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sutero choice sound selection

Bracha / Bracha

 ユーゴ出身のギタリスト、ミロスラフ=タディチを中心としたトリオである、ブラシャの88年の唯一のアルバム。ドイツはCMPレコードからのリリース。
 ギターとバンブーフルートとパーカッションというトリオで、とても美しいサウンドを聴かせてくれている。クロアチアやボスニア方面のフォーク、トラッドとジャズが混ぜ合わさったような、神秘的とも思える雰囲気も漂っている。
 こんな珍しいというか、あまり知られていない作品でも94年に日本盤がリリースされていたのであった。ジムコという、これまた地味なレーベルから。すぐに廃盤になったけれど。
 その日本盤のサンプルを所有している。全然売れなかったのだけれど、個人的にはすこぶる気に入ったから。その頃、友達のカフェでも流してたりして、ホントに一部では好評だったのにねー。
 東欧系のフォークなんて普通は想像つかないと思うけれど、この作品、フルートが入ってるから、高音フワフワ系としても楽しめる1枚。竹のフルートだから気持ち優しい音をしているし。
 パーカッションにはいろんな太鼓が使われてて、リズムは曲によってはインドっぽくもあって、とってもオリエンタル。解説を読むと、インド音楽にインスパイアされたりしてるともあったので、納得。
 抜群に夜中が似合う心地よい高音サウンド。現在、国内での入手が微妙かな!?アマゾンもドイツでは扱ってた。何曲か試聴出来るサイトを発見したのでお試しあれ。

Pape & Cheikh / Mariama

 セネガルのフォークデュオ、Pape & Cheikhの2002年のアルバム。
 リリース当時にアフリカコーナーを物色していた時に試聴もせず、単にリアルワールドレーベルのアフリカモノだって理由で買ってみた作品。
 で、聴いてみて正解!な1枚。アコギと歌のシンプルでありながらも、奥の深い作品。やはりアフリカのビートの独特さもあるし、ハーモニーの面白さ、そして、効果的に入ってくるアコーディオン!?の音がとっても心地よい。
 情報的にあんまり持っていないので、素直に聴いた感じで。モロ、フォーキー&ハーモニーと手拍子の臨場感、そしてアフリカ独特なパーカッションが美しい「Kamalemba」や、同じくパーカッションの響きが気持ちよくて、ギターのカッティングやメロディはカントリーやブルーグラスにも通ずる部分のある「Fanick」がお気に入り。
 アフリカ系のサウンドはモロな民族系も好きではあるけれど、長く聴けて気分が高揚するより、リラックス出来る感じの、前にも紹介したS.E.ロジーだったり、この彼らのようなシンプルでアコースティックな楽器とハーモニーがイイ。
 エレクトロニカなんかの、モロな打ち込みとかテクノロジーを駆使したサウンドももちろん大好きだけれど、人力というか、俺ら奏でてますぜ!って音が心にグッとくるのはまぎれもない事実でもある。

Izumi Kato / Saint-Exupery

 加藤いづみ、91年の1stアルバム。これと2ndとは狂ったように聴いておりました。
 加藤いづみという歌手は個人的には、椎名林檎の登場までは、息継ぎがハッキリ聴こえる度ナンバーワンの方で、その歌い方が大好きであります。特にこの最初の2作品はサウンド的には女の子なポップスなのだけれど、やはり声がイイのです。
 この声との出会いは、受験勉強な時代。夜中にふとニッポン放送を探った時のこと。(当時は広島在住でニッポン放送は普通では入りません。)オールナイトの2部でRCの「スローバラード」をアコギの演奏で渋く歌う女性の声にギョっとしてしまい、それが加藤いづみだと知り、そこからファンになったのでございます。
 さてさて、そんな感じでよく聴きライヴにも行ったり。しばらく聴かない時期が来たのち、キャンペーンでレコ屋に来た時に写真、握手、サイン&色々トークというレコ屋兄ちゃんの特権を活かした嬉しい出来事もあったりしたものの、そのままになってました。
 好きである、という経歴だらけになったけれど、最近聴くとまた、中々、フォーキーでよろし。1st&2ndの頃は高橋研というミュージシャンのプロデュースで、まとまってもいるし。
 1番の息継ぎハッキリナンバーは10曲目の「空飛ぶカウボーイ」。最初に出会ったアコギと声というスタイルがほとんどを占める、シンプルで息継ぎもハッキリ過ぎる程聴こえてツボです。

Little Creatures / Radio Collective

 リトル・クリーチャーズ、99年リリースのベストアルバム。midiレーベル時代の楽曲をまとめたベスト。
 基本的にベストアルバムよりもオリジナルアルバム派ではあるが、このクリーチャーズのベストは大好きである。セレクトされた曲が好きなのばかりだし、曲順もイイ感じなのだ。
 やはり、リリース当時に聴き狂っていた作品。というか、去年まではホントよく聴いていた。元々、クリーチャーズに対する「イカ天出身バンド」という過剰なまでの思い込みがあったのもあって、96年頃まではまともに聴いたことがなかったというのもあり、このベストでじっくり聴いたら、やはりイイバンドだったんだって再認識した感じだ。
 好きなのは1曲目である「Muddy Sky」。乾いた疾走感というか、地味なんだけれど、グッと来るグルーヴ感が心地よいナンバー。コーラスの畠山美由紀の声がこれまた嬉しい感じで挿入されているのもよろし。
 最初にも書いたけれど、曲順のバランスがとっても良いので、全16曲をサラっと気分よく聴けて、何度も聴きたくなる1枚。
 ここ3年弱、新作出てないから、そろそろかなーと思いつつ、楽しみな日々をこの作品を聴いて過ごすのもまたよろし。

Cornelius / The First Question Award

 昨日の流れの感じで本日はコーネリアスの94年の1stアルバムを。
 オザケンの「Life」程ではないけれど、このアルバムもかなり聴いていた記憶がある。最近の作品も好きだし、関連するものも沢山聴いて来ているけれど、コーネリアスとなってからの作品として、1番楽曲で勝負しているのがこの1stだと思う。
 あっ、他の作品がダメとか言うのではなく、もちろん好きだし面白い。以前紹介した「Point」は大好きで今でもとってもよく聴いているし。
 楽曲で勝負というのは、1st以降が結構いろんな実験サウンドというか、ギミック的で面白い手法を取り入れているのに対して、このアルバムはバンドサウンドと歌というハッキリした部分があるから。
 大好きなのは4曲目の「Perfect Rainbow」かな。何故か!?と自分で考えてみると、12弦のアコギとブルースハープの音にヤられたんだなぁと思った。スティーヴィー的でもあり楽しく泣ける曲だ。
 そういえば、このアルバムのジャケにもなっているT-シャツ、流行ったなー。そんな小物やらジャケットの仕様であるとか、そういう部分にも細かい気配りというか仕掛けを繰り広げることが得意なのも小山田圭吾って人の素敵な部分だと思う。
 フリッパーズからそれぞれのソロとかいろいろ聴いて、ある意味で最もロックな作品がこのアルバムではないか!?とも思う。

Kenji Ozawa / Life

 小沢健二、94年の2ndアルバム。言うまでもなく、オザケンと言えば、この作品!っていう位の代表作。
 この94年というのは学生時代の最後の年で確か通学の車の中で、「飽きないのか!?」って言う程聴き狂っていたアルバムだ。
 最近はたまーに聴く程度だったんだけれど、iTunesに取り込む作品を漁ってて、「これだ!」な具合で早速取り込んで聴く。良い良い。
 何故に、ここまで全曲ポップでキャッチーでありつつ、サウンド的にもしっかりしているのか!?低音もかなりこだわって録ってあるし、歌詞も2曲目のタイトルと同じく「ラブリー」な詞ばかりだ。
 本日、久々にヘッドフォンで聴いてみて、その昔、鬼のように聴いていた頃には気付かなかった音の仕掛けも沢山発見してしまったし。
 この作品も以前紹介した1stと同じく大好きだった元スカパラの故青木達之の刻みが素晴らしい。とにかく、全体的にウルトラ級な凄い作品を彼のリズムの刻みがとてつもなく引き締めているのだ。
 ミーハーな物言いばかりになってしまうけれど、ミーハーだろうが何だろうが、あの90年代初頭から中頃の渋谷系全盛なムーブメントの最たる部類なオザケンであったが、それだけじゃなくて、ホントに凄い作品だっていうのが、今聴いても素晴らしい!と思える、ここに全て集約されている。
 イイのだ!マジで。

Carlos Lyra / Bossa Nova

 シンガー&ギタリスト、そしてコンポーザーである、カルロス=リラの60年と61年発表の1stと2ndが一緒になった2in1アルバム。ここに掲載しているジャケットは1stの「Bosa Nova」のもの。
 ジルベルトやジョビンに続いてボッサの中核を支えた人物。1stのタイトルがモロなのも納得です。ボサノヴァという言葉を商標登録しようとしていたっていう、有名な逸話もあったりする。
 で、歌、ギターもとってもイイ感じなのですが、やはりリラといえば、その曲ですな。このアルバムはもちろん全て彼の曲です。とっても優しいというか、ソフトでムーディー。楽器の使い方がキレイ。クラシック的というかジャズ的というか、シャンソンのような雰囲気もあったりと、とにかく爽やかキレイ系なボッサとなっております。
 曲の尺も長くて3分半以内で、ラジオ向きな感じ。それはまあ時代的なものもあるのでしょうがないけれど、そんな短さでもとっても素敵にまとまっているっていう、コンポーザーとしての技も垣間見ることが出来たり。
 好きなのは1stの最初の曲である、「Chora Tua Tristeza」。邦題は「お前の悲しみが泣く」。タイトルは悲しいけれど、とってもポップでこのアルバムの全26曲の中で1番ボッサ的な楽しいテンポの曲。
 この作品の後のリラは、やはり、作曲家としての活動がメインとなって、自身のアルバムというものはそんなに多くないので、ブラジル好きな方であれば、この最初の2作品がまとまってる盤は押さえておくべきでしょう。

Spanova / Dead Music Flamingo

 兄弟ユニット、スパノヴァの98年リリースの1stアルバム。
 多分、98年以降、アルバム単位で考えて1番たくさん聴いている作品。アルバムの帯のコピーに「ぼくらの日常のもうひとつのサウンドトラック」ってあるのだけれど、まさにそんな感じで自分にとってこの作品は溶け込んでいる。
 ほとんどの楽器やプログラミングを自分たちで、自分たちのスタジオで録ってるっていうのも最初はとっても新鮮だったし、 2ndの紹介の時にも書いた、近所の子供達の声や雑踏のSE的な音の素材もとっても素敵である。
 デビュー曲である「魂は木の葉のように」はサウンド、歌詞共にヤられた絶妙な名曲である。特に大好きなのは3曲目の「Mr.Joy」。テンポのグルーヴィーな雰囲気がとっても気持ちよい。オープンカーで海と山の狭間を軽快に飛ばしてる、そんな場面を思い出させてくれるような曲だ。
 それから、ラストの「Everyday」はゆるりと泣きそうになってしまいつつ、元気になれる、そんな曲。アルバムを通して聴き終わるにふさわしい感じで、さっきも書いた帯のコピーがホントピッタリだなーって思わせてくれる。
 何度聴いたのか分からない程聴いてて、それはそれは大好きな1枚だけれど、最近は聴いてなかった。で、たまたま今日久々に聴いたら、やっぱり嬉しくてまた何度も聴いてしまった。そういうアルバムだ。

John Coltrane / Transition

 サックス奏者、ジョン=コルトレーンの65年の作品。リリースされたのは彼の死後。
 あんまり話題にあがらない作品なんだけれど、コルトレーンのテナーサックスオンリーの作品としては1番好きなアルバム。
 細かいこの作品における経緯や解説などは他にたくさん語ることの出来る方々がいると思うので、素直に聴いた感想を。
 何と言いますか、壮大な3部作プラス1的な曲構成でとにかく凄い演奏なのだけれど、コルトレーンのサックスがとっても優しい。もちろん、コルトレーン大好きなんで、かなりの作品を聴いて来てはいるけれど、このインパルス時代のアヴァンギャルド系というか、ちょっとイった雰囲気すらある演奏の多くはカッコイイとも思うし、迫力はとてつもなく感じて来たけれど、優しさを感じた作品はこのアルバムが初めてかも。
 優しいとはいえ、このアルバムが初コルトレーンという方にはパンチが効いているのかも知れないけれど。でも、聴けば聴く程、嬉しい気持ちにしてくれる1枚だ。
 2曲目の「Welcome」はその前後のブレイクのようなバラードなのだけれど、この曲はいきなり聴いても優しさと嬉しさで溢れた曲なんで、気持ちよく聴けるはず。マッコイのピアノもとってもキレイだし。
 最近、1番聴いているコルトレーンの作品である。他はほとんどアナログでしか持ってないからってのもあるけれど。でも、ホントイイし、好きです。

Monday Michiru / New Beginnings

 ここでの紹介も200アイテムを超えたので、そろそろ同じアーティストの別の作品もということで行きます。
 で、最初の方はマンディ満ちるさんで、2000年3月リリースのマキシ・シングルをご紹介。
 彼女のナンバーで超好きな「Something To Believe In」が収録されております。そりゃこの後のアルバムにも収録されておりますが、このシングル、四季をテーマにリリースされた4部作の最初の1枚で春ヴァージョンです。そういう流れがあるので、まとまってるアルバムではなく、シングルがイイんです。もちろんアルバムも持ってますが。
 この大好きである「Something To Believe In」を一言で表すならば、やはり涙が出そうな位の嬉しさに襲われる曲です。ブラジルフレーバーたっぷりでゆるやかなサンバ。両手を広げて踊り出したくなる雰囲気。
 他の曲も含めて、全部好き。春というテーマのシングルだけれど、この初夏の時期が結構しっくり来るかも。それはやはりブラジルフレーバーだからこそかも知れない。
 アルバムでは聴けない、色んなヴァージョンも入ってるからこれはこれでマストな作品。ともかく、そういう説明はどうでもよくて、フワッと聴きながら酔いしれていたいサウンド。心地よい。

Hank Mobley / Dippin'

 テナーサックス奏者、ハンク=モブレーの65年の作品。ブルーノートNo.4209。
 何と言ってもというか、どこでも言われているけれど、このアルバム、イコール「Recado Bossa Nova」ということです。確かにエエ曲で何度も聴きたくなる気持ちも分かるし、当然のように何度も聴きました。
 で、ホントの注目点はトランペットのリー=モーガンとの2ホーン構成での駆け引きではないかと思っておる訳です。で、この2人のいい感じなのは「Recado Bossa Nova」よりもむしろ、最初の曲である「The Dip」かなぁって気がする。というか、「The Dip」はモーガンの曲っぽいし。
 で、モブレーのサックスをじっくり堪能したいのならば「Soul Station」がよろし。こっちのアルバムの方がよく売れていた記憶もあるのではあるけれど・・・。
 さて、また「Dippin'」に戻って、この作品で唯一のバラードナンバーである「I See Your Face Before Me」が実は一番好きだったりもする。しっとりとしてて、テナー、ペット、ピアノの順番にソロがやって来るのがとっても気持ちよい。
 アルバム全体として、やはりイイ感じでまとまっている1枚である。アメリカよりも日本やヨーロッパで人気が高いのも分かるような気がする。買うなら輸入盤の方が安いけれど、解説が載ってる日本盤をオススメします。

Don Ellis / New Ideas

 トランぺッター、ドン=エリスの61年のクインテット作品。
 この作品を入手した時はジャケットは目にしたことがあったのだけれど、あまりよく知らないミュージシャンであった。レコード屋のワゴンセールで、その名の通り、ワゴンに山積みになっている所から探し出して購入した1枚。
 決め手となったのはクインテット作品でピアノとヴィブラフォンが入ってるというところ。それにピアノが好きなジャキ=バードだったというのもありつつ。
 音的にはとっても西海岸な明るめのテンポのいい楽曲が多い。好きなのはペットとヴィブラフォンのユニゾンがとっても気持ちのよい「Four And Three」かな。
 3曲目の「Natural H.」って曲だけ、他とは全く雰囲気の異なる感じで、フリー的というか、アヴァンギャルドな楽曲になってる。それぞれが好きなように、いや、タイトル通り好きに音を発しているのだけれど、ポツポツと聴こえてくるんで、現代音楽のようでもあってなかなか好きなラインだ。
 ラスト曲である「Tragedy」もちょっとアヴァンギャルドな雰囲気を持たせつつ、ヴィブラフォンメインなメロディがイイ感じ。
 何とも、西海岸的サウンドと自由なアヴァンギャルドな音が混ざっている作品でかなり珍しいかもしれない。しかし、こういう何でもありというか、好きな組み合わせでアルバム作ってるって辺りも好きである。

Silent Poets / For Nothing

 サイレント・ポエツ、97年の作品。ここでも紹介した竹村延和が主宰だったアイデリックレコードからのリリース。
 ポエツの作品もほとんど持っているけれど、この作品の好きなのは音はもちろんだけれど、ジャケを含めたパッケージワーク。音楽のアルバムでもあり、写真集のようになっているのがイイし、何よりとってもキレイな写真が収められている。
 曲のタイトルごとに1枚ずつ写真があり、聴きながら見ていると、どっぷりと漬かってしまう、それは音にも合っていて、イメージをより広げてくれるとても効果的な数々。色彩がまたとても素敵である。
 アルバム全体の雰囲気としては、楽曲ごとにホントさまざまなタイプの音がちりばめられていながら、統一感のあるゆったりしっとりのアンビエント風味。
 好きなのは最初のナンバーでたった38秒しかない「Theme」かな。ピアノだけの一番アンビエントな音だ。3曲目の「Don't Break The Silence Featuring Virginia Astley」も細々しい女性ヴォーカルが心地よい。続く4曲目の「Memories」のギターのアルペジオだけなシンプルさも泣ける感じがあって好き。
 アナログとCDで持っているけれど、写真は大きなアナログの方で見た方が絵の説得力もキレイさも全然いいけれど、パッケージとしてはCDの方が良く出来ていると思う。
 しかしまあ、何故かというか、こういう好きな作品なのに廃盤になっているんである。悲しいことに。でも何とか手に入れてもらって、見て聴いて欲しい1枚だ。

Original Love / Kaze No Uta Wo Kike

 オリジナル・ラヴ、94年の4枚目の作品。村上春樹の79年の作品と同タイトル。読んだ事無し。
 オリジナル・ラヴについてはやっぱり初期というか、バンド編成であった東芝時代が好きで、ジャジーでおしゃれな頃!?(笑)というか、アンサンブルが巧みな時代が好きであった。
 この作品はそんな頃であり、ちょっと乾いたロックテイストを取り入れた作品って表現すればいいかな。実際はこれに前後した作品がもっと好きだったりするのだけれど、最近いつも手元近くに何故かあって、よく聴くアルバムとなっているんで紹介。
 まあ、そんな好きではないとは言いつつも、かなりよく聴いてて、好きなんだけれど、このアルバムで一番なのはラスト2曲の感じがすごくイイ。「Sleepin' Beauty」のゆったりまったりメロウな感じから「朝日のあたる道」のテンポある心地よい疾走感がよろし。
 特にラストである「朝日のあたる道」は大音量で聴きながら大合唱したくなる雰囲気を持った曲である。歌詞的には思いっきりラヴソングなんだけれど。途中のスキャットや転調する部分でまた嬉しくなってもっと歌いたくなる感じ。
 とまあ、何だかんだで、こうして書いて、同時に聴いてみるとやっぱり好きなアルバムなんだなーと思った。だからこそ、いつも手元近くにあるわけだ。
風の歌を聴け

Cuva Cuva / Stars & Wave

 三辺貴生の1人ユニットである、Cuva Cuvaの2001年の1stアルバム。
 ソングライティングから演奏、プログラミング、そして歌まで歌う、マルチなアーティストさんです。この作品では女性ヴォーカルのゲストを迎え、曲ごとにストーリーがあって、彼自身を含め歌い手が次々に変わって行く感じのコンセプトアルバム。
 やはり、ゲストの中で注目すべきは畠山美由紀でしょう。というか、彼女が参加してたから、この作品の存在を知って発売日に買ったって記憶している。
 で、畠山美由紀の歌う「Tao Longe Sempre Perto」が一番好きかな。ギターと歌だけのそれはシンプルでスローなボッサ。
 全体的にもゆったりとした時が流れて行く作品である。のんびり、ゆったり、構える事無く気持ち良く聴けるアルバム。
 2曲目の「Verb」のラストとか大好きな虫の声とか入ってて、前半のサンプリングなキラキラループと全く正反対な感じで余韻を残してたりするのもイイ感じだし。続く3曲目のタイトル曲でもある「Stars & Wave」にも虫の声、鳥のさえずりなんかが微妙に聴こえててやはり良い。
 せっかく、コンセプトアルバムということで、ブックレットに各曲の物語のような解説が書いてあったのに、無くなってしまって、読みながら、イメージを膨らませて、じっくり聴くってことが出来ないのが残念でならない。しかし、サラっと聴いてもとっても気持ちいいです。

Yoshiko Goshima / Swingin' the Swing

 シンガー、五島良子の97年のマキシ・シングル。
 この暑くなってくる季節に聴きたくなる1枚である。とってもスィンギンなソウルナンバー。タイトルそのまんまな感じだけれど、ホント、そういう感じなんである。
 デビューは90年だから、もうかなりのベテランさんであるし、自身のソロ活動以外にも、楽曲提供やコーラス参加など多岐に渡っている。
 一番知られているのはネスカフェのCM曲でもあった99年リリースの「Open Up」だと思う。あの頃、これまた丁度夏なんであるが、ガンガン流れていた記憶がある。
 2001年のアルバムを最後にここしばらくは作品がリリースされていないので、何やってるのかなーって思ってたら、3月にここでも紹介した、くるりの「アンテナ」に収録されている、「Hometown」にコーラスで参加しているではありませんか。これは嬉しかった。
 で、このシングルであるけれど、タイトル曲の「Swingin' the Swing」はさっきもいったような感じの心地よい音で、2曲目の「First Light」は一転ビートの効いたハウス、3曲目の「Pierced Earring With No Name」はレゲエなナンバーである。
 たった3曲なシングルではあるけれど、バラエティに富んでいて、なおかつどれも夏らしくて、やはりこの季節に合うんです。このジャケにも写ってる、彼女のアフロ時代が好きだったりもする。

Nuyorican Soul / The Rimixes

 ニューヨリカン・ソウルの大ヒットした97年のアルバムのリミックスアルバム。98年の作品。
 本来ならば、その97年のアルバムがイイし、好きだし、定番でもあるんで紹介しておきたい所ではあるけれど、今手元に無くて、広島に置いたままにしてあるのと、このリミックス盤こそというか、素晴らしいミックスの曲があって、こっちはこっちで大好きなので、ご紹介しましょう、と。
 その好きな曲というのはこのアルバムのラストを飾る「Pienso En Ti」。ルイス=サリナスの歌とギターが渋くてたまらなくカッコイイんです!ハイ。というか、オリジナルの方にも入ってるし、ヒットもしたんで、結構誰でも知ってる感じもするのだけれど。それにしても、また改めて6年経った今聴いても泣きそうです。
 リミックス盤なので、いろんな有名DJやミュージシャンによってミックスされているのだけれど、そうではない、ニューヨリカン・ミックスな曲が好きであります。もちろん、さっきあげた「Pienso En Ti」もそう。あ、全体のプロデュースがマスターズ・アット・ワークってのも大きいかも。
 昔、ラジオでも番組のラスト辺りでフルで6分27秒かけました。今でもその番組の雰囲気も思い出させてくれるし、こんな風に渋いギターが弾きたい!って感じさせてくれる、熱い曲でもある。改めて何度も言うけれど、イイです。

Traffic / Traffic

 トラフィック、68年の2ndアルバム。彼らを代表する1枚といわれている作品でもあり、名盤だ。
 ここ4年程、パッケージはあるのにディスクが行方不明という状況が続いていたのだけれど、さっきようやく見つかったので、嬉しくなって紹介。
 やはり1曲選ぶならば、代表作である「Feelin' Alright」になってしまうかな。爽やかロックな定番というか、嬉し泣きな1曲。ピアノのメロディアスなリズム伴奏がツボ。途中のサックスソロもまたよろし。
 1stのサイケな感じも大好きだし、70年代に入ってからの、ジャズロックなインストなんかも大好きではあるが、このアルバムがやはり色んなエッセンスが凝縮されてて、聴いてて楽しいアルバムだってのも大きいのかも知れない。
 最初に知ったのは以前紹介したニューエストのライヴで「Feelin' Alright」がカヴァーされてるのを聴いて。その後、ソウルフラワーとなってから「Forty Thousand Headmen」のカヴァーがアルバムに収録されてたりもします。
 スティーヴの歌声がたまらなく好きだったり、さっきも書いたピアノやサックス、オルガンの乗り具合もいいのだけれど、このアルバムの最大のツボ部分はリズムにあり。太鼓の音色が60年代らしいというか、乾いた感じで重過ぎることなく、薄っぺらくもないってところがカラダに響いてくるんだろうと思う。
 とにかく、久々にじっくり聴けて嬉しくてしょうがないのであった。
Traffic

Terumasa Hino / La Chanson D'orphee

 トランぺッター、日野皓正の68年の作品。
 ビートルズの「Day Tripper」のラテンなカヴァーから始まるこの作品は、彼のアルバムの中でもとっても珍しい、イージーリスニングな作品である。
 他にもビートルズカヴァーがもう1曲に、ラテンなスタンダード満載だし、「イパネマの娘」や「マシュ・ケ・ナダ」、アルバムタイトルである「黒いオルフェ」といったボッサナンバー、「サマータイム」などのジャズのスタンダードまでバラエティに富んだ楽曲をゆったりBGM的に聴かせてくれる1枚だ。
 日野皓正といえば、頬を思いっきり膨らませて、ハードにプレイする印象が強いだけに、ちょっと意外で楽しい発見的でもある。68年という時代にやってる素早さも面白い。
 彼の作品で好きなのは70年代前半の和のテイストとジャズの融合に、実験的で、そして意欲的に取り組んでいた、インプロヴィゼーションのような時代のものが、弾けていて好きだ。
 このアルバムは、ホント楽しい。肩の力を抜いて、ゆっくり気楽に過ごしながら聴ける。とはいえ、やはりトランペッターの凄みというか、上手さは光っている。
 1曲を選ぶならば、ハンコックの作品である「Watermelon Man」のカヴァーかな。一番テンポもゆったりしてて、ラテンらしい雰囲気で一杯だし。トランペットソロがまた、気持ちいい。

The Brand New Heavies / Brother Sister

 ブラン・ニュー・ヘヴィーズ、94年の3rdアルバム。
 この作品も発売当時は激!聴いた系のアルバム。グイグイ来るかんじではなくて、程よいグルーヴ感が気持ちよくて、ホントによく聴いていた。今、改めて聴いてみても、太鼓系の音がちょっと昔な感じがするくらいで、全く持って楽しく聴ける作品。
 大好きなのは、スタートナンバーである「Have A Good Time」とマリア=マルダーの名曲のカヴァーである「Midnight At The Oasis」、そして、ノリノリな「Fake」。サウンドメイクの上手さがイイって思えるご機嫌なナンバー達。もちろん、全曲好きだし、聴く時は飛ばしたりせず、全曲フルで聴くけれど。
 このアルバムよりも前の時代のインスト中心な頃も好きではあったけれど、やっぱり歌が載り、ジャズ的なものからグルーヴィーなソウルになってきたこの1枚が彼らの作品でも1番好き。
 そういえば、アシッドジャズなバンドでもあったというか、そういう捉えられ方をしてたんだったなー。でも、あの頃はそういうムーヴメントの勢いは凄く感じられたし、それによってイイ音と出会えるのは嬉しいことだ。というか、アシッドジャズっていう言葉の響きが懐かしい。
 この作品でヴォーカルをしてる、エンディア=ディヴンポートはこの後、離れていくんだけれど、彼女のヴォーカルが一番ブランニューの音には合ってる気がする。しかし、最近の彼らについてはほとんど知らなかったりする・・・。
 とにかく、今でもよく聴くアルバム。適度なうねりが欲しい時にはこのCDに手が伸びてたりする。本日やっと、iTunesに入れてみたら、ジャンルがエレクトロニカと表示されて可笑しかった。

Laurindo Almeida / Guitar From Ipanema

 先日もMJQとの共演作品を紹介したギタリスト、ローリンド=アルメイダ、64年の作品。
 多分、この作品で個人的にはボッサっぽいものを最初に聴いたんだと思う。もちろん、このアルバムでも1曲目である定番曲「イパネマの娘」は知ってたが、この口笛がメインメロディなのには、一瞬にしてハマってしまったのであった。ジャケットもとってもカワイイし、ホントはアナログで持っていたい。
 これを聴いて以後、ブラジル作品も大好きになり大量に聴くようになったのであるけれど、改めて今、またじっくりと聴いてみると、他のブラジル系、ボッサ系作品とは音質的に違うなーって思った。64年作品で古いのだけれど、とってもクリアな音だなーって思う。スタジオ録音てき臨場感が凄いって感じ!?って言うのだろうか、上手く表現できないけれど、そういう感じに取れる。
 とっても高音系でキレイなアルバムで、大好きなフルートも多用されてて、聴くとゴキゲンになれるほんわかワクワク系。でもギターをよく聴くと結構低音部分がしっかり出ててリズム楽器的にきっちり鳴っている。これがフルートをはじめ、歌や口笛のメロディを引き立たせているんだねぇ。
 好きで、思い入れもとってもある作品なので、何かと上手く表現できない事だらけになってしまって残念ではあるけれど、このカワイイジャケを手に取ったりしながら、ゆったり楽しく聴いて欲しい作品だ。

Eric Dolphy / Last Date

 200枚目の紹介となる本日は、ジャズマン、エリック=ドルフィーの64年のタイトル通り最後の録音作品、オランダにて。
 確か、ジャズのアルバムとして2枚目に買った作品だ。1枚目がコルトレーンで、その中でドルフィーがプレイしてた音を聴いて、すぐ好きになっての購入。
 このアルバムでは、ドルフィーはアルトサックス、フルート、バスクラリネットをプレイしている。コルトレーン繋がりで聴き始めたのもあり、ドルフィーもフリージャズでアヴァンギャルドなブロウ具合が大好きだ。
 特にこのアルバムで聴けるバスクラリネットのブロウは強烈。1曲目の「Epistrophy」のイントロから不協和音ばりに聴かせてくれているが、これがたまらなくカッコイイ。
 で、やはり高音好きとしては、ドルフィーのフルートプレイである。このアルバムで最も好きな「You Don't Know What Love Is」では繊細で美しい音色が楽しめる。イントロだけで2分45秒以上フルートが鳴りまくってたりするし。途中でドルフィーらしい、フルートブロウが聴けるのもまた楽し。イった音もあるけれど、やはりピアノとベースと相まって、とてもキレイな曲。
 このアルバムも久しく聴いていなかったけれど、やはりイイ作品だ。こうして毎日のように音に関して文章書くというのは、大変でもあるけれど、久々の楽しい音っとの再会も出来たりと、嬉しいことが沢山ある。
Last Date

Michael Brecker / Tales From The Hudson

 昨日に続いて棚の奥で眠ってましたCDシリーズを。サックス奏者、マイケル=ブレッカーの96年の作品。これまたインパルスより。
 ブレッカーと言えば、やはり70年代にヒットし注目を集めた、ブレッカー・ブラザーズの時代が連想されるし、ヒップでとっても好きだった。
 この作品は当時の新生インパルス一押しアルバム、というか、起死回生の1枚的な作品。ジャズ界では大物であるブレッカーを移籍させ、それにプラス、パット=メセニーが全面参加し、ゲストでインパルスとは馴染みの深いマッコイ=タイナーがピアノを弾くという豪華さ。
 楽曲的には当然のようにブレッカー作の曲が多いけれど、全体的にブレッカーのソロフレーズでは、モロ、ブレッカーな音で、ギターソロでは、モロメセニーな音であり、マッコイのソロはモロマッコイな音である。とにかく強烈な作品だ。
 特に3曲目のメセニーの曲である「Song For Bilbao」では思いっきり、このモロなぶつかり合いが堪能出来る。
 それぞれのアーティストが強烈ではあるけれど、そこはベテランの味もあり、昔からの仲間ということもあって、とってもバランスのとれた90年代の大人なアーバンジャズが展開されている。ゆったり飲みたい深夜の雰囲気にピッタリ来るアルバムだとも思うし、当時スマッシュヒットしたのもうなずける1枚。
 ジャズ好きじゃあない方にはブレッカーなんて、全く馴染みのないように思われるけれど、ブレッカーはスマップのアルバムでも結構な数の曲を吹いてたりもする。スマップの7枚目以降の作品って結構ホーンアレンジが凄くて、豪華なのだけれど、実際にニューヨークの一流ジャズマンに依頼してるのだ。ちゃんとアルバムクレジットにブレッカーとか名前載ってるんで、持ってる方はチェックしてみては!?しかし、吹いてるジャズマン達はスマップってアイドルの作品とは知らずにやってると思うけれど。

Eric Reed / Musicale

 ピアニスト、エリック=リードの96年のリーダー作。インパルス移籍第一弾。
 ウィントン=マルサリス楽団の一員として何度か来日してたりもするので、馴染みの方もいるかも。90年代以降に台頭してきたジャズ系のアーティストにはこれまであんまり注目もしていなくて、やはりジャズと言えば、40年代から60年代の黄金期の巨人達が70年代生まれとしては逆に新鮮であったし、情報的にも知る機会がたくさんあったし。
 さて、このエリック=リードだけれど、じっくりこの作品を聴いたのはホント最近のことで、それまではずっと棚の奥で眠ってたCDだった。何よりもジャケットが聴く気を起こさせてくれないでいた。
 で、腰を据えて聴いてみると、ビックリ、上手いじゃないですか!とってもヒップなピアノを聴かせてくれているし、楽曲のほとんどが彼のオリジナル作品というのもイイ。
 アルバムの流れとして、クインテットとトリオの演奏が交互に収録されているのだけれど、メリハリがあってとっても聴きやすい。
 好きなのは3曲目、最近のジャズマンとして注目もしているニコラス=ペイトンのトランペットが印象的な「Cosa Nostra」と、エリック=ドルフィーとオーネット=コールマンに捧げられた6曲目の「Pete And Repeat」。
 ジャズの黄金期の雰囲気を受け継ぎつつ、エリックオリジナルな奏法を繰り広げていて、とっても気持ちよく聴ける1枚だ。

V.A. / Child Food

 ボンジュール・レコードのレーベルから第二弾として2000年にリリースされたコンピレーションアルバム。
 ここでコンピを紹介するのは初めてだと思う。これまであえて、コンピは避けてたのもあるし、そろそろ自由に行きましょうということで、紹介。というか、本日ホント久々に聴きたくなって、聴いたらとっても良かったので。
 さてさて、音であるが、9カ国、17組のアーティストによる17曲が収録されていて、レコード会社やレーベルの域も超えてるから、豪華でお得な1枚。
 ここでも紹介した竹村延和やCalm、SoulstanceにDouble Famous、パスカル=コムラードなど、好き系のアーティストが沢山入ってるから当然のように買った作品ではあったけれど、しばらくは全く聴いていなくて、どんな曲が収録されていたかもすっかり忘れていた。
 さまざまなアーティストで楽曲もバラエティに富んではいるけれど、全体的にはフワフワ系の音。ちょうど今の季節な感じの昼間や深夜に聴くと心地良くなれるサウンドだ。
 この中で好きなのは、やはり上にも書いた元々好きなアーティストの作品になってしまうなー。でもアルバム全体の流れはとっても自然で全曲すんなり聴けてしまう1枚。現在ボンジュール自身が売り切れになってるから、もしかすると廃盤の可能性も。そうなら残念でしょうがない。

Grover Washington Jr. / A Secret Place

 サックス奏者、グローバー=ワシントンJr.の76年の作品。モータウン傘下のkudoレーベルより。
 彼の作品の中では比較的地味な作品ではあるが、一番好きなアルバムである。何と言ってもタイトル曲である、「A Secret Place」が最高。これまた大好きなソプラノサックスで演奏されてます。
 これまで、ソウルやファンクなアルバムを紹介した時に「静寂のグルーヴ」って表現を何度かしてきたけれど、この言葉でまず思いつくのは実はこの曲だ。
 この二つ前の作品である「Mister Magic」も好きだしイイんであるが、静寂さがこっちがはるかに上。で、「Mister Magic」には同名のタイトル曲っていうヒットもした華やかなナンバーがあるが、こちらは一貫して地味。しかし、ソプラノサックスとエレピのキレイでゆったりとした、心地良い「間」のある作品だ。
 ハンコックのナンバーである、「Dolphin Dance」も演奏されてるけれど、これがまたダンスではありません。もちろんイイ意味で。でも、ソプラノサックスは聴き方によってはイルカの声のようでもある。この曲での彼のブロウはそういった意味でもアヴァンギャルドで渋い。
 こんなに個人的には大プッシュであるけれど、現在CD化されているのは、一つ前の作品である「Feel So Good」と一緒になった2in1作品として。まあ、時代的にも作品的にも並びのアルバムなので、まとめて聴いてもスタイルも似てて、お得でいいのかも。ジャケのパンタロン姿の彼も好き。
 80年の大ヒット作、「Winelight」も素晴らしいが、グローバーの神髄はこの作品に現れていると思っている。

Modern Jazz Quartet / Collaboration

 モダン・ジャズ・カルテット、64年の作品。ギタリスト、ローリンド=アルメイダとの共作。
 MJQの素晴らしさはもちろんだけれども、はやりこの作品はアルメイダのギター、これに尽きますな。というか、大好きなもので、アルメイダってギタリストが。
 持ってるのはアナログで、現在流通しているCDのジャケの中央に四角く見えるのが本来のジャケット。日本盤の初回のプレスのもので、まだフィリップスの権利をビクターが持ってた頃の盤です。
 さて、音だけれど、A面はMJQのピアニストである、ジョン=ルイスのオリジナルが中心で、ラストがバッハ。ジョンの楽曲はとってもキレイで、MJQらしい、スィング感が楽しい。
 B面はブラジルものと、ラストナンバーがアランフェス協奏曲。実はこの作品は、このラストのアランフェスで有名な盤だったりもする。
 しかし、1番好きなのはB-1である、ボッサの定番曲でもある「One Note Samba」。いろんなアーティストによって演奏されているけれど、このアルバムに収録されているモノがフェイバリットだ。アマゾンでも聴けるけれど、イントロまでしか聴けないんで、是非フルで聴いて欲しい。アルメイダのギターのスパニッシュでブラジリアンでクラシックな、それは泣けるフレーズが堪能できます。
 全編に渡って、こんな感じでさまざまなフレーズを美しい音色として弾いてくれてます。MJQのピアノとヴィブラフォンと相まって、とても高音ジャズなツボの作品。

Triceratops / The Great Skelton's Music Guide Book

 トライセラトップス、98年の2ndアルバム。
 彼らについては、大好きとかそういうのではないけれど、デビュー前から知ってたし、売れるとは思ってもいなかった(笑)。
 で、この作品であるが、聴くようになったのは8曲目のタイトルが「マスカラ&マスカラス」だったから。プロレス好き、特にマスクマン好きとしてはチェックすべき、アンテナに引っかかったタイトルだ。
 聴くと、中々テンポも良くて、3ピースバンドらしいシンプルなロックが繰り広げられていて楽しく聴くことが出来た。
 最初はもちろん、「マスカラ&マスカラス」だけの1曲リピートコースで聴いてて、その後アルバム通して聴くと、これが悪くはない。
 逆に、デビュー前から知ってたのに、嫌なくらいに拒否して聴かなかった、って感じがあったのが、おかしくなった。
 「マスカラ&マスカラス」を含め、シングルリリースされてる曲が3曲位あるのかな。やっぱり、シングルになってるものは曲もキャッチーな感じだなーと思った。この辺りは、大好き!ではないからこそ、客観的に聴けての感想だ。
 この後はレーベル移籍したりサウンドのラインもちょっとずつ変わっていたりするのは一応チェックしているが、やっぱり「マスカラ&マスカラス」ほど聴いた曲はないかもなー。

Yoko Oginome / Chains

 荻野目洋子、97年の作品。
 昨日のパフィーのアルバムに絡めて、スピーカーのアップな作品ということで、選んでみました。
 さて、この作品というか、この時期の荻野目洋子というのは、変化の時期というか、とってもカッコイイ曲を何枚か発表している。で、この作品であるが、プロデューサー陣が大沢伸一、吉澤はじめ、マンディ満ちる、Tosh Masudaという、豪華というかファミリー的な面々。クラブ的なサウンドの詰まった1枚となっている。
 まあ、個人的にかなりの大沢フリークだからこの頃の荻野目作品も全て持ってたりするのだけれど、このアルバムの音を分かりやすく例えるならば、モンドグロッソの「Closer」的ジャジーなR&Bチューン満載。
 元々、荻野目洋子と言えば、皆さんと同じく「ダンシング・ヒーロー」なアイドルという認識だったけれど、この頃の彼女の歌を聴いてからは、上手いなーって、ようやく歌手荻野目洋子を聴けるようになったんであった。
 やっぱり好きなのは大沢サウンドである、シングルカットもされてた「Look Up To The Sky」。プロモも8mmフィルムで録られたもので、とても印象に残っている。
 今、彼女、何してるんでしょう!?知らないけれど・・・。もしもライヴするなら、今だからこそな感じのサウンドでやってくれたら観に行きたい。

追記。何してるかと思えば、イイお母さんになっているではありませんか!このサイト見ると、一瞬ガッカリしたけれど、何か楽しそうでイイなぁと思えた。