてストリングス系の効果的な響きでこれまたフワフワ感たっぷりの1枚。
 1番サウンド的に要だと思えるのはドラムのしかもシンバルの音。何となくフワフワに何も考えず聴けてしまうのだけれど、シンバルの刻みが実に細かいことに気付く。メロディは同じでも刻みのスピードが急激に変化していたりして、とっても面白い。
 タイコの深さが味わえる。そんな作品はあまりないというよりも、そこまで普通意識しないんだと思う。だけど、彼らの音はそこを心地良く意識させてくれる。
 これ書きながら久々に聴いてみたけれど、またもやハマりそうだ。

The High Lamas / Gideon Gaye

 ハイ=ラマズ、94年の2ndアルバム。92年の最初の作品がミニアルバムなので、1stフルアルバムという表現がされている場合もあり。
 とってもポップであり、ダウナー系でもあり、だけど全体は何とも言えぬフワフワ感で一杯。楽曲、音色ともシンプル。けれど、ストリングスが多用されているので広大な感じがする。11曲目の「Track Goes By」は14分を越える曲なんだけれど、9分過ぎからミニマム展開になる。これがまたクセになる。
 96年の3rdアルバム「Hawaii」が日本では結構有名で、こちらはこちらでイイ感じなのだが、やっぱりこのセカンドがお気に入りかな。
 音がギッシリ詰まってる作品も大好きだけれど、ハイ=ラマズのようにたくさんの楽器を使っていながらいい意味で薄っぺらく聴こえる音というのも悪くない。薄っぺらというよりも、文章でいうところの行間を読めじゃあないけれど、音の鳴っていない部分まで含めて作品として成り立っている文学みたいな作品だ。

Scha Dara Parr / Wild Fancy Alliance

 スチャダラパー93年の3rdアルバム。いわゆるラップ、ヒップホップの類はほとんど聴かない系の人間なのだが、彼らの作品だけは全部じゃないけれど結構聴いてる。
 2曲目に「ヒマの過ごし方」というのがあるのだけれど、これが大好き。これが出た93年の春というのは自分自身がヒマだった。ということでシンクロする部分があって面白く聴いてた覚えがある。
 サウンド的にもサンプリングのネタとかも凝ってるし、ビートも重たいしカッコイイんだが、彼らといえばそのリリックというか詩が好きだ。まだまだ日本人のこういう系のアーティストは少なかったし、日本語でラップするというのも、抵抗ある人が多かった時代。だからこそ、ヒップホップ系とは考えず聴いてたんだとも思う。
 最近またたまに聴くけれど、楽しいし、一層深い作品だなぁとつくづく思う。

Paul Weller / Wild Wood

 ポール=ウェラー、93年の2ndソロアルバム。ジャム、スタカンとスゴイことをやってきた人であるが、ソロになってからのウェラーがともかく大好き。
 特に今回紹介するこのアルバムはギターを弾きながらもう何度聴いたか分からないくらい聴いている。
 ソングライティング、ファッション、言動と、カッコイイしスゴイ。けれど、個人的にはギタリストとしてのウェラーが大好きなのである。ライブを観た時もPVでもギターと手元に気が狂う位に集中している自分がいる。いいや、手元だけでなく、ギターを持っての立ち振る舞いまでもそうだ。
 このアルバムでは「The Weaver」って曲がお気に入り。ギターはとっても簡単だが、バッキングにカッティング、ソロ、絶妙。途中のマイナーに転調する部分はいつ聴いても震える。
 ともかく、いろいろ語るよりも一緒になってギターを弾いていたい音がここにはある。結局大ファンってだけなのだが・・・。
 余談だけれど、犬を飼うならウェラーと名付けたいと思ってる。
Wild Wood

Fantastic Plastic Machine / Too

 Fantastic Plastic Machineのこの冬リリースの4作目となるアルバム。
 この田中知之という人の音のセンスは物凄く好きだ。あまり外見で判断するのは良くないのは承知しているが、彼は太っているのにこんな音を作り出してしまうのはスゲエ。個人的に、敬愛の意味も込めて田中はんと呼ぶことにしている。
 これまでの作品から比べると、どうしてもちょっと大人しい感じだなぁーと思ってしまう方も多いようで、確かに派手さはないのだけれど、これまたメロウ感がいい。それはもう抜群に。
 すぐ下のテイ=トーワの作品と発売日が同じで、amazon.comに一緒に買うのにオススメとあったんで、連続して載せてみた。マシン繋がりでもあるし。確かにどちらか一方が好きな人であれば、両方気に入ると思う。どっちもずっと前から大好きな方々だけれどもね。
 そうそう、FPMといえば、毎回PVの作りも凝ってて面白いんで、観る機会を持って観て欲しいかも。

Sweet Robots Against The Machine / Re: Towa Tei

 Sweet Robots Against The Machine名義で昨年リリースされたテイ=トーワのアルバムのリミックス集として、この冬にリリースされたのが今作。名義的には分かりにくい方もいるかも知れないけれど、アルバムタイトルがテイ=トーワってなってるんでオッケーでしょう。
 さて、音ですが、世界の有名なDJ達によって思いっきりなリミックスがほどこされています。中でもやっぱりカヴァー曲でありとっても名曲な「Free」がいいかな。リミックスじゃあないアルバムのヴァージョンよりこっちの方がメロウですな。2ミックス入ってる。
 でも、一番の注目は1曲目の唯一の新曲である「The New Folk」でしょう。ピコピコしてます。あと、個人的にスゴイと言えるのはこの曲をケータイの着メロにしてます。普通は着メロなんて全く使わず、ただの電子音かブザーみたいなのばかりなこのわたくしが!というだけでスゴイことです。

Tony Bennett / My Beat Of My Heart

 ジャズシンガーとしてはとても有名なトニー=ベネットの57年の作品。
 こういった大御所クラスになると、個人的にはスゴイとは思うのだけれど、音楽的にはコテコテ感が強すぎてそんなには聴かないのだけれど、このアルバムは好きだしカッコイイ。
 リズムセクションにアート=ブレイキー、キャンディッド、サブーといったアフロキューバン系を感じさせるメンバーが名を連ね、とても感情豊かなサウンドに仕上がっている。ドラムだけでなく、パーカッションが加わることによって、リズムの広がり方が自由になるし、聴いてて面白い。
 とはいえ、このアルバムとの最初の出会いは、こういう事情を知っていたからではなくてトニー=ベネットのアナログが再発されるという珍しさからであった。しかし、きっかけはそうでも聴いて大正解な1枚。

Tica / Latest Rules

 武田カオリと石井マサユキの2人によるユニット、ティカの今週リリースされた3rdアルバム。
 デビュー時からその独特なカヴァーセンスが光っていたけれど、今作はアルバム全14曲中10曲がカヴァー曲。有名無名を問わず彼らの好きな、イイと思ってる曲がセレクトされている。10曲もあるので細かい説明はしないけれど、彼らのサイトで確認してみて欲しい。試聴もできるし。
 サウンドは静かでフワフワ感たっぷり。武田カオリの歌声が何とも心地良い。4曲のオリジナルと10曲のカヴァーは全てを合わせて1つの世界観を醸し出していて、ティカのアルバムである!以外の表現はできないくらい。
 個人的にはナチュラル=カラミティのフワフワ感とクロスオーバーする部分が感じられて大好きな音だ。その森俊二もギターで2曲ほど参加しているし。
 真っ暗な中で聴いていたい作品。

Bebe / Bossa Nossa

 No.11でも紹介したJazztronikの初期にヴォーカリストとして参加していたbebeの2000年のソロデビューアルバムからセレクトした、6曲入りのアナログ限定ミニアルバム。2001年発売。サウンド&プロデュースは野崎良太が手がけ、詩は彼女自身によるもの。
 声の不思議な感じとアコースティックと打ち込みが絶妙なバランスで絡み合ったこの感じは、実に新鮮であり、懐かしくもある。日本語、英語、ポルトガル語それぞれの詩の曲が混じっているのだけれど、全く違和感なくスムーズに耳に入ってくる。
 音はこれからの季節にピッタリだし、言うことはないのは当然として、実際にはこのレコードはジャケ買いです。発売当時、渋谷のレコード屋をウロウロしていてこのジャケットを目にして「可愛いジャケだ!」ということで即手に取ってた。レコードは音はもちろん重要だと思うけれど、ジャケットデザインも同じくらい重要だと思う。なによりCDと比べサイズも大きいし。
 さて、彼女は最近ニューアルバムをリリースしてまして、ジャズ仕様でアルバムのジャケ写は篠山紀信撮影。

Cymbals / Love You

 本日発売のシンバルズ、4枚目のアルバム。
 デビュー前から彼らのことはよく知ってて、ずっと音も聴いてきたけれど、3枚目からのサウンドが個人的にも好きなラインになって来てて、このアルバムでバッチリといったところだろうか!?
 早速のお気に入りは3曲目の「アメリカの女王」。グルーヴィーなジャズチューンナンバー。発売前から音楽チャンネルにてPVがよく流れてたんで、その度に画面に釘づけになって観てた。映像はモノクロでまあ、普通といえば普通にカッコイイ感じなのだが、やはり音。リズム隊のうねりがすばらしい。
 このアルバムにて楽曲とヴォーカルの土岐麻子嬢の声のバランスが自分のツボになった。
 本日発売と書いたけれど、正確には昨日の午前中から店頭には並んでました。発売日は確かに今日。日本の音楽物流システムでは発売日の前日午前中に店舗に配達され、販売可能となるようになってる。

Jackie Mittoo / Reggae Magic!

 ジャマイカのキーボーディスト、ジャッキー=ミットゥの72年カナダで制作されたアルバム。
 オルガンサウンドのレゲエといえばジャッキーってくらい有名だし、名盤ともいわれるアルバムです。オーケストラとオルガンの共演がすごく壮大で心地よい響きをもたらしてくれてます。ほとんどが彼のオリジナル曲であるが、ギルバート=オサリバンの名曲「Alone Again Naturally」や「Only You」で有名なプラターズの「Smoke Gets In Your Eyes」といったポピュラーな曲もオルガンの温かいテイストでカヴァーされてます。
 この欄の最初に紹介しているエリス=レジーナの作品もそうだけれど、オーケストラをバックにした豪華な演奏というのが大好きなのであります。オーケストラのみの作品は得意じゃないけれど・・・。
 余談でこの作品にはカナダ国内向けの別ジャケット仕様というのも存在します。

Bola Sete / Bossa Nova

 ブラジルのギタリスト、Bola Seteの62年のファーストアルバム。タイトルはまんまのボサノヴァなんだけれど、62年という年代的にもサンバ要素もふんだんにありつつ、ジャズ系の奏法でも聴かせてくれる。
 彼のアルバムのほとんどはFantasyというアメリカのジャズメインのレーベルから出てて、のにちトリオやコンボでの作品も発表していくんですけれど。
 1番影響を受けたのは20年代に活躍したジャンゴ=ラインハルトだそうで、なるほど!という感じもあるのだけれど、そこはやはりブラジル出身だけに、このメロディアスなフレーズは彼独特なものがある。
 それにクラシックギターのナイロン弦の柔らかな響き、ここに個人的には惹かれるモノがあるんでブラジル系の音は大好き。他のアルバムではショーロをプレイしてたりします。

Weldon Irvine / Time Capsule

 キーボーディストであり歌も歌うウェルドン=アーヴァインの73年の作品。RCA時代の作品はフリーソウルが流行った頃に注目されたりしたけど、これは自らのレーベルからリリースしている自主制作モノ。
 すごくソウルフルであり、ファンキーだしジャズ的要素もみられてカッコイイ。何よりエレピサウンドが好き。
 で、このアルバムでは4曲目の「Deja vu」この曲です。93年のスピリチャル=ヴァイブスの1stアルバムでカヴァーされてて、すごくいい曲で好きになって、このオリジナルの方をという辿り。9分を越える長い曲だけれど、静寂とグルーヴの詰まった至極な1曲。
 70年代初頭の音楽は世界的にもいろんな転換期で面白いモノが多いけれど、特にブラックミュージック系には好きな作品がたくさんある。自分が生まれた頃だということも関係しているかも知れない。

Morton Feldman / Piano And String Quartet

 作曲家、モートン=フェルドマンのピアノとストリングスのための楽曲、85年の作品。演奏はクロノス=カルテットと高橋アキで93年リリース。
 モートンは現代音楽の作曲家でジョン=ケージなどと同時代に活躍した。個人的に彼は帽子好きだと思う。大抵の写真で帽子被って写ってるから。
 サウンドは鬼のようなミニマム。79分33秒という長い曲であるが、最初から最後までポツポツとピアノとストリングスの音が間隔的に小さな音で鳴っている。聴き込むって感じの音ではないが、この究極的なミニマムの手法のせいかどうか、引き込まれていく不思議な感覚が味わえる。
 このCD、現代音楽を聴き始めた頃に友人であり同僚だったクラシックバイヤーから頂いたものだ。以前の仕事柄、人にあげることはあっても貰うことはほとんどないんで、そういった意味でも貴重なCDかも。

Anonymass / Opusol

 最近はあまり自分から音楽情報を仕入れようと動いてなかったので、最新モノに関しては疎くなっているんだが、やっぱりそれではイカン!と先日黄色と赤のレコード屋さんにて試聴器をかたっぱしから聴いてみた。
 その時耳にとまったのが、今回紹介するアニノマス。日本人の4人組のユニットらしい。久々に情報先じゃなくて音のみで反応したアルバムかも。
 聴いてすぐに大好きな竹村延和を連想した。彼の「こどもと魔法」をよりポップにメロディきちんと書きました、って感じかな。とにかく個人的に音楽魂をくすぐられるラインであることは間違いない。
 買って帰ってジャケットやら帯やらをよく見ると、小山田圭吾や坂本美雨のコメント付いてるし、レーベルはMidiだし。情報先行でも間違いなく買ってたなと思った。

John Coltrane / Live At The Village Vanguard

 ジャズのアルバムということで初めて買ったのがこのコルトレーンのライヴ盤。
 コルトレーンについてはバラード系の聴きやすい作品とフリー系の激しいというか、人の理解を越えるような音というイメージのある人と2つにわかれるような気もするけれど、個人的にはどんな感じの音であってもコルトレーンの吹くサックスの音はコルトレーンの音!ってはっきり分かるんで、ジャンルだとか作品の感じ云々より、とにかくコルトレーンはコルトレーン。
 この作品ではソプラノサックスが多用されているけれど、ホント、ソプラノサックスのコルトレーンはすごく気持ちいい。エリック=ドルフィーがフルートでも参加しているのが、ソプラノの音に重なってこれまた管楽器の高音系好きにはたまらない。
 コルトレーンを聴く以前は実はフリーのキツイ系だということを周りから聞かされていたので、どんなにキツイのかという部分で楽しみでもあったし、聴けないかもと思ったりしてたんだが、聴くことによって一瞬で大好きになり、ジャズの世界へのめり込んで行くきかっけともなり、これ以後フリージャズ系もガンガン聴くようになっていった。
 普通、コルトレーン入門には「Ballads」と定番のように言われているけれど、絶対この作品からがいいと思う。いろんなレビューなんかにも、聴きやすくてオススメ!という文句が「Ballads」には付いてて、それはその通りなんだけれど、それ以後の本当のコルトレーンサウンドに耳を傾けずに終わってしまう可能性大だから。是非とも最初だって方がいらしたらこのヴィレッジヴァンガードをどうぞ。

World Standard & Wechsel Garland / The Isle

 World Standardとして活動する鈴木惣一朗とWunderで知られるヨルグ=フォラートによるコラボレーションアルバム。ヨルグは今回はヴェクセル=ガーランド名義。
 サウンド的に静かというか、おとなしい感じで、すごく漂流感でいっぱい。音数もとっても少ないんだけれど、ピアノやギターの一音一音が確実に心まで伝わってくる。全体を通して聴くと、このアルバムにしかない世界観も感じ取れる。ある種のサントラ的というか・・・。
 最近のサントラっていろんな楽曲をかき集めた類いのモノが溢れてて、あんまり好きではないんであるが、このアルバムの方がよっぽどサントラだ!って言える。もちろんこれはサントラではないけれども。
 リリースは先月。まだあまり聴き込んではいないが、とても静かな夜中なんかにさり気なく聴くとフワフワで気分よくなれる。カフェなんかで流れててもいいかも知れない。

Godz / Contact High With The Godz

 ほとんどの人が知らないであろうバンド、Godzの66年の作品。ESPという、フリージャズやアバンギャルド系の作品では有名なドイツのレーベルから出てて、これを買った数年前当時、FugsというこれまたESPから何枚か出してるバンドをよく聴いてた時期があるのだけれど、それでESPのカタログを見てて、このGodzがすごく気になって特注して聴いたこともなかったのに取り寄せて購入したという経緯がある。
 サウンドであるが、1曲目がいきなりバンドのみんなでネコの鳴きマネでキャーコラキャーコラ言ってる「White Cat Heat」って曲から始まりビックリするんだが、全体的にはフリーセッションのような感じがありつつ、フォーキーな部分があって好きなライン。
 ほとんど自作の曲であるが、ラストにカントリーの大御所、ハンク=ウィリアムスのカヴァーが入ってるところがニクい。
 ジャケ写は赤いけれど、これは再発盤がこの色でオリジナルはモノクロ。

The Rolling Stones / Beggars Banquet

 言うまでもない、ストーンズ68年の名盤。最初に聴いたのは高校生の時だったと思う。1曲目「悪魔を憐れむ歌」、これに尽きると思う。何てスゴイ日本語タイトル付いてるんだろうと思ったりもするけれど、音がたまらなくカッコイイ。この曲があればいい。
 ストーンズのアルバムはもう何枚か持っているけれど、ほとんど聴いてない気がする。このアルバムさえ、1曲目以外をまじめに聴いていないとも言えるかも。
 現在も活動中であるし、サウンドにもいろいろあって深いだろうし、ビートルズ派、ストーンズ派なんて論争じゃないけれどいろいろ語られたりしているが、個人的にはストーンズは上記の1曲目のままなバンドだ。もったいないのかも知れないし、このままでいいのかも知れない。この先聴き始める可能性もおおいにあるし。
 ただ、エレキでテレキャスター・カスタムというのが一般にキースモデルと言われているのを知らずに購入してたりする。それと、ドラムのチャーリー=ワッツのハイハット3拍目を抜いた叩き方は大好きだ。
Beggars Banquet

Jazztronik / Set Free

 リミキサー、DJとしても有名な野崎良太のソロユニットであるJazztronikの最近発売された2ndアルバム。
 個人的に久々に打ち込み系というか、クラブ系というか、そんな感じの音を買ってみたのだけれど、これはイイ感じです。大音量とちっちゃな音と両方で聴いてみたところ、チープなスピーカーから流れてくるのも悪くないというか、ベッドルームミュージックとして小さい音で聴くのが適しているかも。パーカッションの音が強調されるんでチープなスピーカー、是非お試しあれ。
 大抵のサウンドを聴く場合、ベースとドラムという、リズムメインで聴いているから、こんな見解になるんだろうけれど。Jazztronikの場合は名前の通り、ジャズがメインですが、アフロだとかハウスだとかいろんなリズムが混じってて好きですな。
 じっくりヘッドフォンで聴くのもよし、チープなスピーカーで暗い部屋で聴くのもまたよろしというところかな。

Spanova / Super Ball

 兄弟ユニットスパノヴァの99年のセカンドアルバム。ファーストが大好きで多分ここ5年間では一番聴いているアルバムだとは思うけれど、このセカンドの3曲目「Untitled」が時に無性に聴きたくなる。今日がそんな日であった。
 彼らのサウンドはやはり、リズムの良さがすごい。レコーディングからすべて自分達のスタジオでやっている兄弟の人力感がとてもリズムに表れている。それがとてつもなくグルーヴィー。
 アルバム全体ではサッカーをイメージした歌詞が面白い。あと、いつもであるが、SE的に使われる近所の子供の声がとってもいい雰囲気を演出する効果となっている。
 誕生日にこのアルバム、というか3曲目が聴きたくなったのは、理由は何もないけれど、良かったと思うし、聴いてみてとても嬉しい気分になれた。

O.S.T. / The Harder They Come

 ジャマイカ映画というかレゲエの映画といえば「ロッカーズ」とともに名前のあがる作品である「ハーダー・ゼイ・カム」。サントラであるこの作品もとてもいいアルバムであり、レゲエ入門にもちょうどよい。
 何と言ってもこの映画、アメリカで初めて英語映画なのに英語字幕が付いた映画でもある。ジャマイカなまりな英語は観ててカッコイイとも思えるのだけれど。
 さて、主演でもあり、サントラのほとんどを占めるジミー=クリフが元々大好きで、だからこそジャマイカ映画といえばまずこの作品が思いつく。レゲエといえばボブ=マーリィという図式があるかとは思うけれど、個人的にはジミーさんを大プッシュですな。
 最近CMなどにも使用されたりする邦題「遥かなる河」も収録されてます。ジミーさん同様大好きなメイタルズが映画の中に本人達として出演しててレコーディングしている様子は鳥肌モノでした。
 アナログでしか持ってないのだけれど、このアナログ盤が録音レベルが小さいのが困りもの。まあいずれCDで買い直すでしょう。

Tommy Guerrero / Loose Grooves & Bastard Blues

 トミー=ゲレロ、98年のファーストアルバム。元プロスケーターであるが、その方面については全く興味がなかったので普通に聴いてたような気がする。その当時は自分の周りの人間は結構みんな聴いてた。
 サウンドに関してはものすごくシンプルで静か。ギターとベースとドラムという基本の3ピース構成で、インスト多し。ギターだけ聴いてるとジャズのようにも感じられるし。ずっとギター弾いてた人間としてこのシンプルでありつつメロディアスなサウンドに衝撃を受けたのを覚えている。
 つい先日3rdアルバムが出たばかりだけれど、今のところこのファーストが好きかな。昨日アルバム発売のプロモーション番組みたいなのを音楽チャンネルでやってて、ライブ映像もたくさん出てて、ファーストからの曲もいろいろ演奏してたんでじっくり観てしまった。音はもちろんいいのだけれど、初めて気付いたことがある。トミー=ゲレロは手がもの凄く綺麗だということ。
Loose Grooves & Bastard Blues

Tomita Lab / Shipbuilding

 キリンジ、平井堅、bird、Misia、中島美嘉など、数多くのプロデュースで知られる冨田恵一の初のソロアルバム。ソロというよりも、名前の「ラボ」が示すようにさまざまなアーティストとのコラボレーションによって生まれた実験場のようなスタイルと言った方がいいかも知れない。
 上記のアーティスト作品の冨田ワークをご存知なら分かると思うけれど、とってもポップで聴きやすい。ハナレグミとの「眠りの森」、畠山美由紀との「耐え難くも甘い季節」はフェイバリット。しかし、このアルバムの中で意外というか、ハマってる!と思えたのは松任谷由実との「God bless you!」だった。ユーミンの歌声を丸々一曲通して聴いたのは10年以上ぶりだったけれど、聴く回を重ねるごとにしっくりくる。不思議なくらいに。
 作品通して個人的ツボなアルバム。最近のヘビーローテーションになっている。

Calm / Ancient Future

 たまには今の音を。Calmの先月発売された最新アルバム。音の具合を何と説明すればよいのか??個人的にはCalmの音だ!としか言いようがないのだけれど。エレクトリック系の鍵盤の音使いがCalmらしいというか独特な世界観を演出している、とでもいいましょうか・・・。相変わらずの心地よいフワフワ感はいい意味でたまりません。
 これまでの作品よりもビート的に多少おとなしめですね。でもアフリカンな感じは増してて深いです。
 知らない方のために言っておくと、Calmはカームと読みます。日本人のソロユニットです。ラストラムという、いわゆるインディーレーベルからのリリース。音楽業界も厳しいと言われる昨今、こんな音もこの国からは発信されてるという事実も嬉しい。
Ancient Future

Van Morrison / Tupelo Honey

 60年代のThem時代からヴォーカルとソングライティングには定評があり、今現在も活動を続けるヴァン=モリソンの71年の作品。
 いわゆる洋楽、外人さんの作品としては一番よく聴いているアルバムかも知れない。最近はディスクが行方不明で聴きたいのに聴けなかった状況が続いていたのだけれど、つい最近のテレビ神奈川の70年代のロック系のライブ特集みたいな番組に出てて、画面観ずに音だけ聴いてたら聴き覚えのある太い歌声に画面に目をやると、ヴァンさんじゃないですか!久々の再会に嬉しさと興奮が。
 再会の喜びを長々と書きましたが、サウンド的にはポップスとカントリーがとてもキレイに融合した聴いてて気持ちいいアルバム。アイルランド出身の彼ですが、なぜにカントリー的!?と思われる方もいるかもですが、カントリーの源流はアイルランドミュージックにありきです。この作品聴いてたからこそのちにブルーグラスやカントリーも聴けるようになった気もする。そんな布石的アルバムでもあったりする。
 1曲目の「Wild Night」、これ大好きです。